アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 / Eye in the Sky

2016-04-09 | 映画






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はじめに、なんとこの映画は僕一人の貸し切り状態で観ることが出来た。
生まれて二度目の貴重な経験。

ヘレン・ミレン主演のサスペンスドラマ。
共演は、僕は未見だが人気のテレビシリーズ「ブレイキング・バッド」のアーロン・ポール、「ダイ・ハード」のハンス役からかなり様変わりしてしまったアラン・リックマン(2016年1月に急死された)、そして「キャプテン・フィリップス」で強烈な印象を残したソマリア系アメリカ人俳優のバーカッド・アブディ。

ヘレン・ミレンは、いつものようにブレない強い女性を好演。テロを防ぐためには、小さな代償を厭わない軍人役。
アーロン・ポールって、知らなかった役者だけど、とってもよかった。軍の命令と少女の命の間で苦悩する表情がいい。
そして、前作でも思ったがバーカッド・アブディっていい役者だな。容姿を完全に味方にして。

イギリス軍大佐のパウエル(ヘレン・ミレン)は、ケニアでテロの準備をしているソマリア系アル・シャバブの上級幹部を逮捕するミッションを指揮している。
それは、アメリカのドローンを使いテロリストの行動を上空から監視し、セーフハウスに幹部が集まったところをケニヤ軍に襲撃させる、3国の共同ミッションだった。
ドローンは、アメリカのラスベガスの空軍基地から操作され、ワッツ少尉(アーロン・ポール)が操縦を担当していた。
現地で潜入捜査をしているケニアの諜報員のカメラと、上空のドローンから、ターゲットにしているテロリストが、目標のセーフハウスに集まったことが確認された。
しかも、そこには自爆テロの爆弾がすでに準備されて、自爆を志願したイギリスとアメリカ人の2人の若者に装着する作業が行われていた。
このため、ミッションは逮捕から殺害に変更された。
だがドローンからミサイルが発射される直前、操縦士のワッツは、セーフハウスの壁を隔てた歩道で母親の焼いたパンを売る少女を見つける。
このまま、ミサイルを撃てば、かなりの確率で少女は爆死する。
何とか、少女を現場から離そうと諜報員ジャマ・ハラー(バーカッド・アブディ)が、パンをまとめ買いしようとするが、逆に近くの軍人たちに怪しまれて追われてしまう。
パンが売れるのを待つが、まだ2つのパンが残っている。
そして、最後の決断が下される。 

このストーリーは、マイケル・サンデル教授の白熱教室だ。
自分たちの空爆で死ぬ一人の少女と、自爆テロが起こす何十人も死。
法的には?
政治的には?
倫理的は?
これが正義か?
映画を観てるものに、いろいろな事を考えさせる。
そして、その決断の過程が事細かに描かれている。

パウエル大佐の現場には軍隊の弁護士が張り付き、状況からみた法的なアドバイスをする。
彼女の上官ベンソン中将は、ロンドンで政治家、検事総長らと決断を議論し、そしてその指示を外務大臣に仰ぐ。
外務大臣は、政治的な見地からケニアという友好関係ある国で、テロリストとは言えイギリス、アメリカ国籍の人間をドローン攻撃することに躊躇し、決断しない。
そして、アメリカの国務長官に意見を聞き、イギリスの首相に指示を仰ぐよう指示する。
絶好のチャンスを逃してしまう現場の焦りと、対照的なじりじりする意思決定の過程が繰り広げられる。
とてもハラハラさせられる。

もう一つ考えさせられるのが、この戦争映画、セーフハウスの内部の様子を遠隔撮影している諜報員以外、誰も現場にいない。
すべて、作戦室の中、ロンドンの会議室、ラスベガスのドローン遠隔操縦室でミッションが進んでる。
危険にさらされているのは、テロリストと少女を含むセーフハウスのケニヤの近隣住人だけ。
自爆テロにドローン攻撃、確実に戦争が変わってきている。 


   


ミッションのターゲットのテロリスト


テロリストを顔認証して誤爆を防ぐ


これがセーフハウス


中では自爆用の爆弾が用意されている


近所に住む少女


母親の焼いたパンをセーフハウスの隣の道端で売る少女


そこは65%の確率で被害が出る場所だった


現場でセーフハウスの中を撮影するために虫型のドローンを飛ばす


ロンドンの指令本部


ラスベガスのドローン操縦室


爆撃命令が出される








軍人も似合う


ハンス、印象的だったな(黙祷)


いい味出してた


もっと見たくなる役者





92%



トリビア
ヘレン・ミレンのキャラはもともと男性軍人だった。


ヘレン・ミレンのトゥデイショーインテビュー

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