さよならを待つふたりのために / The Fault in Our Stars

2014-06-08 | 映画






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「ファミリーツリー」以来、「スペクタキュラー・ナウ」、「ダイヴァージェント」と多感なティーンエイジャーの役を上手く演じて人気が出て来たシャイリーン・ウッドリー主演。
相手役には、「キャリー」のクロエ・グレース・モレッツの恋人役でデビューし、「ダイヴァージェント」ではシャイリーン・ウッドリーと共演もしたアンセル・エルゴート。
実力のある若い2人の他に、シャイリーン・ウッドリーの母親には、「ジュラシック・パーク」シリーズ、エリー・サトラー博士のローラ・ダーン。

16歳のヘイぜル・グレースは13歳でガンを発病し、一時は死線をさまようが新薬のおかげで、今日まで何とか生きてきている。携帯酸素吸入器を常に装着し、鼻に管を入れながら。
彼女は、いつ襲ってくるかわからない発作に怯えながら、生きる希望ない毎日を送っていた。
ただ一つの楽しみは、ピーター・ヴァン・ホーテンという作家が書いた、白血病の少女の物語。
その物語の終わり方が、とても中途半端なので、その結末を想像しながら何度も読み返している。
彼女は、嫌々参加したガンと闘っている人たちの集会で、オーガスタスという18歳の青年と出会う。
彼は、骨肉腫で片足を失いながら、ガンを克服し、元気よく生きている魅力ある若者だった。
オーガスタスの思いやりとユーモアに、ヘイぜルはだんだん惹かれていく。
オーガスタスにも愛読書の「至高の痛み」を勧めると、彼はヴァン・ホーテンの助手とメールで連絡を取ってくれた。
ヘイぜルが、助手を通じてヴァン・ホーテンに質問を送ると、話したいならアムステルダムに来なさいと言う返事が返って来る。
発作の恐怖に耐えながらも、生きている間の最後の望みになるかもしれないチャンスに、オーガスタスが、救いの手を差し伸べてくれる。
ヘイゼルは、オーガスタスと母親に付き添われてアムステルダムに旅立つ。

ジーンと来る作品だけど、ただ泣かせるだけじゃない。
いろいろなメッセージ込められている。
生きる事の意味。
他の人より死がとても身近であるため、死への恐怖よりも、残った人たちが受ける悲しみに対する思い。
別れるとわかっていても、人を愛する喜び。
それを若い2人がとっても上手く演じて、シャイリーン・ウッドリーが苦しくて座り込むシーンなんか、こっちまで息苦しくなってしまう。
アンセル・エルゴートもすごくいい。病気と恐怖と闘いながら、そんな素振りを全く見せず、友人や恋人を思いやる好青年。
恐怖と悔しさを克服したんだろうなって思わせるシーンが、いくつも出てくる。
彼の部屋にある沢山のバスケットボールのトロフィをみて、グッときた。
終盤に訪れる困難にも、やはり恋人を心から思いやっていた。
原作の「さよならを待つふたりのために」を読みたくさせる映画だった。 


トリビア
シャイリーン・ウッドリーの髪が短いのは、2015年公開予定の「ダイヴァージェント」の続編「インサージェント(原題)」のため。

友人役のナット・ウルフは、オーガスタス役の候補になっていた。