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さすらう湖(うみ)の子の旅 その7 ( ヴォーリズ建築 4 )

2018-01-02 17:16:14 | 建物紀行
 新しい年になって2日目。皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
我が家は・・・。
昨日、息子一家が新年のご挨拶に来てくれました。私が前日に大急ぎで作ったお節料理(もどき?)を美味しそうに?食べてくれました。1才2ヶ月になるSちゃんも元気にじいじを従えて我が家を歩き回りました。のんびりしたいつものお正月、良いものですね。

 さて、あと少しヴォーリズ建築のお話にお付き合いください。
帰り道、もう一つ、ヴォーリズの建築を見学することにしました。「沙沙貴神社」に車を停めさせて頂いて、長閑な田園風景の中に一目でヴォーリズの建物だと判る「旧伊庭家住宅」に着いてみると、何やらとても賑やかです。
ここを管理する方たちの集まりがあったようで、ワイワイとお片付けの真っ最中、外観だけで良しとしようかと迷っていると、中から女性が出てきて招き入れてくれました。


大正2(1913)年築(昭和9~10年に改造) 「旧伊庭家住宅」

 この建物の発注者は、住友の総理事で別子銅山の公害問題を解決したことでも有名な「伊庭貞剛(いばていごう)氏」、居住者は、安土村村長や沙沙貴神社宮司など勤め、画家でもあった貞剛の4男「伊庭慎吉(いばしんきち)氏」です。


美しい網代天井の廊下


左側は、慎吉氏の手による掛け軸  右側は、ヴォーリズの手による書

 記憶が曖昧で間違っていたらすみません。それにしても不思議な掛け軸です。和服の人はよく見ると骸骨?です。切り窓の格子がとても綺麗です。


月夜にススキの穂が美しい「秋の図」


「秋の図」の裏側は、「春の図」 欄間から漏れる隣の部屋の灯りがとても綺麗です。


ご夫婦で寛ぐお部屋だったこじんまりしたお部屋 天井が船底天井、階段下収納有り。

 この他、1階には、100年前の暖炉があるリビング、日当たりの良いサンルーム、お茶室などがあります。
ヴォーリズらしい緩やかな傾斜の、大きな窓から光を取り入れた階段を上がると・・・。



杉の一枚板による板戸(すごく価値があるらしい)(階段側と部屋側)


慎吉氏のアトリエ


ヴォーリズの心遣いが伺える伊庭家の家紋の入った屋根 (田の字みたいなマーク)


専用の階段の付いたロフト(荷物部屋)


キリスト教伝道にも力を入れていたヴォーリズの気持ちがこもった?隠し十字の十字架模様の窓


屋根の傾斜は急で天然石のスレートが使われています。

 この天然石のスレートの実物を持たせて頂きましたが、びっくりするほど重かったです。

施設紹介  旧伊庭家住宅 滋賀県近江八幡市安土町小中 191
           ☎ 0748-46-6324
 旧伊庭家住宅には、駐車場がありません。「沙沙貴(ささき)神社」の駐車場をご利用くださいとのことです。


 ヴォーリズ建築は、見れば見るほど好きになります。
『建物の風格は、人間と同じくその外見よりむしろその内容にある』というヴォーリズの言葉に深く頷く私です。
住む人の快適さと機能性、見た目の美しさ、素晴らしい建物に心奪われた旅となりました。
私のブログの端に載せてある小さな建物の写真、佇まいが好きで載せたのですが、どこかヴォーリズの建物と似ていることに気づきました。
人が住まなくなった建物の維持・管理は、とても大変そうです。今回見せて頂いた建物の中には、痛みが激しいものもありましたが、大切に残そうと頑張っている人々もいらっしゃいました。
まだまだたくさん残る「ヴォーリズ建築」 またゆっくり見るための旅に出るのを楽しみにしています。
 さて、これで岐阜・滋賀の旅のお話はお終いです。お付き合いくださった皆さん、お疲れ様、ありがとうございました。

                                       お終い






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