花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

初めての台北(5)「國立故宮博物院」③

2019-12-15 00:36:29 | 美術館

さて、「國立故宮博物院」を3階~2階~1階へと観て行ったのだが、院内の展示が複数の「特別展」形式になっており、慣れないもので少々面食らってしまった。それぞれの「特別展」が内容的にも実に興味深く、じっくり観ていたら1日では観切れないことが了解されたのだ。いやぁ、やはり凄い!!

参照:「現在の展覧」

https://www.npm.gov.tw/ja/Article.aspx?sNo=03000060

中でも楽しく見ることができたのは「以文会友─雅集図 特別展」や「小時代の日常――十七世紀から見た生活への提案」などで、学士たちの宴会や、17世紀当時の人々の日常など、身近に感じらる作品が展示されていた。

 

一方、極私的に興味深かったのは「故宮博物院所蔵清代歴史文書精選」で、乾隆年間に台湾でも「反清復明?」の動きがあったことで、当時の福建省などでも同様の動きがあったことを想起すれば、康熙・雍正の時代を経てもなお、東南地方の政情次第では反満の火種が起こりやすい状況があったことが推察された。 

ということで、昼食抜きで観まくり、最後の方はヘトヘトになってしまったものの、取りあえず主要な「特別展」は制覇することができた(詳しく書くと長くなるので端折る)。ホテルで朝食をしっかり食べていて良かった~。しかし、足が棒のようになっていて、お茶したい!! だが、時間は既に午後3時半近く、あまりゆっくりしている時間はない。

ということで、故宮博物院に隣接するレストラン「故宮晶華」でサクッとスイーツを食べることにした。

メニューを見ると日本でも食べたことのある白キクラゲの入った甘い温スープがある。これならば、時間的にも大丈夫

 

ようやく、甘いものでホッとした♪ 

「故宮晶華」を出た後は博物院に戻り、バス乗り場を教えてもらい、バスでMRT士林駅へ。MRTで中山駅へ向かい、待ち合わせ時間前に無事ホテルに戻ることができたのだった。めでたし


「宮城県美術館」移転案に私も「NO!」と言いたい。

2019-12-12 22:41:11 | 美術館

宮城県が「宮城県美術館移転案」を発表。それに対し「現地存続を」と市民団体が要望。

https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201912/20191211_13003.html 

私も移転にNO!と言いたい。宮城県美術館の建築的重要性はもちろんだが、辺鄙な宮城野原に文化施設を集約すること自体が疑問だ。県は少子化を踏まえ文化施設の集約による効率化を掲げるが、経済とか効率化と「文化」を同じ俎上で扱わないで欲しい。

今日のニュースでは「宮城県美術移転の中間案」が提示されたようだ。「"美術館の移転”含む中間案提示 老朽化施設の活用検討 パブコメも募集〈宮城〉」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191212-00000008-oxv-l04

県はパブリックコメントを募集すると言っているが、どこにコメントしたら良いのだろう?? 本当に県民の声を聞く気はあるのだろうか??

  

(宮城県美術館のエントランス)

ちなみに、宮城県のホームページに「宮城県美術館のリニューアルに関する調査」結果報告書が出ていた。なかなかに興味深い内容だった。(私はアンケートを見たことも無いが) 

https://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/663171.pdf 

文化施設で一番利用者が多いのは「メディアテーク」であり、街中にあるからこその利用者の多さだと思う。宮城県美術館も川内に地下鉄が通って便利になったのに。文化施設は街中にあってこそ利用者が増えるはず。わざわざ街中からバスやJRを乗り継いで美術館に行かなくてはならないの??

更に、皆さんが、宮城県美術館の展覧会に不満を持っているのがわかる。学芸員のやる気の問題なのか、予算が無いのか、地味な展覧会が多いのだよね(すみません)。美術好きは結局あきらめて東京に観に行くしかないのが現状だし...。


初めての台北(4)「國立故宮博物院」②

2019-12-11 22:40:23 | 美術館

戦国時代-漢代玉器 」展示室を観終えて、「国宝薈萃」の行列はどうなっているのだろうと通路に出ると、なんと!行列が捌けて誰も並んでいない!!この時間は昼食のために団体さんたちが居ないのだと気が付いた。当然「白菜」に直行!!

空いている展示室でじっくりと《翠玉白菜》に再会することができた。蝗もキリギリスもしっかり観察する。緑葉の重なりや白菜の葉脈の表現など、とにかく凄技に溜息をついてしまった(ほーっ)。いつか「角煮」も観なくちゃね。

「白菜」もだが、私的に特に楽しみにしていたのは陶磁器作品だった。中でも宋代の青磁!!

北宋 汝窯 《青磁無紋水仙盆》

 ・南宋 官窯 《青磁貫耳壷》

南宋 龍泉窯 《青磁鳳耳瓶》

それと、興味深かったのは、東京国立博物館所蔵の 南宋 龍泉窯青磁茶碗 銘馬蝗絆》とよく似ているが少し大ぶりの《青磁茶碗》があったこと! しかも、鉄の鎹は無く、完璧な姿を見せていた

そして、明代青花文様磁器の数々!!

とにかく、上記で紹介したのは極一部であり、私にはもう眼福でしたわ


初めての台北(3)「國立故宮博物院」①

2019-12-09 23:55:09 | 美術館

2014年の東京国立博物館「台北 國立故宮博物院-神品至宝-」展を観て、ぜひ行ってみたいものだと思っていた。

https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1647#top

東博の展覧会では「白菜」は展示されていたものの「角煮」の展示は無く、これは現地で観なければいけないなぁと。なのに!出かける前の情報収集では、今回も《肉形石》は院南部院区の至宝庁南院に出張中だとのこと。まぁ、いつか、また!があるよね。

ということで、台北の「國立故宮博物院」は広くて大きかった!!

https://www.npm.gov.tw/ja/

雑誌情報によれば、まずは3階の「国宝薈萃」に行って、混んでいれば2階から見るべし、とのことだった。案の定、《翠玉白菜》の展示されている国宝薈萃」室は長蛇の列で、同じ階の「戦国時代-漢代玉器 特別展」から観ることにした。

https://www.npm.gov.tw/ja/Article.aspx?sNo=04010330

特に興味深かったのは、「蛇」をモチーフにしたデザインを好んだ戦国玉器が、伸び広がり平面的になっていくことで、対する漢代の玉器は「獣身」が立体的なデザインになっていくのがわかる。

下↓は「戦国時代の玉器」(蛇や龍がくねくね動こうとしている)

下↓は「漢代の玉器」(立体的な神獣が動き出そうとしている)

そして、戦国時代から漢代にかけ、蛇がとぐろを巻いているような造形も...。

私的に一番興味深かったのは、その「蛇」の曲線のエネルギーが『ダロウの書』や『ケルズの書』の渦巻くエネルギーを想起させることで、聖なる力は曲線に宿るのだろうか?と思えたのだ。

『ダロウの書』から(曼荼羅さえも想起させる)

『ケルズの書』から


片や紀元前の中国、片や7世紀~8世紀のアイルランドだが、時代も国も異なるとは言え、原始的な宗教心の発露が「動くもの」のエネルギーを借りて形態化(デザイン化)されて行ったのではないかと、美術ド素人は思ってしまったのだった


初めての台北(2)

2019-12-08 23:34:57 | 海外旅行

台北の宿泊ホテルは日系高級ホテルで、決め手は、バスとトイレが別&ウォシュレット付き、だった。日本語対応もモチロンだったが、更に感激したのはバスルームで、シャワーで身体を洗い浴槽でゆったりできる日本式仕様だったこと!!浴槽につかりながらバス用テレビまで見られたのだよ。欧米のホテルは高級でもバスルームが広くても、日本人の私には使い勝手がちょっと悪く、さすが日系老舗ホテル♪と嬉しくなった。

 

(バスルーム。シャワーも使い勝手良し)

 

(ベッドまわり。右奥には立派なライティング机&椅子もある)

さて、二日目は私だけ「故宮博物院」見学に、台湾リピーターであるOご夫妻は街歩き予定だったので、朝食は別々に取ることにしていた。「故宮博物院」に行くため早起き&朝食予定だったのに、しかし!前日に夜更かし(夜食!)したものだから、朝が辛くて予定よりも遅く起きてしまった。それに朝食ビュッフェも充実していたので、つい食べ過ぎる始末。O夫妻との夕食集合のために午後5時にはホテルへ戻らなくてはならないのに...。

ということで、食事を終えた後、急いでMRTの中山駅から士林駅へ、士林駅からタクシーで「故宮博物院」に向かったのだった。


初めての台北(1)

2019-12-07 23:54:39 | 海外旅行

仙台~台北の直行便が就航し、アジア旅第二弾として、3泊4日の台北旅行に行って来た。ベトナムと同じく、今回もOご夫妻とご一緒で、本当に楽しくグルメな旅となった。(多謝!!>Oご夫妻)

仙台⇔台北の直行便は1日に一往復で、仙台発は午後4時ごろ、台北発は午前10時ごろなので、仙台からだと3泊4日とは言え、観光できるのは正味2日間ということになる。当然、私的目的は「故宮博物院」であり、後はもう食べるだけ?(笑)

実は、O夫妻は某旅行会社の送迎付きパック旅行で申し込み、私は同じ飛行機とホテルを個人で手配した。自分で手配した方がパックの一人部屋追加よりも経済的なのだ。ということで、台北の桃園空港に夕方7時半に到着した後は、一旦空港で二人と別れ、ホテルで合流することにしていた。

初めての桃園空港からの移動なのでちょっとドキドキしたが、空港で「Easy Card」(パスモみたいなカード)を購入、MRT(地下鉄)の桃園空港線で台北駅まで、駅からタクシーでMRT中山駅近くにあるホテルに移動した。私の方が先に到着するかと思っていたら、なんとカウンターで夫妻がチェックインを済ませたところだったので驚いた。どうやら、送迎車はかなり早いスピードで走っていたらしい

チェックインを済ませ、部屋で荷解きを終えた後は、ロビーで合流、(機内食を食べたのに)遅い食事に出かけた。ホテルから歩いて行ける、雑誌でもよく紹介されている小籠包のお店で、サクッと夜食(?)を。

空心菜の炒め物と酸辣湯も食べたのだが、食べるのに夢中で(汗)写真を撮り忘れた

Oさんは凄い甘党で、食後のデザートに餡饅頭を食べたいとのリクエストがあったが、奥さまのYさんが最初は「NO!」と言っていたが、可愛そうになったのかOKを出した(笑)。

お店に入った時は空いていた席も、どんどん席が埋まり、食事が終わるころには満席状態になっていた。台北の人たちって意外に夜遅くまで飲み食いしているのだなぁと思った。

ということで、満腹で体重増加を気にしながらホテルに戻ったという、台北滞在の第一日目であった


2020年「Van Eyck(ファン・エイク)展」出展作品新情報!

2019-12-06 22:54:44 | 展覧会

ゲストの通りすがりの者さんからの情報により、ヘント(ゲント)美術館「ファン・エイク展」の新しい出展作品がわかった。(感謝です!!>通りすがりの者さん)

公式サイトの「press向けdownload kit」 に新しい出展作品リストが掲載されている。

https://www.dropbox.com/sh/dvn2x1s053fpnyc/AAARZPk4Hch0FbHWz6bXHIdGa/EN?dl=0&preview=Images+and+captions+-+Van+Eyck+-+MSK.pdf&subfolder_nav_tracking=1

新たな追加作品は...

・《聖痕を受けるアッシジの聖フランチェスコ》(フィラデルフィア美術館)

・《ヤン・デ・レーウの肖像》(ウィーン美術史美術館)

 

・《男性の肖像(ティモテオス/レアル・スーヴェニール)》(ロンドン・ナショナル・ギャラリー)

フィラデルフィア美術館からの出展は本当に嬉しい。そして、ロンドンとウィーンからの出展作品は、やはりアントワープ王立美術館との交換作品だろうし、持ち駒がヘントで生きたようで何よりだ


ウィーン美術史美術館「Jan van Eyck "Als Ich Can"」展

2019-12-01 00:34:04 | 展覧会

現在、ウィーン美術史美術館では「Caravaggio&Bernini」展と併せて「Jan van Eyck "Als Ich Can"」展、すなわちファン・エイク3作品のプチ展覧会も同時開催中である。

https://www.khm.at/en/visit/exhibitions/jan-van-eyck/

★「Jan van Eyck "Als Ich Can"」展

・会場:ウィーン美術史美術館(Raum XXI

・会期:2019年7月10日(水)~2020年2月6日(金)

アントワープ王立美術館から《泉の聖母子》が出展されているので、2020年春のヘント「ファン・エイク展」に美術史美術館作品が貸与される可能性があると言うことだろうか??

参考:https://vaneyck2020.be/en/#main

できれば 《アルベルガティ枢機卿の肖像》か《ヤン・デ・レーウの肖像》、私的には両方が望ましいのだが(希望)、まさか、アルベルティーナのファン・エイク工房《福音記者聖ヨハネ》だけだったら私は怒るよ!!

しかし、ロンドン・ナショナル・ギャラリーもアントワープから《聖女バルバラ》貸与を受けていたが、ヘント展への貸出の音沙汰がない。もしかして、アントワープは他館(ヘント)のために持ち駒を使う気は無いのかもしれない