今回紹介するのは、デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウの、2大オスカー俳優が主演する、アメリカン・ギャングスター。
ランキングに参加してます。
1968年、ニューヨーク。黒人ギャングのボス、バンピーの右腕として仕えてきたフランク・ルーカス。彼はバンピー亡き後、ボスの座を引き継ぎ、自らの帝国を築き上げようと決意。
そして、東南アジアから純度100パーセントのヘロインを直接仕入れる独自ルートを開拓し、それらを“ブルー・マジック”のブランド名で市場へ売りさばくことに成功したことから、フランクは瞬く間に麻薬王として君臨していく。
一方、ニュージャージーの警察に所属する刑事リッチー・ロバーツ。彼は、警官の汚職がまかり通っていたこの時代に潔癖な仕事を貫いていたため、周囲から疎まれ孤立していた。
また私生活では元妻と養育権で係争する傍ら、司法の道を目指している。そんな彼はある時、検察官からエセックス郡麻薬捜査班のチーフに抜擢される。やがて大衆に蔓延するブルー・マジックの捜査を進めるうち、フランクの存在に辿り着くリッチーだが...(Allcinemaより)
デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウという、1人でも大変そうな役者をどうやって料理するか、リドリー・スコット監督の力が試される作品だ。
自分は、もちろん公開直後に観に行きたかったのだが、なにしろ2時間37分という、上映時間のなが~い作品なので、かなり気合を入れて行かないとならなかった。その為、公開されてから、2週間近く心の準備を必要とした。
気合を入れなければならない上映時間の長さには、もうひとつ心配があった。
監督のエゴで無用に長くなったのか、あるいは大物2人への配慮からか、とかいろいろ憶測した。変な中弛みが心配だった。
結果、その心配の必要全くなし。
2時間37分があっという間に終わってしまった。
デンゼル・ワシントン演じる、フランク・ルーカスは1960年代に実存したマフィアのボス。
マフィアの大ファミリーといえば、イタリア系で占められていた時代に自分の才覚と度胸で、ボディーガード兼運転手の身分から、他のファミリーを牛耳るまでにのし上がっていく。
彼は自らに厳しい規律をかし、着実に仕事をこなしていく。家族を愛し、自分の兄弟や従兄弟達には、自分達が育った貧しい生活を決して忘れないように戒める。
こういうところは、デンゼル・ワシントンにピッタリはまっている。
まるで成功したビジネスマン物語。しかし、彼はマフィア。怒ると怖い。
金を返さず、威張り散らしていたマフィアのボスも、道端で簡単に殺してしまう。
この切れた時のデンゼル・ワシントンの表情が怖い。
そして、彼が成功した秘訣も、コストを削減の為、直接製造業者(?)から品質(?)のいい製品を手に入れた事。
ここも、ビジネスマンの成功物語だ。
そんな彼も、母親には頭が上がらない。
終盤で母親にビンタされる。またその表情がいい。
一方のラッセル・クロウは、うだつの上がらない刑事役。
どちらかというと彼のほうが、私生活は暴れん坊だと思うのだが。
あまり好きな役者じゃないけれど、やっぱり力がある。
情けない顔と闘志むき出しの表情と、どの場面でも、いい演技をしている。
この2人の役者が絡むところは、最後の最後までない。
ただし、その最後の絡みは鳥肌が立った。
間違いなく今年の賞レースに加わる作品。
最後に言っておきたい事がある。フランク・ルーカスは、どんなに誠実な男に描かれていようと、デンゼル・ワシントンが演じようと、純度の高いコカインをアメリカに流したギャングである。これは忘れてはならないし、許してもならない。
麻薬にたずさわる者は、全て殺人犯だ。それも大量殺人犯だ。
ある意味、見えないだけに戦争よりたちが悪い。
麻薬は2度人を殺す。
1つは生きた人間を、2つ目は死んだ人間の骨まで。これを忘れてはならない。
Amazon.co.jp
デンゼル・ワシントンが語るフランク・ルーカス - 1日1億稼ぐ
トリビア
2004年にこの作品が企画され、その時の監督は、デンゼル・ワシントンがアカデミー賞主演男優賞をとった「トレーニング デイ」のアントワン・フークアに決まっていた。
そして配役は、デンゼル・ワシントンとベニチオ・デル・トロだったが、撮影が始まる1ヶ月前に、ユニバーサル・ピクチャーが、予算が足りないのを理由にキャンセルした。
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1968年、ニューヨーク。黒人ギャングのボス、バンピーの右腕として仕えてきたフランク・ルーカス。彼はバンピー亡き後、ボスの座を引き継ぎ、自らの帝国を築き上げようと決意。
そして、東南アジアから純度100パーセントのヘロインを直接仕入れる独自ルートを開拓し、それらを“ブルー・マジック”のブランド名で市場へ売りさばくことに成功したことから、フランクは瞬く間に麻薬王として君臨していく。
一方、ニュージャージーの警察に所属する刑事リッチー・ロバーツ。彼は、警官の汚職がまかり通っていたこの時代に潔癖な仕事を貫いていたため、周囲から疎まれ孤立していた。
また私生活では元妻と養育権で係争する傍ら、司法の道を目指している。そんな彼はある時、検察官からエセックス郡麻薬捜査班のチーフに抜擢される。やがて大衆に蔓延するブルー・マジックの捜査を進めるうち、フランクの存在に辿り着くリッチーだが...(Allcinemaより)
デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウという、1人でも大変そうな役者をどうやって料理するか、リドリー・スコット監督の力が試される作品だ。
自分は、もちろん公開直後に観に行きたかったのだが、なにしろ2時間37分という、上映時間のなが~い作品なので、かなり気合を入れて行かないとならなかった。その為、公開されてから、2週間近く心の準備を必要とした。
気合を入れなければならない上映時間の長さには、もうひとつ心配があった。
監督のエゴで無用に長くなったのか、あるいは大物2人への配慮からか、とかいろいろ憶測した。変な中弛みが心配だった。
結果、その心配の必要全くなし。
2時間37分があっという間に終わってしまった。
デンゼル・ワシントン演じる、フランク・ルーカスは1960年代に実存したマフィアのボス。
マフィアの大ファミリーといえば、イタリア系で占められていた時代に自分の才覚と度胸で、ボディーガード兼運転手の身分から、他のファミリーを牛耳るまでにのし上がっていく。
彼は自らに厳しい規律をかし、着実に仕事をこなしていく。家族を愛し、自分の兄弟や従兄弟達には、自分達が育った貧しい生活を決して忘れないように戒める。
こういうところは、デンゼル・ワシントンにピッタリはまっている。
まるで成功したビジネスマン物語。しかし、彼はマフィア。怒ると怖い。
金を返さず、威張り散らしていたマフィアのボスも、道端で簡単に殺してしまう。
この切れた時のデンゼル・ワシントンの表情が怖い。
そして、彼が成功した秘訣も、コストを削減の為、直接製造業者(?)から品質(?)のいい製品を手に入れた事。
ここも、ビジネスマンの成功物語だ。
そんな彼も、母親には頭が上がらない。
終盤で母親にビンタされる。またその表情がいい。
一方のラッセル・クロウは、うだつの上がらない刑事役。
どちらかというと彼のほうが、私生活は暴れん坊だと思うのだが。
あまり好きな役者じゃないけれど、やっぱり力がある。
情けない顔と闘志むき出しの表情と、どの場面でも、いい演技をしている。
この2人の役者が絡むところは、最後の最後までない。
ただし、その最後の絡みは鳥肌が立った。
間違いなく今年の賞レースに加わる作品。
最後に言っておきたい事がある。フランク・ルーカスは、どんなに誠実な男に描かれていようと、デンゼル・ワシントンが演じようと、純度の高いコカインをアメリカに流したギャングである。これは忘れてはならないし、許してもならない。
麻薬にたずさわる者は、全て殺人犯だ。それも大量殺人犯だ。
ある意味、見えないだけに戦争よりたちが悪い。
麻薬は2度人を殺す。
1つは生きた人間を、2つ目は死んだ人間の骨まで。これを忘れてはならない。
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デンゼル・ワシントンが語るフランク・ルーカス - 1日1億稼ぐ
トリビア
2004年にこの作品が企画され、その時の監督は、デンゼル・ワシントンがアカデミー賞主演男優賞をとった「トレーニング デイ」のアントワン・フークアに決まっていた。
そして配役は、デンゼル・ワシントンとベニチオ・デル・トロだったが、撮影が始まる1ヶ月前に、ユニバーサル・ピクチャーが、予算が足りないのを理由にキャンセルした。
コメントありがとうございます。
ストーリーと演技で、観客を長時間釘付けにさせるのって、やっぱり名作ですね。
私からのTBが不調のため、コメントにて失礼いたします。
>2時間37分があっという間に終わってしまった・・・
本当にあっという間でした。
私も時間を気にすることなく特に後半は画面に釘付けでした。
久々に見応えのある映画で、
人種差別と病んだ社会が今の日本と重なり、いろいろと考えさせました。
フランク・ルーカスがしたのはいけない事だということを忘れてはいけないですよね。
デンゼルがあまりにカッコよかったので、ついついそのことを忘れてしまいそうになります(汗)
メッセージありがとうございます。
Great Debaterも是非日本で公開してもらいたいです。
アメリカの人種差別がどんなものなのか(今も確実に存在すると思ってます)知ってもらいたいです。
でも、アメリカの健康なところは、そういった作品が大手を振って公開出来るということです。
日本で、日本の中に昔から存在する差別をテーマに作る勇気のある監督、プロダクションは、まだいないようですから。
また遊びに来て下さい。
最新作もご覧になったのですね!!
しかも、英語で・・・。素晴らしいです。
是非、日本でも公開してほしいです。
もし観ることができたら、またTBさせてください。
アメリカン・ギャングスター、デンゼルがかっこよすぎて、それは、良かったのですが、確かに、どんなにかっこよくても、絶対に許されない麻薬の売人。
そんな戒めが、最後のエンドロール後のシーンだったようにも思いました。
いずれにしても、再度、観たい映画となりました。
成功の秘訣は、人のやっていないことをする、ですね。
くまんちゅう、
フランクの非情の表情と優しい眼差しのギャップがよかったです。
よろ川長TOMさん、
マフィアの世界ですから、自分達が生きている世界の常識は通じないですね。
由香さん、
自分が思うにアメリカって、プラス、マイナスで量刑が左右されるような気がします。
何か悪さをして懲役なん年(マイナス)、司法取引で警察、検察に手助けをして(プラス)、この差し引きで刑期が決まるようです。もちろん、単純な計算式はありませんが。
ぷくちゃんさん、kenkoさん、
彼の濃い刑事役も見てみたかったですね。
もとはデンゼルワシントンとベネチオデルトロだったんですか!
ぶっちゃけラッセルクロウよりデルトロの方が好きなので
そのキャスティングで観たかったです~
いくらフランクがいい人っぽく描かれていても
殺人犯は殺人犯・・・
私もそう思います。
>そして配役は、デンゼル・ワシントンとベニチオ・デル・トロだったが、撮影が始まる1ヶ月前に、ユニバーサル・ピクチャーが、予算が足りないのを理由にキャンセルした。
もちろん、デル・トロが悪役ですよね。(爆)
『フランク・ルーカスは、どんなに誠実な男に描かれていようと、デンゼル・ワシントンが演じようと、純度の高いコカインをアメリカに流したギャングである。』-私もそれを思いました。
デンゼルが演じると家族思いの人・・・みたいな雰囲気を醸し出しましたが、それはマヤカシですからねぇ~
だから、最後のほうでフランクとリッチーがちょっと慣れ合いのような雰囲気を出していたことが腑に落ちなかったです。15年の刑期も、短いんだなぁ~と感じました。
麻薬の話ではあるけど、兵器から偽装食品まで自分たちは染まることなく他人をダシに私腹を肥やしている商人っていくらでもいるよ、と受け取ることもできますね。
しかも自分たちは直接手を汚さずにそういった連中に群がるダニみたいな奴ら。
しかもそれに対する正義感の刑事は家庭的には崩壊してしまった“ダメ男”………
裁判所での元・奥さんの「あんたも受け取ればよかったのに」みたいな発言が痛々しい。でもアレがホンネですもんね。
トラバさせていただきました。
何故かウチからGooさんにはTB送れないのでコメントします。
時間の長さは感じませんでした、無駄なシーンは無かったって事でしょうか?元妻との所が短くても良かったかなと思う位ですが、あのエピも無いと当時の汚職警官の根の深さが感じられませんから必要ですね。
フランクは幼い頃からこういう環境で育ったのか、悪い事をしていると言う意識は無かったんでしょうね。
表情が優しいのも魅力でした。
彼が大型店進出をなげいて「中間業者の気持ちも感がないで・・」云々と言ってたのを逆手にとって、直接輸入しちゃいましたもんね~
ビジネスで成功する秘訣は情け容赦ないってことなんだろうか・・・
アメリカは、麻薬に対する罪の意識が、日本とは段違いに低いです。
それと地理的な関係で、南米からどんどん入ってくる麻薬に対し、取り締まりもほとんど無力です。
学校でもドラック防止に関する授業が中学校からあるんですよ。
途中で差し込まれる麻薬中毒の映像はかなり
意識を戻させてくれる効果がありました。
許しちゃいけない殺人者ですものね。
麻薬が人を2度殺すということは確かに真実です。
いくらカッコよく描かれていたとしても、いくらデンゼルが迫真の演技をしたとしても、フランクが悪人であるということをきちんと把握しなければいけませんね。
どうもありがとう。
こちらこそよろしく。
TBがうまく入ってなかったようですので、
こちらからTBさせてもらいました。
楽しいブログですね!
これからもどうぞよろしくお願いします。
ご無沙汰してます。
どうぞ、リンクしてやって下さい。
これからもよろしくお願いします。
えいさん、
違う監督が撮ったらとか、違う俳優が演じたらとかって思い描くのは楽しいですよね。
TBは上手くいきました。
これからもよろしくお願いします。
アントン・フークアが監督する予定だったんですか?
それはまた、まったく違う映画になったでしょうね。
リドリー・スコットはこの映画のように「VS」ものに
なみなみならぬ力を発揮しますから、
結果、これでよかったのではないでしょうか?
あっ、TB、なぜか反映されていなかったみたいです。
goo同士なのに、変ですね。
こちらからのTBはうまくいくかな。
お引越しされたんですね♪
ゴージャスで可愛い娘さんたちに囲まれてお幸せですね!
こちらのブログもリンクさせていただいて良いですか?
どうか良いお年を☆
PS:この映画も是非観てみたいです!