最近ブログをサボっているが、実は正月明けに頭痛で倒れてしまった。偏頭痛と緊張型頭痛が重なった混合型だったようだ。幸いCTスキャン及びMRI検査では異常無もなく、疲労とストレスによる神経性のものらしい。どうやら今年は波乱含みの幕開けとなってしまった(^^;
さて、とは言っても体調を見ながら展覧会にはちゃんと行っている(笑)。今年の初展覧会はokiさんから頂いたチケットで観たBunkamura「ピカソとクレーの生きた時代」展だ。(okiさんに感謝!)
今回の展覧会はデュッセルドルフにあるノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館の改修に伴う引越し展のようだった。展覧会名にもなっているが、やはり見所はピカソとクレーの名作で、特にピカソ《座る二人の女》《鏡の前の女》には唸ってしまった。国立新美術館のピカソ展のおかげで食わず嫌いが少し矯正されたようだ(^^ゞ
まず、《座る二人の女》だが、観た瞬間、二人の女の存在感・ボリューム感に圧倒された。ピカソの描く女は手も足も大きいが、そのうえ、この女たちは身体自体も迫力満点。二人の背景の対象や腕の曲線、足元の立方体など、リズムを持った構図であることも了解できた。
しかし、私的に特に魅入ってしまったのは《鏡の前の女》だった。
パブロ・ピカソ《鏡の前の女》1937年 油彩・キャンヴァス
©2008-Succession Pablo Picasso-SPDA(JAPAN)
単純化された造形なのにリアルに情景が伝わってくるのだ。窓からの光は室内の白い壁に反射し、花瓶の植物影が一層明るさを際立たせる。室内で紙を見ているのは(瞑想なのか?)多分マリー=テレーズ。前に置かれた鏡は陽射し(青)だけでなく彼女の心まで映しているかのようだ。明るい日差しのなかで赤と黒の心が葛藤している。もしや、そんな彼女を見ている画家ピカソ自身の心の葛藤なのだろうか?一見静かで穏やかな作品のように見えるが、危うい心理劇をも孕む作品なのではないか?と思ったのだった(^^;;
で、もう一方のパウル・クレー《リズミカルな森のラクダ》は音楽の楽譜のような…という解説に、なるほど!だった。
パウル・クレー《リズミカルな森のラクダ》
1920年 油彩など・ガーゼ、厚紙
頭の丸い木は逆さのおたまじゃくしなのかもしれない♪ラクダの前足をわざわざ修正してずらした跡が良くわかり、リズムのズレまで楽しく描いたんじゃないのかな?クレーの軽妙で繊細な作風が「音楽」というキーワードで語られるとなんとなく親しみが湧く。なにしろ現代美術苦手には取っ掛かりが必要なのだ(^^;;;
クレーはデュッセルドルフの美術アカデミーで教鞭をとっていた時期がある。ヒットラーから「退廃芸術家」の烙印を押され、追放されてしまう。戦後、ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館がクレーのコレクションを購入したのもそのためのようだ。日本だけでなくドイツの負うものも大きい。
ところで、デュッセルドルフには以前「CARAVAGGIO ―Auf den Spuren eines Genies 展」を観に行ったが、会場のクンスト・パラスト美術館しか観ていなかったので、今回の展覧会を観ながら、デュッセルドルフの文化的な厚みを再確認させてもらった。ライン川沿いの緑も美しかったし、日本人も多く住みやすそうな街だったし、今回の展覧会でなんだか再訪したくなってしまった(^^ゞ
さて、とは言っても体調を見ながら展覧会にはちゃんと行っている(笑)。今年の初展覧会はokiさんから頂いたチケットで観たBunkamura「ピカソとクレーの生きた時代」展だ。(okiさんに感謝!)
今回の展覧会はデュッセルドルフにあるノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館の改修に伴う引越し展のようだった。展覧会名にもなっているが、やはり見所はピカソとクレーの名作で、特にピカソ《座る二人の女》《鏡の前の女》には唸ってしまった。国立新美術館のピカソ展のおかげで食わず嫌いが少し矯正されたようだ(^^ゞ
まず、《座る二人の女》だが、観た瞬間、二人の女の存在感・ボリューム感に圧倒された。ピカソの描く女は手も足も大きいが、そのうえ、この女たちは身体自体も迫力満点。二人の背景の対象や腕の曲線、足元の立方体など、リズムを持った構図であることも了解できた。
しかし、私的に特に魅入ってしまったのは《鏡の前の女》だった。
パブロ・ピカソ《鏡の前の女》1937年 油彩・キャンヴァス
©2008-Succession Pablo Picasso-SPDA(JAPAN)
単純化された造形なのにリアルに情景が伝わってくるのだ。窓からの光は室内の白い壁に反射し、花瓶の植物影が一層明るさを際立たせる。室内で紙を見ているのは(瞑想なのか?)多分マリー=テレーズ。前に置かれた鏡は陽射し(青)だけでなく彼女の心まで映しているかのようだ。明るい日差しのなかで赤と黒の心が葛藤している。もしや、そんな彼女を見ている画家ピカソ自身の心の葛藤なのだろうか?一見静かで穏やかな作品のように見えるが、危うい心理劇をも孕む作品なのではないか?と思ったのだった(^^;;
で、もう一方のパウル・クレー《リズミカルな森のラクダ》は音楽の楽譜のような…という解説に、なるほど!だった。
パウル・クレー《リズミカルな森のラクダ》
1920年 油彩など・ガーゼ、厚紙
頭の丸い木は逆さのおたまじゃくしなのかもしれない♪ラクダの前足をわざわざ修正してずらした跡が良くわかり、リズムのズレまで楽しく描いたんじゃないのかな?クレーの軽妙で繊細な作風が「音楽」というキーワードで語られるとなんとなく親しみが湧く。なにしろ現代美術苦手には取っ掛かりが必要なのだ(^^;;;
クレーはデュッセルドルフの美術アカデミーで教鞭をとっていた時期がある。ヒットラーから「退廃芸術家」の烙印を押され、追放されてしまう。戦後、ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館がクレーのコレクションを購入したのもそのためのようだ。日本だけでなくドイツの負うものも大きい。
ところで、デュッセルドルフには以前「CARAVAGGIO ―Auf den Spuren eines Genies 展」を観に行ったが、会場のクンスト・パラスト美術館しか観ていなかったので、今回の展覧会を観ながら、デュッセルドルフの文化的な厚みを再確認させてもらった。ライン川沿いの緑も美しかったし、日本人も多く住みやすそうな街だったし、今回の展覧会でなんだか再訪したくなってしまった(^^ゞ
苦手なんていいながら現代美術も大部克服されたようで。。ピカソは山が高すぎて私には登れませんです。。
よ。
まあ、お互いこの年になるといろいろありますね。
実は僕も尿管結石ができて夜も寝られないほど
苦しんでいたのです。
もうよくなりましたが、おかげで東京ドームの
テーブルウェアフェスティバルにJuneさん、お誘いする
予定がお流れとなりました、けどその方がお互い良かったかもね。
さてこの展覧会、ピカソのチケットはあると新聞屋がいう
ので、期待していたらピカソは展示少ないですね。
最後にまとまってクレーがあるので、時間配分がたいへんでした。
お互いぼちぼち感想交換していきましょう、体がなにより
第一です!
おかげさまで検査では異常が無く、ほっとしました。
るふなさんも、その後大丈夫ですか?お互い健康だけは気をつけたいですよね。
今回、皮膚科のY先生の母校にご厄介になったのですが、先生たちがみなユニークで(3つの科!)、なかなかに面白かったですよ~☆
で、ピカソは私も頂までは登れませんです。裾野をウロウロ(^^;;;
私の兄も尿道結石で入院したことがあるので、okiさんの痛みが想像されます。どうぞお大事にしてくださいね。
で、テーブルウェア・フェスティバル、残念でしたねぇ。次回、誘ってくださいませ~。
さて、この「ピカソ☆クレー展」のピカソは確かに数は少ないものの、その質の高さに嬉しくなりました。もちろん、後半のクレー作品も数・質とも見応えありましたね。
と言うことで、今年もお互いに健康第一で美術鑑賞を楽しみたいものですね。私もokiさんを見習ってこまめに感想を書かないと...(^^;;;
知人が頭痛で辛そうにしていたのを思い出しました。さらに仕事の事も考えていると、精神的にも重くなりますよね。
今は良くなられたのでしょうか?どうぞ無理をせず、自分の体をいたわってあげてください。
とても気持ちの良い美術展でしたね。花耀亭さんの細かな観察には感心しました。確かに《鏡の前の女》は、色も鮮やかで明るいのに、内省的でかすかな緊張感も感じられます。
ピカソの絵で、時々ボリュームたっぷりの人物画がありますが、私、それが大好きなのです。数年前、コロンビア生まれの彫刻家ボテロ氏の、とても大きなふくよかな人物像を見てから丸い体がほほえましくて、気に入っています。どこに、好きになるきっかけがあるのかわからないものですね。
お大事になさってください。
激痛の後もだらだらと頭痛は続いていたのですが、ようやく治まったようです。
健康が何よりも大切なことが身に沁みましたです(^^;
Cojicoさんも入院されたりしてますが、どうぞご自愛くださいね。
さて、Cojicoさんもブログにご感想をお書きになってましたが、なかなかに興味深い展覧会構成で見応えがありましたね。ドイツ地方中核都市の美術館はさり気に傑作を持っていたりして驚きます。それに美術館自体がテーマを持ってコレクションの充実に努めているのでしょうね。
で、Cojicoさんもボリューム迫力の人物好みだったのですね!なるほど確かにボテロも…。どっしりと大地に立つおおらかさを感じますね。Cojicoさんの「きっかけ」、納得です(^_-)-☆
さて、ピカソの「鏡の前の女」のご感想、たいへん興味深く拝見しました。外光が室内で反射している様子、その様子だけでなく人物の内面と作者・モデル間の心理劇まで表現しているとの洞察にはとても説得力があり、深く納得いたしました。
体調をととのえられて、こうした貴重なご感想を今後も発信していただけるのを楽しみにしています。
今回の騒動(?)で、健康が一番大切なことをしみじみ感じました。桂田さんもどうぞご自愛くださいね。
で、「鏡の前の女」ですが、私の考えすぎかなぁ?なんて心配していたので、桂田さんのコメントに援護射撃をしていただいたような気がしましたです(^^;;;
ようやく元気も出てきましたので、ブログもぼちぼちと頑張りたいと思っております。
それよりも、桂田さんの英語版のヒット、素晴らしいですね!♪