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「添乗員ヒミツの参考書 魅惑のスペイン」 紅山雪夫

2016-07-14 | 読書

6/12 フィリヒリアナの村で。あるお宅の壁に村の成り立ちを説明するタイル画がありました。

白い村の昼下がり、観光客以外、誰もいません。ひたすら暑いです。


ヨーロッパ、中東を得意とする旅行作家。1927年生まれなので、まだ海外旅行が贅沢な時代、そして不便な時代に各国を旅行され、日本にはない珍しい文物に多く触れられたことだろう。

世の中に旅行関係の本はたくさんあるけれど、この方の本は歴史的な教養に裏付けられて、説明がいちいちわかりやすく納得できるので、旅行前に読むことにしている。

そして帰ってからまた読むと、紙の上で得た知識と実際の記憶が結びついて、今回の場合だとスペインを一層深く知ることができるのでした。

歴史のあらすじ、各都市の見どころ紹介、コラムと過不足がありません。コラムはちょっと深く説明したいものを取り上げているようで、これもまた面白いです。

旅行に持って行く、地図付きのガイド本の他に一冊と言われれば、私は迷わず紅山氏の本を勧めたいと思います。

今もう一度読み返し、あれはそういうことだったのかと、改めて納得しているところです。

 

 

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「父の生きる」 伊藤比呂美

2016-07-14 | 読書

「よいおっぱい悪いおっぱい」を読んだのはかれこれ30年近く前。自分の体験からくる、ユニークな視点の育児本だったと記憶しているけれど(違うかも、なにしろ私もその頃30代、はるか昔のことなので読んだことだけ覚えている)、稀有な才能の詩人も仕事に人生にキャリアを重ねて、ついに親を送る年齢になっている。

著者はアメリカ人と再婚してカルフォルニアに住んでいる。お母さんはすでに亡くなり、歳とったお父さんがヘルパーやいろいろな人の助けで熊本で一人暮らししている。

著者は毎月20日から月末までを熊本で過ごし、ついでに日本の仕事もこなし、残りの二十日間はアメリカで暮らす。

遠距離介護で、通いの介護。大変である。そのほかにも、毎日お父さんに電話をかけて、たまには長く話したりする。

美談ばかりではない。愚痴の多い親にイライラし、熊本では実家近くに別に家を構えて、そこから親の家に通う。

しかし、一人っ子の著者はお父さんによく向き合い、歳をとること、死んでいくことをしっかりと見つめている。その中で人生に対していろいろな発見もあるし、親を見送る経験は、人間としての成長の最終段階だと分かる。

親の介護はほとんど人が経験するけど、リアルタイムに記録しているのは案外稀では。大変参考になりました。

「人ひとり死ぬのを見守るには、生きている人一人分の力がいるようだ」・・・それをやり終えて、何だかやっと大人になり終えた気がして、これから見る景色は今までと違っているだろうというところでこの本は終わる。

短い本だけど、読後感は重く深かった。


 

トレドのさるおたくの中庭。道路に面した建物の中に奥に通じる通路があり、庭の手前に素通しの扉がある。昨夜の番組ではここまでは誰でも来ていいらしい。

用事のある人はチャイムなどで知らせ、鍵を開けてもらって入るという仕組みらしい。

狭い旧市街で開放的な空間。

 

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