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2017年 第1回東大実戦 問題 11世紀の東西世界の商業

2017年08月14日 | 論述問題

 13~14世紀のユーラシア大陸では、モンゴル帝国のもとで商業ネットワークが構築されたと考えられているが、それに先立つ
時代、すでに複数の地域的商業ネットワークが成立していた事実を忘れてはいけない。なかでも、11世紀以降の西欧と宋代の中国
で農業・商工業が発展した結果、ネットワークの拠点となる商業都市の成長と、これに伴う社会変化がもたらされた。以前とは異
なる新たな支配層が台頭し、彼らを中心に新しい文化も生まれたのである。
 以上のことを踏まえて、11世紀からモンゴル帝国のもちでのネットワーク成立に至る間の西欧と中国を対比させながら、2つの地域の農業・商工業と都市の発展、および新たな支配層の台頭といった社会変化について論じなさい。解答は20行以内で記述し、
必ず次の8つの語句を一度は用いて、その語句に下線を付しなさい。


 形勢戸   交子・会子   三圃制   十字軍   スコラ学   鎮・市   特許状   木版印刷


2017年 第1回東大オープン 問題 8世紀の3つ帝国

2017年08月14日 | 論述問題
  8世紀ころのユーラシア大陸では、商業ネットワークの拠点である大都市を都とする3つの帝国が繁栄した。それぞれの帝国の権力あり方と、それを支える法体系や宗教・文化は、支配地域のみならず周辺の地域や人々にも影響を与え、特徴ある各地域世界を形成する基盤となった。また、他の地域世界の成立に影響を与えることもあった。3つの帝国を結ぶネットワークも成立し、交易活動を担う勢力が活躍して、帝国の都はさまざまな言語が行き交う国際都市となった。
  以上のことを踏まえて、8世紀ころのユーラシア大陸で繁栄した3つの帝国と、それらが各地域世界の形成に果たした役割について、同時代における商業勢力の活動にも言及しつつ論じなさい。解答は20行以内で記述し、必ず次の8つの語句を一度は用いて
 その語句に下線を付しなさい。

 
  儒教   シャリーア   コンスタンティノープル   スラブ人布教   啓典の民   朝貢   ダウ船

  カール戴冠
  

2017年 第1回東大オープン解説1 8世紀の3つの帝国

2017年08月14日 | 論述問題
8世紀の帝国は唐、アッバース朝、東ローマ帝国
選択肢のカール戴冠に惑わされないように
都が商業ネットワークの拠点とあるので、コンスタンティノープルになる

問われているのは
各帝国が各地域世界の形成に果たした役割

商業勢力の活動
ここで問題になるのは、各地域世界の形成と言っても幅が広すぎる点
そこで、リード文から読み解くと
1.帝国の権力のあり方
2.法体系
3.宗教と文化
これらが支配地域と周辺に影響
とあるので、
各地域世界が特徴ある一つの文化圏を形成していく中で、この3点に注目する
つまり、この3点が特徴ある一つの文化圏ができた点にどんな役割を担ったのか、が書くべきポイントになる

字数は600字
3地域それぞれに200字ずつ
3点ずつあるから1つ60字程度
この中に周辺への影響もこの字数に含まれるから、ほとんど書けることはない

3点のなかから突破しやすい点から考えていく
200字数程度だからそれほど書ける内容は深くない

ただし、注意するべきは「形成」ではなく「役割」を書くべきだという点。


2017年 第1回東大オープン解説2 8世紀の3つの帝国

2017年08月14日 | 論述問題


皇帝と貴族が官僚制度を担ったが貴族は門下省で皇帝権力を制限した
一方、儒教に基づく科挙が皇帝権力を支えた
律令制度が整備され、これは周辺の朝貢国も導入した
また中国で発展した仏教が周辺国に広まった
このように東アジア文化圏が形成された


アッバース朝

ムスリムの税制上の平等を実現させ
イスラム帝国として神格化したアッバース家カリフが民族を超越
帝国内のムスリムにシャリーアを整備した
こうして西アジア文化圏を形成した
一方、キリスト教徒やユダヤ教徒は教徒は啓典の民として異教徒が担うジズヤは免除された
陸上貿易に加えダウ船がインド洋の季節風貿易を担い、イスラム文化圏が拡大した




東ローマ帝国

皇帝は皇帝教皇主義をとり、コンスタンティノープル教会を頂点とする東方教会を監督した
イスラム教の影響を受け聖像崇拝禁止令を出した
その結果、カール戴冠によって西欧世界が東ローマ帝国の皇帝権力が離脱した

バルカン半島に移住したスラブ人に布教がはじまり定着した