メキシコの隅っこ

メキシコの遺跡や動物、植物、人や風景などを写真で紹介してます

この衝撃がわかってもらえるでしょうか

2006-02-10 08:14:30 | 出来事
メキシコに来て11年を過ぎましたが。
そのあいだに、これほど腰を抜かしたというか衝撃を受けたというか、
まあいきなりだったせいもあるでしょうか。
そんな出来事は他になかったような気がします。

そりゃあ、テレビをつければ日本アニメをやってはおります。
『ガッチャマン』の質の悪い画面を見たときは懐かしさのあまり涙が出そうだったし、
『ハイジ』の(実際に自分で見たことはなかったけど、友達がよく歌っていた)主題歌を聞いては思わず一緒に口ずさみ、
『キャプテン翼』だって、名前がオスカーだのラウルだのに変わっていてもかまうもんか、サッカーの話題ネタにはなる、と根性で何回か見てみたり。

こないだ行ったシティでも、道端に広げて売っている雑誌に
「Manga」だの「CosPlay」だのという単語を見て、一瞬首をひねったとしても。

それでも未だに、メキシコ最大の都会、最大の日本人数を誇るメキシコシティにも、
日本語の本を売ってくれる本屋はないのですよ。

数年前ドイツに「里帰り」したとき、立ち寄ったデュッセルドルフで
誘惑に抗いきれずに高○書店にフラフラと入り、
なんだかんだと割高でバカバカしいほどの値段の本を買い込んで、
重たいのにもめげずにメキシコまで背負って帰ったものです。
「高○書店さん、メキシコにもお店出しませんか~」などと店員さんに寂しげに呟きながら。

それが、ですね。
こないだの友人を案内して街中を歩いていたときのこと。
まああることは知っていても、普段はなかなか近寄らない界隈です。
賑やかで汚なくてうるさくて物であふれかえってるメルカードを抜け、
なんとも日本人離れした感性の土産物を冷やかしつつ見て周りしておりました。

それから、そうだ、サッカー雑誌を買おうという話になって、
メルカードのすぐ横にある小さな雑誌屋さんに入ったわけです。
大きなガラス戸の向こうには、見慣れた防波堤と海に浮かぶタンカーの風景。
私の部屋と変わらない大きさの空間に、数列の棚が並んで雑誌が置かれてます。
レジのお姉さんは珍しい日本人二人連れ(プラスもう一人やや国籍不明かも人)の私たちを無遠慮に眺めつつ、
なにやらお菓子を食べ、がんがんラジオを聴いております。

で、ふらっと入った棚の列に、見つけたのが上の写真のブツでした。

いきなりン十年前の中学・高校時代にタイムトリップいたしましたよ。
なにしろ装丁までがそのまんまですもの。
いや、この作品自体は当然、私が日本を出て遥かのちになってから出てきたものでしょうし、
読んだことはないんですけどね。
でもまあタイトルくらいはネット上のどこかで目にしてはおりました。

しかも、いきなり9巻と12巻!
どうしろっていうんですか?
いや、別にどうもしなくてもいいんでしょうけど。

おまけにスペイン語ですよ(たぶん)。
いや、日本語版だったらもっとびっくりするか。

なんだか衝撃のあまり、日本語で
「ぎえぇ~、これ見て~!」と友人に向けて叫んでしまいました。
友人はゆったりと近付いてきてこれを見て、
「ああ、花とゆめコミックスね」と至極当然のように言って、また離れていったんですが。
私は数秒呆然とそれを眺めたあげく、
レジのお姉さんからちょうど棚の反対側で手元は見えないのをいいことに、
バッグからカメラを手探りで取り出して、ぱちり。
衝撃で手が震えて、ぶれてるんじゃないかと思いましたが、ちゃんと撮れてるようですね。

でもできればこれは、この部分だけじゃなく
レジのお姉さんや他の雑誌と合わせて撮るべきでした。
だってこれじゃ、日本のお店で撮ってもあんまり変わらないんでは?
まあタイトルがアルファベットではないとは思いますけど、でもわからんもんな~。



カルメンに、花ゆめコミックス

なんかこれって、瀬戸物屋に象さんとか
箪笥の上に牛さんが座ってるとか
その手の不条理さを感じてしまう亀でした。