ホテル アルテミス (原題) / Hotel Artemis 

2018-06-17 | 映画






2028年のロスアンジェルス。街は荒れ果て、犯罪者で溢れ、その日もいたるところで暴動が起きていた。
ホテル アルテミスは、ロスを牛耳るウルフ・キング(ジェフ・ゴールドブラム)が経営し、会員権を持った犯罪者の治療の為の病院。
ここは、武器を持ち込んではいけない、ほかの患者を殺してはいけない、スタッフに危害を加えてはいけない他、いくつもの厳格な規則の元で運営されていた。
そして、患者たちは皆、本名ではなく部屋につけられた名前(アカプルコ、ホノルル、ナイアガラ、ニース)で呼ばれていた。
病院を管理するナース(ジュディ・フォスター)は、助手のエベレスト(デイヴ・バウティスタ)と、逃げ込んでくる会員達の治療に当たっていた。
ワイキキ(スターリング・K・ブラウン)とホノルル(ブライアン・タイリー・ヘンリー)という兄弟が、他の2人のギャングと計画した銀行強盗に失敗し、大怪我を負ったホノルルを担いでアルテミスに現れた。
ナースは早速ホノルルの治療にかかる。
その日、病院には顔に怪我をしたアカプルコ(チャーリー・デイ)と言う武器商人と、あるターゲットに近づくために自ら腕を撃って怪我をしたニース(ソフィア・ブテラ)という殺し屋が宿泊していた。
ナースに、ウルフ・キングの息子のクロスビー(ザカリー・クイント)から、父親が病院に向かっているので、準備をしておくようにと連絡が入る。
一方、ロビーでは女性を差別するアカプルコが、ニースに絡んでいたが、そこに現れたワイキキに、彼女を怒らせない方がいいと忠告される。
ニースは、ワイキキの昔の彼女だった。
ワイキキは、ホノルルが銀行強盗に失敗した時に、そこに居合わせた人達から盗んだ貴重品の中にあったウルフ・キングのマークが入った大きなペンを見つける。
そのペンの中には、いくつものダイヤモンドが隠され、それを見たニースは、ウルフ・キングはこれを盗んだ奴を必ず殺すと言った。
また、病院の下で怪我をした警官モーガン(ジェニー・スレイト)が、外のインターフォンから助けを求めてきた。モーガンはナースの本名のトーマスを知っていた。
彼女は今は亡きナースの息子ボーの幼馴染だった。絶対に警官は入れないという規則を破って、ナースはモーガンの治療をする。
そして、怪我を負ったウルフ・キングが、息子のクロスビーと大勢の手下を引き連れて、病院に現れた。

「アイアンマン3」、「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」の脚本を手がけたドリュー・ピアースの脚本兼、初監督作品。
とてもユニークなシチュエーションを題材にし、舞台劇を見ているような作品。
三谷幸喜の「THE 有頂天ホテル」に似ているかな。
脚本家の初めての作品にしては、映像が、少し暗めだけれど、とても綺麗。

出演者の数が多い。そしてみんな一癖も二癖もあるある役者ばっかり。
主演のジュディ・フォスターは、かなり老けたメークをして、淡々と犯罪者を治療するアル中だが腕のいい看護師。この日、彼女は22年間押し殺して来た感情を吐き出して、2つの規則を犯してしまう。
ほとんど無表情の中に見せる、彼女の過去の痛みをジュディ・フォスターは上手く演じてる。
最近、「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」や「アトミック・ブロンド」で人気が出てきたフランス人のダンサー出身のソフィア・ブテラの、そのエキゾチックな顔立ちで殺し屋としての存在感がすごく、キレのあるアクションもよかった。その冷酷な殺し屋の彼女が、最後は人の為に敵と戦う。
同じ様に、助手のデイヴ・バウティスタも、最後はナースを助けるために戦う。
犯罪者だらけのアルテミスにも、ナースを中心にたくさんの愛もあるんだよって意味かな。
そして、チャーリー・デイのお得意の狂気の演技もよかったし、ザカリー・クイントは「スター・トレック」のスポックの印象を完全に消してこれまた狂ったギャングの息子を好演。
最後に出てきたジェフ・ゴールドブラムの使い方は、勿体無いと言うか、贅沢と言うか。
ピアース監督の次回作も期待大。  



58%




最初に出てきた時には、ジュディ・フォスターとは気づかない程の老け顔のメーク(だと信じる)


目に見えてハリウッド作品の露出が増えてきたソフィア・ブテラ


駄目な弟を持ったために、これまでの人生を犠牲にしてきた銀行強盗のスターリング・K・ブラウン、彼にも弟への愛があった


医療助手というよりは、ギャングで出演したほうが似合っていたデイヴ・バウティスタ


情けない顔だけど、狂気の演技がいいチャーリー・デイ


若いのか老けているのか、よくわからないジェニー・スレイト


ジェフ・ゴールドブラムは、大学教授も、ギャングのボスもよく似合う


ロスでヒッソリと営業するホテル アルテミス、裏口しかない


ここにはたくさんの規則が


部屋には必ず痛み止めなどの常備薬完備


部屋は世界の観光地がテーマになっている


必ずナースがお客をお出迎え


これが、ウルフ・キングのダイヤ


ニースの戦闘開始モード、ストリート・ファイターのチュンリーかな


キレのあるソフィア・ブテラのアクション


ジュディ・フォスターのジミー・キンメルショー インタビュー


ジュディ・フォスターのコナン・ショー インタビュー



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アップグレード(原題) / Upgrade

2018-06-16 | 映画






近未来のアメリカ。
全ての車が自動運転化された世の中で、クラッシクなガソリン車をコレクターに売買するメカニックのグレイ。
その日も修理した車を、若い起業家で億万長者のイーロンに届け、妻の車で帰宅途中だった。
自動運転中の車が突然コントロールを失い、スラム街に入り込み、そこに現れた4-5人の強盗に妻を殺害され、グレイも首から下が半身不随になる大怪我を負う。
顔以外に動かなくなった自分の体に絶望していると、イーロンが病院に尋ねてきて、彼が開発したステムというデバイスを脊髄に埋め込めば、また自由に体を動かせるという。
イーロンの提案を飲み、彼の研究所で密かに手術を受ける。
手術は成功し、彼は自由に体を動かせるようになる。
半身不随を装いながら、犯人探しをはじめようとするグレイに、突然ステムが話しかけてくる。
ステムは、グレイとコミュニケーションを図り、彼の復讐を助けはじめ、強盗犯を一人ずつ見つけ出しては、復讐を遂げていく。
調べていくうちに、グレイトステムは、あの強盗事件が何者によって巧妙に計画さていた事を突き止める。

これは、低予算版「ターミネーター」前日譚の様なストーリーで面白かった。
出演者も、無名な役者ばかり。
トム・ハーディが少し丸顔になった主役のローガン・マーシャル=グリーンは、「プロメテウス」や、「スパイダーマン : ホームカミング」に出ていたと言われても、全く分からない程の脇役だったし。
悪役のベネディクト・ハーディが「ハクソー・リッジ」に出てたと言っても分からない。
唯一見たことあると思ったのは、刑事役のベティー・ガブリエルだが、それは「ゲット・アウト」での彼女の不気味な家政婦があまりにも印象的だったから。
お金を掛けず、無名の役者達で、ここまで面白い作品になったのは、低予算ホラーの代表作「ソウ」シリーズを世に出した、リー・ワネル(監督、脚本)の力だろう。
この人は、製作側の工夫で、予算の枠を超える創造的な映画が出来ることを体現している。

R指定の作品なので、残酷なシーンが出てくるが次々に出てくるが、その合間合間で笑えるシーンが出てくる。
半身不随から復活した主人公のグレイの、「ロボコップ」の様な動きそのものが奇妙。
特に、ステムにコントロールを委ねた彼の超人的で、残忍なアクションの最中の泣きそうな表情は演技賞もの。
そんな半分ロボットの様な動きをする妻を殺された男のテクノロジーを使った復讐劇と思ってみていたら、物語は「ターミネーター」世界に入っていく。
ひとつ残念なのはグレイ以外のキャラが、あまり深みがなかったことかな。
特に、ベティー・ガブリエルの刑事は、露出が多かった割に、なんとなく中途半端な存在になっていた。
それでも、作品としては、面白いコンセプトで、リー・ワネルの実力が出た秀作。


 



86%




有名作品には、出ているけど無名のローガン・マーシャル=グリーン


幸せな生活を送っていたグレイとその妻


自動運転車が暴走しスラム街に迷い込む、強盗犯の主犯格のフィスク


妻は殺され、グレイは首から下が麻痺した体に


1980年代の半導体みたいなステム


脊髄に埋め込み、自分の意思で体をコントロールさせる


「ゲット・アウト」の顔芸がすごかったベティー・ガブリエル


腕に銃弾を仕込み


手の平から発射、急に「ターミネーター」の世界


トリビア
作中何処かで「ソウ」のビリー人形が出てくる



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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー / Solo: A Star Wars Story

2018-06-15 | 映画






アメリカでの正式な公開日は2018年5月25日の、前日6時の特別上映を観に行った。
決して面白くない訳ではないけれど、期待が高かった分、少し拍子抜け。
ハン・ソロのアイコンやチューバッカ、ランド等との出会いのエピソードをなぞりながら、スター・ウォーズ的アクションを盛り込んだ無難なストーリーになってしまった感がある。
また、監督が撮影終盤でフィル・ロード&クリス・ミラーからロン・ハワードに代わるなど、スタッフサイドのゴタゴタも影響しているかも。
そもそも、ロン・ハワードって、こういうSF大作を撮るタイプじゃないと思うんだけど。

この作品の一番の問題は、前半のシーンが暗すぎて何が起きているのか、分かりづらい。
とてもイライラした。
キャストでは、主役のオールデン・エアエンライクとランド役のドナルド・グローヴァーの演技は、正直ちょっと...
キャラを意識しすぎて演技がわざとらし過ぎると見えたのは僕だけか?
ベテラン、ウディ・ハレルソンは、いつもの食えない悪役ウディ・ハレルソンで、見ていて安心なのだが新鮮味がないかな。
今作の新しいキャラで、今までのスター・ウォーズにはなかった小悪魔ヒロインのキーラ役のエミリア・クラークはよかった。
「ターミネーター:新起動/ジェニシス」のサラ・コナー役の時は、高校生みたいだったけれど、今はそれなりに大人の雰囲気を醸し出していた。

それでもハン・ソロの名前の由来、チューバッカとの出会いの場面、ゴールデン・ダイス、そしてミレニアム・ファルコン等、旧三部作(オリジナル・トリロジー)と結びつくエピソードはそれぞれ楽しめた。
そして、最後に突然出て来たキャラにはビックリ。
そして、「つづく」って終わり方。
ディズニーが、スピンオフで新シリーズと作ろうとしてる。  



71%




ちょっと、キャラを意識しすぎて、少しぎこちない演技のオールデン・エアエンライク


ドナルド・グローヴァーも、ランドのキャラに呑まれてしまった (画面が暗い)


ウディ・ハレルソンがウディ・ハレルソン役を演じてた


ちょっとわざとらしいシーンの例


「ハン・ソロ」からのスピンオフの主役はエミリア・クラークか?


エミリア・クラークはアクションもよかった


若い頃のチューバッカは190歳


今作の新キャラの一人、エンフィス・ネスト。何処かで見たことのあるようなコスチューム...


やはり新キャラのL3-37には、ちょっとウルッときた


ゴールデン・ダイス登場 (画面が暗い)


まだ新しいミレニアム・ファルコン


ミレニアム・ファルコンのモデルルーム - 2.6平米の乗組員客室


ミレニアム・ファルコンのモデルルーム - キャプテン(ランド)の寝室


ミレニアム・ファルコンのモデルルーム - ゲストルーム


ミレニアム・ファルコンのモデルルーム - キッチン


ミレニアム・ファルコンのモデルルーム - マント収集家ランドのクローゼット


最後にもう一度ミレニアム・ファルコン


新旧ハン・ソロ

 
キーラはレイの母親か? (ネタバレあり)




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