ゴースト・ライター / The Ghost Writer

2011-08-27 | 映画






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巨匠と呼ばれながら、性癖に大問題のあるロマン・ポランスキー監督のミステリーサスペンス。
元イギリスの首相のアダム・ラング(ピアース・ブロスナン)の自伝のゴーストライターの仕事をある男(ユアン・マクレガー)が受けた。
作中、ユアンの役である男には名前が存在しない。文字通りゴーストの役のようだ。
そしてゴーストのように、抑えめの演技を通している。

元々、マイク・マッカーラという作家が、この自伝の執筆をしていたのだが、彼は仕事先のケープ・コットとボストンを行き来するフェリーかた転落して死んでいた。
そしてゴーストが仕事を引き受けて直後に、オートバイに乗ってきた男に襲われ、ラングの弁護士から渡された原稿を盗まれる。
ゴーストは、多少先行きの不安を感じながらも、破格な報酬額には逆らえずケープ・コットに向かう。
ボストンに向かう空港で、ラング元首相に関するニュースが流れたいた。
彼は、首相の任期中に中東の戦争で拘束した囚人をアメリカのCIAに引渡し、その囚人はCIAから拷問を受けたというものだった。
その、情報を流したのは、ラング元首相の友人で大臣だったロバート・ライカートだった。

序盤で、いろいろな謎が散りべられている。ケープ・コットの寒々しい風景もサスペンス度をあげる要素になっている。

ホクロがなくなったユアン・マクレガー


完全に元英国首相を意識した役


ラング元首相の別荘では、元首相の他、奥さんのルース(オリビア・ウィリアムス)と、秘書のアビガイル(キム・キャトラル)が住んでいた。
本当は、ホテルに滞在するはずだったゴーストは、マスコミ対策のために別荘に寝泊まりことになる。

ゴーストは、インタビューをしながら自伝の執筆をはじめる。
ラング元首相は、自分が政治に関わるようになったのは、1977年ケンブリッジ大学の学生だった彼が、ある日オックスフォード大学のルースに会った日だと学生時代の話をする。
しかし、彼が学生時代に演劇部に入っていた事に触れると、突然不機嫌になりインタビューは、一時中断された。

その後しばらくすると、国際刑事裁判所がラング元首相が囚人をCIAに引き渡した事件の調査に入るというニュースが入ってきた。
その件をめぐり、ルースとアビガイルとラング元首相のやり取りを聞くうちに、元首相とアビガイルが浮気をしている事に気づく。

旦那に浮気されている寂しい元首相婦人だが...


この人が秘書 何か事件と関係があるのか?


途方にくれるゴーストが、仕事机の整理をしていると前任者のマイクの封筒が見つかり、中の写真にはケンブリッジ時代の演劇部のラング元首相とポール・エミュット(トム・ウィルキンソン)という人が写っていた。

そして、今度は前任者のマイクが殺されたのではないかという噂を街の人から聞く。フェリーから落ちたら、彼の死体が発見された海岸には絶対に流れ着かないという。
また、彼が死ぬ前に、何か大きな秘密を知ってしまいそれは、「記憶のはじめ」だという。
マイクの死体が見つかった海岸で、懐中電灯を持った人影を見たという老人は、階段から落ちて意識不明の重体だった。

少しずつ情報と謎が出てきて、謎解きミステリーの定石をなぞっている。
ゲームソフトにも、すぐ出来るような展開。

この人、こういう役しかみたことがない気がするのだが


絵に書いたような、マンガに出てくるような老人


マイクが生前使っていたBMWを運転していると、カーナビに過去のルートが記録されている。それをたどっていくとボストン近郊のポール・エミュットの自宅に辿り着いた。

これで、全員登場。
この後、ラング元首相とポール・エミュットの過去に何があったのか?
「記憶のはじめ」って何?
CIAがどう絡んでいるのか?
他に黒幕がいるのか?
謎が少しずつ明かされていく。(ラング元首相の乗っている自家用機にも注目)

ラング元首相は、見た目も彼とアメリカの関わりも、実際のトニー・ブレア元首相とかなりダブつくが、これはポランスキー監督の意図だと思う。そしてその効果は高い。(原作が出版された頃、まだブレア首相は存在していない)
丁寧につくられたミステリーで、謎解きも楽しめ、面白い作品だった。(イギリス英語は相変わらず逃げてだが)

???



トリビア
2009年9月にスイスで逮捕されたポランスキー監督だが、編集の作業を獄中も続けて、12月の公開に間に合わせた。

別荘のセットは全て撮影スタジオ内につくられて、風景は全てグリーンスクリーンを使っている。

ヒュー・グラントは、主演のオファーを断っている。


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