物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

真理はわれらを自由にする

2014-11-28 13:18:47 | 日記
国会図書館にそんなにたびたび行ったわけではないが、数回は行ったことがある。

国会図書館の入口のところに「真理はわれらを自由にする (Die Wahrheit macht uns frei) 」という大きな字の標語がかかっている(もちろんこのうしろのドイツ語はない)。これは参議院議員として国会図書館の創設に関わった羽仁五郎の提案にもとづいたものであろう。

こういう意気軒昂なところが羽仁五郎のいいところである。羽仁五郎のような高邁な理想をもった思想家はいなくなった。さびしい。

羽仁五郎『都市の論理』(勁草書房)をあまり詳しく読んだことはないが、都市を中心にして政治を行うべきだという考えを述べたもので、いわゆる左翼系の人にもあまり浸透していないが、もっとこの可能性を考えるべきであろう。

これはいま自民党が掲げる、地方創成などとまやかしの概念ではない。地方創成などというのは国家が地方を何とかしてやるという恩着せがましいものだが、そういう思想がはびこっているから、いつまでたっても国が何とかせよとかいう風になる。

国は外交と防衛しかやってはいけないというのが、私の考えであり、税金も国がとるのではなく、自治体が徴収するのである。それらの多くの自治体の格差等の是正には国も絡んで来ることはあるかもしれないが、あくまでも主体は自治体である。

国に財政的な基盤があるようでは都市の自治体連合という構想は実現しない。

もう大分前になるが、ドイツのフライブルクの市長が来て、E大学で講演をしたことがあった。ベーメさんという市長はSPDの所属であったが、国が何と言おうと自治体が環境問題を勧めるのだという強い決意をもっておられた。

エネルギーを有効利用したり、車の市内乗り入れを制限するために電車やバスの連絡(いわゆる、park and ride)を緊密にしたり、割引料金を導入したりとシュバルツバルトの森林を守ることが市民を守ることだという点でも意識がはっきりしていた。原発に依存しないという点でもしっかりしていたように思う。

その後任の市長はGr"une所属の市長が選ばれていることでもわかるように、フライブルク市民の環境に関する意識は高い。

要するに、ベーメさんは国が何と言おうと自治体がノーといえば、できないのだという主張だった。その主張は羽仁五郎の都市の論理を思わせるものだった。

S先生の死

2014-11-28 12:56:12 | 日記
私にはどうしたものか物理学の先生にSという字で始まる方が3名もいる。

その中でS1先生はかなり以前に亡くなられたが、この度S2先生が亡くなられていたことが昨日のEさんからの電話で最近分かった。どうも10月5日に亡くなられていたようで、49日も済ませたという。

S2先生は多分1926年の生まれだと思うから、今年で88歳だったのであろうか。やはりこの辺の年令での健康がそれよりも生きられるかどうかの分かれ道のように思われる。

門下生としてはそれでも放っておくわけにもいかないから今日明日くらいにEさんとも相談するつもりである。私は現在のところ、H大学の素粒子論研究室の同窓会の世話役でもあるので、メールのある方はメールでまたメールのない方は手紙で知らせるべきであろうと思っている。

もう一人のS3さんも80歳を越したが、彼は元気で日本原水協の代表理事などを務められている。S1先生も日本原水協の代表理事を務められていたから、S3先生が日本原水協の代表理事を務めていることに私はあまり違和感はない。

いつかもこのブログで書いたかもしれないが、S1先生は量子力学や相対論を教わった先生だが、あまり物理学者としての強い印象はない。むしろ平和運動家としての印象の方が強い。

S2先生とS3さんとはいろいろな面で影響を受けたが、ファインマングラフの描き方などはS2先生から学んだように思う。ご冥福をお祈りする。

直接的な研究指導はS3さんからしてもらったが、どうも私自身の能力のなさから、S3さんに到底及びもつかなかった。