99ホーム(原題) / 99 Homes

2015-10-09 | 映画






オフィシャルサイト


「ソーシャル・ネットワーク」でブレークした後は、ちょっと頼りなげな「スパイダーマン」が定着してしまったアンドリュー・ガーフィールドが、インパクトのある大きな顔の名悪役マイケル・シャノンを相手に、堂々と渡り合っている。

若いシングルファーザーで、母親の面倒も見ている大工のナッシュ(アンドリュー・ガーフィールド)は、リーマンショックの煽りを受けて、月々の住宅ローンの支払いを滞り、裁判所から自分が育った家の立ち退きを命じられる。
その翌日警官2人とマイク・カーバー(マイケル・シャノン)という不動産屋が、強引に彼の家に入ってきて2分以内での立ち退きを強要する。
カーバーという男は、ローンで問題のある物件をあさっては、住人を追い出し、担保に入った家を売買して、金を設けているやり手の不動産屋だった。
しかも、担保で取り上げた家のクーラーや家電を密かに盗み出し、それを補充する金を銀行や税金からだまし取っていた。
子供と母親を抱え狭く汚いモーテルで暮らしはじめたナッシュは、自分の大工道具を取り戻そうと訊ねた、カーバー事務所で、ひょんなことから彼の大工の上をかわれ日雇いで雇われる。
ナッシュは、カーバーのところで働くうちに、自分の家を買い戻すお金を稼ぐために、大工よりも金になる、立ち退きを仕切る不動産屋としてのオファーを受ける。
自分と家族を容赦なく追い出した不動産屋の仕事で、今度は2分間で住人を追い出す側に回ったナッシュは、だんだんお金と自己嫌悪に狭間に落ちていく。

前半のナッシュたちが、立ち退きをさせられる場面が、本当にリアル。
このシーンで、「スパイダーマン」のアンドリュー・ガーフィールドが吹っ飛んでしまい、ナッシュという若者にのり移ってしまってる。
そして、マイケル・シャノンの、憎らしいほどの名演技。
「プレミアム・ラッシュ」で見せた悪役振りと完全にかぶったが、それでも怖い演技だった。
人が、お金のため、自分の幸せだけのために、どれだけ自分を捨てられるか。
リーマンショック以前に、デタラメな説明で家を買わせていた不動産屋と、金利ゼロと半分ごまかすようにして金を貸してた銀行の奴らに観てほしい作品。
一皮むけたアンドリュー・ガーフィールドの次回作が気になる。 



90点




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