KAWAYU EMC スタッフのひとコマ(弟子屈町・川湯温泉・阿寒摩周国立公園・屈斜路湖・摩周湖など)

川湯エコミュージアムセンターの職員が写す日々の季節の移ろい、出来事をどうぞ Kawayu EMC staff diary

「なんて花?」

2014-07-13 16:06:22 | 自然情報(Nature Information)

川湯温泉街では、

ノリウツギの花が目立つようになってきました。

 

北海道では 「サビタ」と呼ばれることもある樹木です。

私個人的には、北海道で暮らし始めるようになってから知った「サビタ」という呼び方のほうが、

好きです…(笑)

 

川湯園地の中に、

釧路出身の作家・原田康子さんのベストセラー著作

「挽歌」の一節を刻んだ碑が建っています。

 

映画にもなったこの作品の中で、

ここ川湯温泉が「K温泉」として登場していることによるものですが、

もう一つ、

「K温泉」を舞台に繰り広げられる原田作品があります。

 

それが、「サビタの記憶」。

 

代表作といわれる「挽歌」よりも前に執筆されています。

この作品により、「サビタ」という名前が一気に広まったという説もあるぐらいです。

 

比田さんは、小さな薄黄色い花をいっぱいつけた、低い灌木の小枝を折った。

花はいい匂いがした。私は比田さんの手から小枝を取った。

「なんて花?」

「サビタ」

と比田さんは答えた。タともテともつかぬ発音をした。


~原田康子 「サビタの記憶」より~

 

とはいえ、ノリウツギという名前にも、

立派に理由があるワケで、漢字で書くと「糊空木」。

 

枝の表皮をはぐと、糊のようにネバネバしていること。

枝の中心部は髄のようになっていて、そこを抜くと空洞になること。

こんな特徴をもつ樹木なんですよ。

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魔除け

2014-07-11 13:10:30 | アイヌつれづれ(about Ainu)

キンムトーやポンポン山でたくさん見かけた、この植物。

 

つる性の植物で、

他の植物にからみつきながら伸びていきます。

 

日本語ではイケマ。

生馬とか活馬という漢字が充てられます。

 

このイケマという名は、アイヌ語のイケマが転用されたものともいわれます。

「イ=それの、ケマ=足」を言い表しますが、

“それ”とは、カムイ=神を指していて、

つまりは神の足=植物の足=根を示しているのです。

 

アイヌの人たちは、独特の臭いをもつこの植物の根を、

食料としても、薬用としても、そして魔除けとしても大いに利用しました。

 

病気がはやったときには病魔除けとして。

悪い夢を見たときには夢祓いとして。

家族の中に遠方へ出かける者がいるときは、安全を祈って必ず身に着けさせたといいます。

 

アイヌ語では「ペヌプ」、「汁・もつ・もの」を意味します。

そのとおり、枝葉を切ると白い汁が出てきます。

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弟子屈中学校研修旅行ポンポン山登山

2014-07-10 16:37:15 | 自然情報(Nature Information)

普段は町外へ行っている研修旅行ですが、

天気も何とか午前中は持ちこたえ、

今年は町内の魅力を再発見しようと町内の自然を探検しに、

ポンポン山へ行く中学生に同行してきました。

本日のミッションは町内の魅力を発見&発信するべく、

カメラで発見したものを撮影しながら歩いていきます。

まずはポンポン山入口へ集合です。

その後、様々なものを発見しながら、登っていきます。

カエルがいたり、クマゲラの食痕跡があったり、トドマツの林があったり、不思議な形の倒木があったり。

 

様々な写真を撮りながらポンポン山に到着!

とてもたくさんのマダラスズたちがみんなを迎えてくれました。

ポンポン山で心配していた天気も持ちそうだったので、

昼食タイム。

おいしいお弁当も食べ終わったら、少し早めに下山です。

 

その後は雨も降ってきたため、エコミュージアムセンターの館内で、

町内の自然についてのレクチャータイムやビデオ鑑賞タイムを取りました。

 

みんなが住んでいるこの弟子屈の自然について

少しでも何かを吸収してもらえたらうれしいです。

今晩はそのまま川湯温泉に宿泊のようです。

温泉を存分に楽しんでもらっていつか何かの形で発信していってもらえたらと思います。

 

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川湯中学校1年生 総合学習

2014-07-08 14:02:13 | 出来事(Happening)

今日は川湯中学校1年生のみなさんと

硫黄山付近から湧き、川湯温泉街を通過して屈斜路湖まで流れ出る

湯川のpHや温度などを調べました。

 

まずは館内でこれから調査する場所を確認。

各地点で水と土のpHと温度を調べ、周囲を観察しました。

あまり馴染みのない道具を使っての調査で、

最初はみんなたじたじ。笑

 

外に出ると日差しが強く、足湯の温度計ではなんと28℃に。

暑い中でもしっかりと取り組んでくれました。

 

最後はみんな手慣れた様子で観察をし、

出た結果についてみんなで少し考えました。

この結果を次回、自分たちでポスターにまとめ、

来年はそのポスターを使って川湯EMCで発表をしてくれます。

なんだか楽しみですね!

 

この活動を通して、より自分たちのふるさとのことを知って、

身につけた知識を多くの人たちに伝えていってほしいなと思います。

 

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和琴半島にて

2014-07-07 16:47:28 | 出来事(Happening)

きょうは、川湯小学校高学年のみんなと和琴半島を歩きました~!

 

ほとんどの子が「(和琴半島自然探勝路を)初めて歩く!」ということで、

入口にある露天風呂から興味シンシンなのです。

 

エメラルドグリーンの湖水を見ると、「きれ~い!!!」

大きな太いカツラの木を見ると、「でけえ!!!」

マダラスズの鳴き声に耳を傾け、

オヤコツ地獄からの眺めを満喫。

 

阿寒国立公園の特徴である「森」「湖」「火山」を、

見慣れたつつじヶ原以外で実感してもらった1時間半でした。

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町内の小中高生のみんなとオオハンゴンソウ駆除活動

2014-07-04 13:04:58 | 自然情報(Nature Information)

ジュニアパークレンジャーの活動として町内に生育している

特定外来種オオハンゴンソウを駆除するために町内の小中高生が立ち上がりました。

写真は一班の駆除の様子です。

ヨモギとオオハンゴンソウが同時に生えているこの場所はみんなで

確かめ合いながら少しずつ駆除していきます。

小さい子たちにとっては自分よりも背の高い植物の中での活動となり、

姿を隠しながら作業している子も。

小中高生とばらばらに組まれたグループで初めて会う子たちもいる中で、

みんなで手分けして活動していきます。

ビフォーの写真を撮影し忘れたため、アフターの写真だけ。

かなりたくさん自生しているため、まだまだ駆除しきれていませんが、

みんなの外来種に関する意識が少しでも高まっていってくれたらいいなぁと思いました。

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アカハラ

2014-07-02 16:42:08 | 自然情報(Nature Information)

何やら動いているものが、おわかりいただけるでしょうか?

 

ちょっとズームアップしてみると、こんなカンジ。

 

いずれにしても、

わかりにくくてスミマセン。

水中カメラを持っていればなあ…。

 

ことしも、釧路川源流部の橋の上から、

婚姻色に染まったウグイがご覧いただける時期となりました。

 

繁殖期を迎えたウグイは、

腹部が赤くなるのが特徴。

上からは見えにくくてスミマセン。

 

砂地に卵を産み付けるので、

尾で砂が巻き上がるようすも見てとれます。

 

屈斜路湖の夏の風物詩ともいえるこの光景。

生命の神秘とたくましさを感じさせてくれる一コマです。

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小学校と高校

2014-07-02 16:32:54 | 出来事(Happening)

午前中は、町内の小学生と和琴半島を歩いて来ました。

 

午後は、町内の高校で外来生物オオハンゴンソウについてのレクチャーをさせていただきました。

 

 

自然とふれあう活動

野生動植物の保護管理

 

スタッフとして、

どちらも、たいへん刺激を受けます。

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1年の後半スタート!

2014-07-01 10:47:51 | アイヌつれづれ(about Ainu)

きょうから7月ですね!

 

…ということは、今年も半分の月が去って行ってしまい、

残すところあと6か月!?

 

屈斜路周辺に暮らしていた、

先住民族アイヌの人たちの表現だと、

現暦の7月は「モマ・ウタ・チュ〈女性もよく働く月〉」だそうです。

 

昔のアイヌの人たちは、

男女の分担をしっかりと分けていて、

山猟や魚漁は男性、山菜や木の実の採集などは女性の仕事とされてきました。

 

7月は、ハマナスの実も入り始めるし、

女性が食料をもっとも多く採取できる月-だというわけです。

 

最近だと、ハマナスの実が付き始めるのは、もう少し遅い時期になりますが、

いまは花が盛りを迎えています。

北海道内でよく見られるハマナス

 

白バージョンもあります

 

八重ハマナスは、

自生している一重ハマナスの稀な変異としてなくはないようですが、

ほとんどが外来園芸種として輸入されています。

 

ハマという名前が示すとおり、

海岸の砂丘や草地、山地のれき地で多く見られるこのハマナス。

中国地方の日本海側から北海道にかけて広く分布しているようです。

 

北海道では、

“北海道の花”に指定されているほどよく見られますが、

兵庫県などでは絶滅危惧種になっているとか。

 

たまには、

ゆっくり観察してみるのもいいのでは?

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