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「作家の値うち」 小川榮太郎

2021-12-21 | 読書

只今ベストセラーだそうで。

面白いのですぐ読んだ。

日本の現役作家100人をエンターティンメイト系、純文学系に分け、総数505の作品についての解説と著者なりの採点。

期せずして、現代の小説を読む際の羅針盤となっている。約2年間、他の仕事の合間に読み続けたそうで、大変な労作。

著者は、連綿と続く日本の小説が最近面白くなくなっている。言葉でものを考え表現することは、人が心豊かに生き、その国の国力をかさ上げする大元だと言っている。

しかしこの30年ばかり、小説はスケールが小さくなり、ネット社会で人が人を責め、生きるエネルギーが枯渇している時代に、それを突き破る作品が出てきて欲しい。それが動機でこの本を書いたのだと。

その志や良し。なんて、私がえらそげに言うのもおこがましいのですが。

最高点はカズオイシグロの「忘れられた巨人」・・・構えの大きな作品でした。

次点が同じ作家の「私を離さないで」・・・クローン人間の短い一生。これは読後、泣けて泣けて。本読んで泣くのは、本当に久しぶりだった。前はいつだったか、あまりに前で忘れてしまった。0点や-90点の作品もあるけど、作家の名誉のため、ここには再録しない。

著者の評価は容赦ないけど、分かりやすくその理由も書かれているので、なるほど、日本文学の高い峰が今後も続いてほしいと、私も思った。

村上春樹は小説にアメリカ風のビジネスを取り入れた人、近代文学から続く伝統が彼によって断絶してしまった。と手厳しい。

私も30代には読めたのに、今となっては読めない。なぜかと思ったけど、その意味がこの本にはありました。

まだまだいろいろありますが、大変に学びの多い本でありました。年末にこの本に出合って、今年のいい締めくくりになりました。


昨日は臨時の茶話会。会場が耐震化工事中で、会員のお宅をお借りして集まりました。

話題はいろいろ、みなさん80代、私が若手。まだまだ、場所によっては若手です。年金暮らしのものにはケーキだって高いと言われるので、残金でちょっと豪華なケーキを買っていい歳忘れになりました。

その場で、町内会から、寡婦の人にだけ配られる黒豆、私だけなし。エーーーン、欲しかったよう。今まではお姑様のを勝手に食べてたけど、今年からそれもなし。残念!!

「**さんはご主人がいるからね」

「いるにはいるんだけど、ほとんど会話がなくて、いないのとおんなじ。それでもだめですか」

「それはダメよね」ということでした。

ううううう、、、、残念過ぎる。

帰り際、会場を提供してくれた会員宛てに、お弟子さんが仕上げた振袖が届く。それを点検して呉服屋に収めるのがその人の仕事。以前は、家に住み込みでお弟子さんをたくさん置いて和裁を教えていたそうで、今も二人辞めずに通っていると言うので、私も習いたいとお願いしたけど断られた。こちらも残念。

振袖は上品な色と柄。私、女の子がいないので、未だに振袖あれこれ見るのが好きです。

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