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「忘れられた巨人」 カズオイシグロ

2018-03-17 | 読書

イギリス、カンタベリーの町で。2008年6月。

6月とはいえ、雨が降ると肌寒いです。


読み始めたのは年末、お正月が来て、申告の事務があって、姑様が骨折、入院、手術、転院、リハビリといろいろあって、今日やっと読み終えた。

6~7世紀のイギリスの話。原住民ブリトン人がいて、サクソン人があとからやってくる。かつてひどい殺戮があったはずだが、人々はそれを忘れて暮らしている。

数週間前のことさえ忘れるのは、山の上にクエリグという大きな龍がいて、その吐く息で人々が記憶を失うから。貧しい老夫婦は村を出て行った息子を訪ねる旅に出る。途中でサクソン人の村で、鬼に噛まれた少年を連れ、アーサー王の甥という老騎士と同行し、山の上の瀕死の龍は老騎士が倒すけれど、それでかろうじて保たれていた平穏な暮らしが終わる予感。

老夫婦は、息子のいる島へ渡るために小舟に乗ろうとするが二人一緒は無理と断られる。息子は果たして生きているのか…

長くて寓意に充ちた構えの大きい作品。ふだんこういう種類を読みなれていないので、頭の老化も激しいし、読むのはたいそう骨が折れた。

映画化されるそうなので、どういう映像になるかぜひとも見たいもの。


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