ハクソーリッジ / Hacksaw Ridge

2017-04-23 | 映画






オフィシャルサイト


私生活とその思想には結構問題があるが、映画人としての才能は抜群のメル・ギブソン監督、「ソーシャル・ネットワーク」でブレークした、いつも泣きそうな表情をしてるアンドリュー・ガーフィールド主演。
第二次世界大戦の沖縄線で衛生兵として多くの兵士の命を救ったデズモンド・ドスのストーリーを描いた実話。
他にもいつもはコミカルな作品が多いヴィンス・ヴォーン、「アバター」のサム・ワーシントン、「マトリックス」のヒューゴ・ウィーヴィングの役達者たちが共演。

敬虔なキリスト教徒の家庭に育ったアンドリュー・ガーフィールド演じるデズモンド・ドスは、愛国心溢れる青年。序盤では、厳格なキリスト教信者の家族なのに、優しい母親に暴力を振るうアル中の父親の存在という、彼の性格を形成させた少年時代が描かれている。
そしてデズモンドは、「汝、殺すなかれ」という聖書の教えと、自分の家庭に起きたある事をきっかけに、絶対に人を傷つけない、殺さないという誓いを立てる。
そんな彼が、純粋な愛国心から軍隊に志願入隊する。
キャンプに入った彼は、他の全ての訓練は全力で取り組むが、射撃だけは、銃を持つことさえも拒んだ。
常識で考えれば、銃を持たずに戦場に行けるわけがない。
同じ班の兵士たちからは仲間外れにされ、時には暴力も受ける。上官は、何とか彼が自ら退役するか、責任放棄の罪で裁こうとするが、結局彼は訓練を無事終え沖縄に送られる。
中盤までのキャンプでのストーリーでは、ヴィンス・ヴォーン、サム・ワーシントン、ヒューゴ・ウィーヴィングがとってもいい。
いつものお笑いを全て消したヴィンス・ヴォーンの鬼軍曹、最初は変り者のデズモンドに手を焼くが、だんだんと彼の信念をサポートする上官のサム・ワーシントン。
そして、戦争に行かせたくないが、息子の尊厳を必死で守ろうと、一番思い出したくないだろう戦闘服を身に着けて裁判所に向かうヒューゴ・ウィーヴィング。このシーンでちょっとウルっと来る。

沖縄戦に入ると、戦争映画史上トップクラスの残酷な戦闘シーンがこれでもかと繰り広げられる。
この戦闘シーンで、さすがメル・ギブソンと思ったのは、何百人という敵味方の兵士が乱れる中、見ていて映像がとても分かりやすい。
細かく計算された映像構成なのだろう。

そして、その混沌とする戦地で、銃を持たず、傷づいた兵士を必死に助けるデズモンド。
敵を殺すだけが兵士ではない、殺した敵の多さだけが兵士の貢献度じゃない、味方の兵士を助けることで立派に国に貢献出来るという事を証明したデズモンド。
アンドリュー・ガーフィールドが、その演技力を十二分の見せたいい映画だった。

これ映画が日本で公開されて、日本人が、特に年寄りと右寄りの人たちが、どういう反応をするか見もの。
反日映画だとか、ボイコットしろとか、幼稚な反応をしないで欲しい。 



87%



普段でも泣きそうな表情のアンドリュー・ガーフィールド


この人のシリアスな役もいいな。


いつも冷静なサム・ワーシントン、最後はデズモンドを尊敬するまでに。


この人の演技が一番印象的だった


少しの恋愛シーンもあったが


仲間からボコボコにされるデズモンド




これが難攻不落の浦添城址の前田高地




後半は、メル・ギブソンが得意な残虐シーンがこれでもか、これでもかと






デズモンドは、一人でも多くの仲間を助ける為、ボロボロになりながら戦地を走り回る




そしてお祈りもする



トリビア
撮影には、デズモンドの子息も見学し、アンドリュー・ガーフィールドの演技があまりに父親に近いので涙した。

構想からプロダクションまで僅か14日間。戦闘シーンは19日間をかけた。

先頭の日本兵士の幾つかのショットは「太平洋の奇跡 -フォックスと呼ばれた男-」から


メル・ギブソンのインタビュー、この年でまだ赤ちゃんを


アンドリュー・ガーフィールドのインタビュー、ユダヤ系のかれがキリスト教原理主義のメル・ギブソンと出会いを


ヴィンス・ヴォーンのインタビュー



ブログ王ランキングへ   にほんブログ村へ   ブログランキングへ

ライフ / Life

2017-04-17 | 映画






オフィシャルサイト


火星から捕獲した謎の宇宙生命体と、6人の宇宙飛行士の死闘を描いた「エイリアン」ミニ、または「エイリアン」ライトといったスリラー。
役者陣は豪華で、「デッドプール」のライアン・レイノルズ、役達者で代表作がゴロゴロしているジェイク・ジレンホール、「ミッション:インポッシブル/ ローグネイション」のレベッカ・ファーガソン、そして日本から真田広之もかなり重要な役で参加。

彼らは人類史上初の地球外生命体を火星の探査機から捕獲する。
宇宙ステーションの密閉された研究室で、その生命体に細胞分裂活動させることに成功させる。
最初は、クリオネみたいに可愛いらしかったその生命体は、研究者の腕をへし折り、宇宙飛行士の口から体内に入り内臓を食い荒らし、その容貌もまさに凶悪に変貌していく。
体の容姿の変化と一緒に、知恵も加速度的に進化し、宇宙飛行士たちを翻弄する。

「エイリアン」同様、次々に宇宙飛行士たちがこの生命体の餌食になっていく。
「この人がこんなに早く?」という役者さんを惜しげもなく(?)、エイリアンの餌食にさせる監督。
但し、「エイリアン」と違うのは、宇宙飛行士たちの仲間を失う悲しみ、恐怖、自分達が生き残るための葛藤が、とても現実的に描かれている。
ストーリーが進む中で体も知恵も進化していくエイリアンと人間の知恵比べ。

ストーリーに負けず、宇宙空間での映像は圧巻。
最初から最後まで、とてもリアルな無重力シーンが続く。どうやってリアルな撮影したのかね。

そして、エンディングが、これまた凄い。
ちょっとトラウマになりそう。



67%



地球を旋回する宇宙ステーション


ジェイク・ジレンホール、今回はちょっと控えめかな


ライアン・レイノルズ、エイリアンを火炎放射で追い詰める




日本からは真田広之、地球に戻って赤ちゃんと対面出来るか?




レベッカ・ファーガソンは、チームのリーダー役


数分で、こんなに早く成長するクリオネ




船外に出たエイリアンを追う


最後は、二人の隊員が二機の宇宙カプセルで脱出する



ジェイク・ジレンホール、トゥナイトショー



ブログ王ランキングへ   にほんブログ村へ   ブログランキングへ

ゴースト・イン・ザ・シェル / Ghost in the Shell

2017-04-16 | 映画






オフィシャルサイト


スカーレット・ヨハンソン主演、日本のSF漫画「攻殻機動隊」の実写化。
北野武が、かなり重要なキャストとして出演している。
舞台は日本の未来都市、軍事目的で開発されたサイボーグ技術が進み、誰でも簡単にサイボーグ人間になれる世界が出来ていた。
その中でもサイボーグ技術をリードするハンカ・ロボテックは、テロ対策サイボーグ兵士を世界中に送りこんでいる。

ヨハンセン演じるモトコ・クサナギは、幼い頃テロで両親を失い、自分も瀕死の重傷を負い、ハンカによってサイボーグとして改造され、今は対テロ捜査組織セクション9の一員になっていた。
この作品、原作を踏まえて日本人の名前が多く出てくるが、ヨハンセンにトモコは合わないでしょ。

セクション9を率いるのが、北野武演じるアラマキという、面白い髪型だが仕事は出来る男。
このアラマキ、ヤクザ顔負けの迫力でセクション9の曲者たちを指揮いる。
ハリウッドの大作でもその存在感はさすがの武さん。
もう一人日本から、桃井かおりがモトコを深く関わりのある女性として後半に出てくる。

ストーリーは、カズという男が率いるテログループが、日の丸メイクの芸者(いまだにアメリカで蔓延る日本の勘違いイメージ)と、ヤクザと、ハンカの幹部の宴会の襲撃シーンからはじまる。
このシーンをはじめ、次から次へと出てくるアクションシーンは、この作品の見どころのひとつ。そして「アベンジャーズ」でも定評のある、ヨハンセンの切れのある動きにも注目。

トモコは、セクション9のメンバーと、このテログループを追い詰めるうちに、あやふやだが自分とカズとの昔の記憶がフラッシュバックする。
そして、自分が唯一心を許すハンカのオウレイ博士の言動からも、自分の過去に何か謎があると確信する...

CG映像も、アクションと並んで、この作品のキモ。
ブレードランナー」的な未来だけれど、「ブレードランナー」の暗く、よどんだ映像に対して、どちららと言うと明るくて細部まで描かれた綺麗な映像がよかった。
原作の漫画は見ていなくても楽しめる作品だった。 



46%



黒髪にしてもモトコという名前はちょっと


世界の北野はさすがの存在感


セクション9のチーフ、ビトウ


セクション9の曲者たち
目を爆発で失って、ミニ望遠鏡入れたビトウ


カズ


ハンカのCEO、悪者


未来の日本


高級ホテルって、ホテル名?


アメリカ人が好きな日本のヤクザ


アメリカ人が好きな日本の芸者



メイキングビデオ



ブログ王ランキングへ   にほんブログ村へ   ブログランキングへ