今回は、あのコーエン兄弟監督と豪華なキャストが話題の、コメディー「
Burn After Reading バーン・アフター・リーディング 」
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ある日、ワシントンのフィットネスセンター更衣室で、CIAの機密情報が書き込まれた一枚のCD-ROMが見つかる。フィットネスセンターの従業員であるチャドは、CD-ROMを利用して一攫千金を狙おうと膨大な計画を思いつく。
同僚のリンダもまた、このチャンスに念願だった全身整形の費用を稼ごうと浮かれ、その完璧とは程遠い計画に賛同する。
一方、CD-ROMの持ち主であったケイティは、財務省連邦保安官のハリーとダブルフリン満喫中。彼女は夫である元CIA局員のオズボーンと離婚を有利に進めるため、夫のパソコンに入ったあらゆる情報をCD-ROMにコピーしていた。しかし、あろうことか、手渡した弁護士が、チャドの働くフィットネスセンターで紛失していたのだ。
それを知る由もない当人のオズボーンは、自分の記憶した機密情報が何故か他人の手に渡っていることを聞かされ狼狽し...。
さらにケイティと不倫の仲にあるハリーは出会い系サイトで日々女あさりに没頭。多数の女性と重複交際する中、なんとあのリンだと出会い、意気投合してしまう。そんな5人が...
一枚のディスクが発端となり、幼稚な企みが不運の連鎖を呼び、やがて事態は誰の手にも負えぬまま様々な人々を巻き込み、予想だにできない衝撃の結末へと転がっていく。
何が起こったいるのか?彼らの目論見は一体何なのか?
そして、最後に笑うのは...(Gyao公式サイトより)
今回は、脳みそも筋肉でできているおバカ役のブラビ。
この人は、大物なのにたくさん仕事をしているね。ほとんど同じキャラだけど。
クルーニーも、今回は女たらしで、高慢だが臆病なエリート高官という、いやみなキャラ。
演技派女優としか表現出来ない、ある意味汚れ役。
去年のアカデミー賞で監督、作品賞をはじめ4部門を受賞した「
ノーカントリー 」 (正確には「ノー・カントリー・フォー・オールドマン」)のコーエン兄弟監督が、今回は強力なコメディー作品を出してきた。
さすがにこの監督、普通のコメディーではない。
先ず、キャストが豪華だ。
ジョージ・クルーニー、ブラット・ピット、ジョン・マルコヴィッチ、ティルダ・スウィントン、フランシス・マクドーマンド、J・K・シモンズ、リチャード・ジェンキンスと、主役級が4人、名脇役が3人で、この中で過去オスカーにからんでいないのは、J・K・シモンズだけだ。
その彼は、最後の2シーンだけで、この作品を締めくくる美味しいところを、もっていった。
狂気の存在 ジョン・マルコビッチ
作品中、唯一普通の人 リチャード・ジェンキンス
そしてそのストーリー。
「風が吹けば桶屋が儲かる」的な、なんでもない事が、だんだん大事になってCIAの上層部やロシア大使館まで巻き込んで展開する。
キャラクターの設定もきわめてユニークだ。
自惚れ抱けは人一倍の落ちこぼれ下級官僚
極めて自己中心で上流意識の塊の女医
脳みそも筋肉で出来ているような単細胞の若者
スタイルがよくなれば、きれいになれると勘違いしている整形オタクな女性
高慢で女たらしのエリート官僚
表は子供に人気のある童話作家で、裏では不倫して離婚準備のために夫の身辺調査をする女性
気が弱くて自分の思いを告げられない、この作品中一番人のいい初老の男性
ユニークと書いてしまったが、デフォルメされてユニークに見えるが、よく考えると、どこにでもいるアメリカ人が登場人物になっている。
観客は、「ああこういうアホな若いのいるよな」とか、「ああこういう女いるよな」と、思いながら観ているに違いない。
本来なら、初老と中年の2組のカップルのどこにでもある離婚話が、3人の死と、1人の国外逃亡で、CIAの上層部にまで、逐一報告をしなければならない事件に発展する。
これだけの俳優陣で、この奇抜なストーリーで、面白くないわけがないのだが、いまいち何が言いたいのか、何か裏にコーエン兄弟監督のメッセージがあるのか、よく分からない。
あえて言えば、アメリカに巣くう出会い系サイトの氾濫、いたって普通の人にまで浸透してしまった整形、国民総健康オタク化をおちょくっているのかな。
国籍不明のアジアンレストランで初デート
コーラにポップコーンの映画館定番セット
これは、「
ノーカントリー 」の時にも感じたが、この監督は、観客の期待する展開とか、ストーリーの間とかを、意表をついてズラしてくる。
ベットルームとクローゼット中のシーンなんかは、その際たるものだ。
「えっ、こんな形で、この人死んじゃうの」と、驚いた。
それもどうやって撃たれたかが、ハッキリしない。
そしてその後に続く、コミカルな惨劇。
最後の下記のやり取りが妙に面白かった。
CIA Superior: What did we learn, Palmer?
CIA Officer: I don't know, sir.
CIA Superior: I don't fuckin' know either. I guess we learned not to do it again.
CIA Officer: Yes, sir.
CIA Superior: I'm fucked if I know what we did.
CIA Officer: Yes, sir, it's, uh, hard to say
CIA Superior: Jesus Fucking Christ.
存在が犯罪?
ブラビの演技力にも注目。アホの表情が上手い。(本気で褒めてる)
もう1つ、アホの表情
トリビア
作品中、「Fuck」という単語は60回使われている。最初の2分間ですでに6回使われている。
ジョージ・クルニーとリチャード・ジェンキンスはそれぞれ3回、フランシス・マクドーマンドは7回、コーエン兄弟作品に出演している。(効率のいい夫婦共働きだ)