フライト / Flight

2012-11-22 | 映画






飛行機の機長ウィップ・ウィテカー(デンゼル・ワシントン)は、自分の搭乗日の朝、ガールフレンドで同僚のフライトアテンダントのカテリナとホテルで目を覚ます。
2日酔いがひどく、向かい酒と、コカインで、無理やり元気をつけて、飛行機に乗り込んだ。

その日は、上空を厚い雲が多い、雷をともなった大雨の、最悪の天候だったが、ウィップの少し荒いが熟練の操縦で無事雲の上に出た。
気流が悪いので、その日の乗客へのドリンクサービスは中止にしたが、自分だけは客用のアルコールを持ち出して、こっそり操縦室で飲んでいた。
彼はアルコール中毒だった。

しばらく飛行をしていると、突然コントロールが利かなくなり、飛行機は急降下しはじめた。
ウィップは、とっさの判断で、機体を180度反転し、何とか水平に安定させた。
そして、もう一度反転させると、近くの空き地に、緊急着陸させるために突っ込んでいった。



悪天候の中飛び立ったが


機体が急降下しはじめる


奇跡の180度回転を試みる


教会にぶつかって

病院で目を覚ましたウィップは、数人の死者を出しただけで、大惨事を食い止めたヒーローとなっていた。
但し、死者の中には、自分のガールフレンドが含まれていた。

病院を退院しても、報道陣に囲まれている自分の家には戻らず、彼の親父さんが残した、ここ数年使っていない家に住むことにする。
そこで、いったんは全てのアルコールを処分するが長くは持たず、すぐに酒に手を出して、また酒浸りの日が始まる。

ある日、ウィップの元同僚で、今はパイロットの労働組合の代表を務めるチャーリー(ブルース・グリーンウッド)が、弁護士のヒュー・ラング(ドン・チードル)を連れて来た。
ラング弁護士は、入院中に採取したウィップの血液から、大量のアルコールとドラッグが検出され、これが本当なら、英雄から一転して終身刑になると告げる。
2人は、血液検査の結果が、検査機の管理状態の不備をついて、信憑性のないことを証明しようとしていた。
また、ウィップが操縦した同じ状況で、10人のパイロットにシュミレーションさせたが、全員が飛行機を墜落させ、調査委員会はウィップの操縦の技術が乗客を救ったことを認めていると話した。



不時着


ニュースで見ると


こんな感じ


病院で目を覚ますウィップ


ウィップは、病院で知り合った麻薬中毒のリハビリをしているニコール(ケリー・ライリー)と同棲をはじめるが、事故調査の不安から酒の量がさらに増え、ニコールは彼の元をさる。
彼の家を嗅ぎ付けた報道陣から逃げるために、酒に酔ったまま、別れた妻と息子の家に行くが、息子からも愛想をつかされる。
行き場所のなくなったウィップは、チャーリーの家に逃げ込む。
チャーリーとラング弁護士は、血液検査の不備は証明でき、ウィップが的確な指示をだし乗客を救った事もボイスレコーダーが証明しているが、ドリンクサービスをしていないのに見つかったアルコール瓶が問題になっていると説明した。
この瓶には、乗務員しかアクセス出来ない事から、亡くなったキャビンアテンダントで、やはり血液中からアルコールの検出されたウィップのガールフレンド、カテリナが密かに機内で飲んだとウソの証言するように言われた。
それで、ウィップはヒーローのまま、事故調査が終了すると、ラング弁護士は自信をのぞかせた。

事故調査委員会の公聴会まで、お酒を抜くためチャーリーの家に住み。公聴会前日に、ホテルに移動し、バーなどに行かないように、部屋の外にガードマンをつけて厳重な体制で、その日を迎えた。
が、彼はホテルの部屋の中で、大量の酒を見つけてしまう...



いつものデンゼルと新鮮なデンゼルをみせてくれた


味のある演技のブルース・グリーンウッド


ドン・チードルもうまい役者さんだね


すっ飛んでたジョン・グッドマンは麻薬の売人


命を助けられた友人ウィップに思わぬ依頼を受けるタマラ・チュニー。それも彼のガールフレンドの葬式で。


僕の、大好きなデンゼル・ワシントンの、久々にアカデミー賞に絡んでくる気配の作品。
スクリーンに出てくるだけで、そのオーラを発し、威厳で自信に満ちた役が多いデンゼルだが、結構悪役も多い。
「デンジャラス・ラン」(なんだこの邦題)、「アメリカン・ギャングスター」、「タイムリミット」(これはちょっと頼りない悪役だったけど)、「トレーニング デイ」と、彼の目力全開の悪役作品がある。
今回も悪役なのだが、ちょっといつもと違う。
奇跡の操縦で、多くの乗客を救ったヒーロー。
でもアルコール中毒で、それを隠すため、自分に嘘をつき、友人にも嘘をつくように懇願する、ちょっと卑怯な男。
そしてよっばらっている間は、愛する人も含めて、他人の迷惑なんて何も考えられない、わがままな男。
逃げ場所がなくなると、酒が原因で別れた妻と息子の家に、酔ったまま逃げ込もうとする、情けない男。
いつもと違うデンゼルが、どんどん出てくる。

そして、終盤でいつものデンゼルを見せてくれる。
最後のシーンは、劇場でもすすり泣きの声が聞こえて来た。
彼の作品にハズレなし。 星 /5 


この目力


アルコール発見


デンゼル・ワシントンのインタビュー



  


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