物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

ランダウの理論物理学教程

2014-11-22 17:46:14 | 物理学
詳しくはランダウ=リフシッツの『理論物理学教程』と言わなければならないが、それがPDFで無料公開されているという。

もっとも1960年代に発行されたものであり、最新の1980年代のものは公開されていないらしいが、それでも憧れの『理論物理学教程』である。

私に一番近しかったのは『弾性体論』だったが、これは大学の講義の弾性論のテキストとして使われた。結局はまったくわからずじまいであった。この科目の単位はどうやってもらったのだろうか。

その後、材料工学科に数年勤めたときに弾性体論の一部を講義することになってあわてて、それを学び直したといういきさつもあった。しかし、いずれにしてもランダウの本は私にはわからなかった。

ゆっくりじっくり読めばわかるようにはなるだろうが、それはあまりにも時間がかかりすぎるという気がする。そして、別の本で学んでその基礎がある程度わかった上で読めば、多分ランダウの本はすっきりしているのだろうと思う。

私がもっている訳本では『力学』、『場の古典論』、『統計物理学』の3つだけであるが、『弾性体論』は今でもどこか探せば英訳の青焼きのコピーが出てくるであろう。

1960年代の版ではあるが、公開されたということで感慨がある。学生のころランダウの量子力学の英訳本を友人がこれを私たちに見せびらかせて読んでいたことを思い出す。

その後、私はセミナーでシッフの英語の量子力学の本を読んだが、WKB近似のところだけはランダウの日本語訳で読んでノートをつくった覚えがあるが、そのノートもよく探さねば出ては来ないであろう。

ロシア語の『場の古典論』と『量子力学』はその後、手に入れたので、ロシア語を学ぼうと思ったが、初歩のロシア語を学んだ段階でそれきりとなってしまい、その後ロシア語には縁がない。

大学で2年後輩のO君は生物物理とか分子生物学とかに関心があって、長らく医学部に勤めていたが、ロシア語は辞書を引けば読めるようになったと言っていたから、まあものになったのであろう。

O君とはかなり長い間年賀状のやり取りをしていたが、そのうちにお互い疎遠になってしまった。大学を定年で辞めてからはどこかで物理を教えていると聞いたが、まだ生きているやらどうやらわからない。