バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)/ Birdman: Or (The Unexpected Virtue of Ignorance)

2015-03-16 | 映画






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個人的には、「アメリカン・スナイパー」を押していたのだが、アカデミー賞、監督賞と作品賞、他にも2部門をとり2015年のアカデミーWinner。

その昔、「バードマン」シリーズというスーパーヒーロー作品で人気のあった俳優、リーガン。
そのシリーズが終わるとともに、彼の役者生活も、鳴かず飛ばずで、「バードマン」の栄光にしがみついて生きていた。
そんな彼が、自分の演技を世間に認めさせようと、芸術作品でブロードウェイの舞台にかける

この映画のすごいのは、最初から最後まで一本の長回し、に見える。
舞台の稽古シーン、舞台裏の廊下の移動、楽屋、ブロードウェイの喧騒、全てのシーンが繋がっているように見せている。
そして、その出演者の役柄と、実生活の彼らのダブりかた。
主演のマイケル・キートンは、ティム・バートン監督の「バットマン」シリーズで人気が出て、それ以降も活躍はしているが、これといったヒット作はない。
僕が大ファンで、作中我儘でプレイボーイのエドワード・ノートンは、その役作りに妥協はなく、だれとでも衝突する。たぶん、演じるということに関しては、我儘三昧なんだろうな。
中年に差し掛かっても、売れないで焦っている女優役のナオミ・ワッツは、実際に演劇学校同期のニコール・キッドマンと常に比較され、遅咲きの女優。
そして、意外なことに、いつも変なオタク役ばかりの、ザック・ガリフィアナキスが、真面目な弁護士役で好演。

アカデミーの審査員が好きそうな、癖があるが一流の役者と、いい脚本と、ちょっと実生活と作品がかぶるという、いい味を持った作品。 
それに、音楽がいい。 


マイケル・キートンのデヴィッド・レターマンショーインタビュー

チャッピー / Chappie

2015-03-14 | 映画






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「第9地区」で、エビ人間を描き、衝撃のデビューをした南アフリカの監督ニール・ブロムカンプの新作。
主演は「スラムドッグ$ミリオネア」でいきなり有名になったデーヴ・パテール、そしてヒュー・ジャックマンが初の悪役に。

近未来、凶悪犯罪が急増したため、人型のロボットが警察に採用された。
密かに人工知能を開発したロボット開発会社の技術者が、ギャングに誘拐され、スクラップにされかけていたロボットに人工知能を移植させられる。
そのロボットは、チャッピーとして、機能は最強の警察ロボット、知能は赤ん坊として生まれ変わった。
純真無垢なチャッピーは、ギャングたちに育てられ、その仕草も、口調も、彼らのコピーし、彼らに上手く騙されながら、犯罪を手伝うようになる。
ただ、彼には5日分のバッテリーしかない、毎日凄いスピードで成長するチャッピーの限られた命。そして、チャッピーがだんだん愛おしくなっていくギャングたち。

子供は、育つ環境、親の影響を受けて、人となっていく。
あらためて、子供を人間にさせる大切さを学んだ映画。 


トリビア
チャッピーの耳型のアンテナは、日本の漫画「アップルシード」からインスパイアされた。

ヒュー・ジャックマンはオーストラリアのアクセントでセリフを言っている。


チャッピーの8つの秘密


アンブロークン / Unbroken

2015-03-14 | 映画






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Googleで「Unbroken 映画」って、検索すると、反日映画、日本兵人肉食描写という言葉に沢山ヒットする。
見もしないで批判するマスコミと、それを鵜呑みにする人たち。
北朝鮮や中国を出来るのかな?
そして、信じられないことに助演のMIYAVIが、在日だなんだとネットに出ている。
それと、アメリカ人が日本人捕虜をどれだけ虐待したかで反論している馬鹿もいる。
何か、嫌な国になって来たな。
この映画が、本当に上映されなかったら他の国を批判する資格ないよ。
先ず、冷静に映画観て、作品として好き嫌い、良い悪いを話したらそれでいいだけ。


この映画は、本当に強い人間とは、ということ描いている。
その強さは、自分を信じ、信念を貫き、最後は他人を許すこと。
耐えて耐えて、暴力の恐怖と闘いながら、自分にウソをつくことを許さず、明日を信じ、そして最後に過去を水に流し日本に帰って来たザンペリーニ。

そして、日本人の虐待だけでなく、戦争の悲惨さも描いている。
アメリカが行った無差別の東京大空襲(死者10万、被災者100万人)をちゃんと映している。
大空襲のあとの、死体が転がる東京を、歩くアメリカ人捕虜たちを。

この映画で一番感動したシーンは、長野オリンピックの聖火リレーを走るザンペリー二氏の姿。
オリンピック選手として来るはずだった憧れの日本、そして地獄を味わった日本を走る、実写のザンペリーニ老人にウルっとした。 


トリビア
MIYAVIは、その残忍な役に徹するため、撮影中主役のジャック・オコーネルと、会わないようにしていた。


町山智浩が映画「アンブロークン」を解説


渡辺睦裕のインタビュー


ザンペリーニ氏のドキュメンタリー