Pのlog ( 大阪と上海のChouChou)

通称P。shushu(照れちゃう)ような稚拙きわまりない文面で、上海や大阪のchouchouを綴ります。よしなに。

1933老場坊①(九龍賓館のうしろ)

2010年01月03日 | 上海chouchou(みる・くらす)
 かつて上海にいたころ、駐在していたぼくの会社は北京と上海に事務所を
   置いていて、北京メンバーが上海にきたときあるいは日本からの出張者を
   受け入れる場合は、いつも下記の2つのホテルのどちらかに宿泊していた。
     ①金富運大酒店(呉淞路299号)
     ②九龍賓館(溧陽路601号)

   ぼく個人にとっては赴任前の出張時、あるいは赴任直後の約2週間の
   滞在の記憶があり、①への思いいれが強いのである。
   けれど、ぼくが浦東に居を構え、単身生活をstartさせたあと、①の宿泊費の
   高騰により、徐々にメンバーは②にシフトしていく。

   ということで、attendのお迎え・お見送りや部署の宴会時のタクシー  など
   ②についても部屋の中まで入ることがあり、思い出はそれなりにある。

   一番不思議だったのはホテルの部屋からの眺めだった。
   夜に見下ろす風景は、まるで陰陽の大極図のようで、奇妙な円形の建物は
   いったい何か、などと誰に聞いてもわかるはずもなく、そのまま帰任するまで
   気になってはいたが、回答を得られないままだった。

   わかったのは、つい昨年のできごと。週刊モーニングの「社長 島耕作」を
   読んでいるときだった( 2009.10.23 Miss Brand-New Day
   ふとどこかで…そう既視感にとらわれたその建物はまさしく九龍賓館の窓
   からみたそれにそっくりでした。

   そのときから、今回の旅行において必須訪問場所として認識していましたが
   WheneverやSUPERCITYをみても、ぎりぎりで主詳細な住所・地図がなく
   結局ネットで調べたHPの記載をもとにタクシーに指示しました。

   1933老場坊。その言葉がはたして通じるだろうか?
   それはたとえば、大阪で年配の運転手さんに「堀江の××にいってください」
   とお願いするが如く、まだ知らない人であれば「は?知らないな  」と
   言われるのがオチかもしれない。

   MARDI GRASのすぐそばで自転車に積んだ果物を売っていたおじさんの
   前でタクシーに乗り込んだぼくは、やや控えめに

      「海寧路×溧陽路 九龍賓館」

   とお願いしてみた。場所は興国路。浦西のど真ん中西寄りなこの場所で
   虹口の地名が通じるか不安はあったのだけれど九龍賓館というのは
   ★★★とはいえ有名なのか、運転手は軽くうなずいて運転を開始した。

   思わず、RinNonに「おお、通じたよ  」と言ってみたけれど、場所の感覚が
   まだついてない2人には、あまりピンときていないようだった。

      
   
   タクシーは延安高架から成都高架に針路をかえて、上海駅の手前で
   高架を降りると、そのまま海寧路にはいって東に走り始めた。
   古北・虹橋から虹口に向かうスタンダードだ。

   きっちり左折をすると、車は無事ホテルの前に。
   かつて繰り返しやってきたことのある玄関が見える。

  
                     昼間にきたことはあまりなかったので
    大きいとは言えない玄関でタクシーや自家用車がそれなりに込み合い、
    ホテルの従業員なのか警備員なのかが、指示を繰り返しているのを
    少し違和感を覚えながら、玄関の端に停めてもらって3人は降りてみた。

    いくらなんでもホテルから少し歩くのかと思って覚悟していたが、実際には
    ホテルの裏、むしろ隣接していると表現すべきだろう。
    かつて夜に陰陽五行説とかYing-Yangてなんだったっけ?と思い出させた
    あの建物は、そのまわりに従者のように他の小さな建物を従えて
    建っていた。

         

   informationかと思えたこのビルは特になにごともなく、一般観光客には
   あまり関係なさそうだったので、直接老場坊そのものへ視点を移す。

 

   島耕作でみたマンガの風景と同じものが出現していた。 

★1933老場坊
  上海市虹口区沙経路10号、29号
  +86-21-6501-6559
  http://1933.021ci.com/

                       

   老場坊そのものの建物は、九龍賓館と接していた。結局資本形態が
   同じなのだろうか?ここはよくわからない。

    

  いろいろ周囲に、同じような小型の建物を従えてそびえている建物は
  1933年に牛の解体工場として公的機関としてOPENしたものだ。
  いったいそんなものをよくrenovateして、あろうことかショッピング・グルメの
  拠点にしようと誰が考えたのだろう?

  日本ならば、すごい反対意見が渦巻くような場所だと思う。それでもここでは
  議論や愚論につきあわず、先に動きがおこなわれる。

  PAULのパン屋さんも出店予定なのだろう。coming soonの文字とともに
  蒸気機関車が飾られている。OPENのころにはさらににぎやかになっている
  のだろうか?

           

   

  夕方の風景に溶け込むその建物群。一眼レフでないのがかえすがえす残念
  だけれど、最終日にこの風景を見ることができたのは本当によかった
  RinNonにはまだなにがあるかわからず、うーんと不思議そうに眺めている。

           

    ショッピング。服屋さんらしきdisplayがあるが結局中に入るとまだ運営
    されていなかった。これもcoming soonなのだろう。

       

  ついに正面玄関に立つ。中はカメラが許可制という話も聞いていたので
  少し緊張して入っていく。

  

  入ってすぐ右側には、この老場坊OPENセレモニーなのだろうか?
  タレントの写真や、この場所がいかにcoolでいまの流れにマッチしたもので
  あるかを主張している。面倒なので読まないでいくことにする。

                 

   その前にあるのはcafeらしい。ちょっと若者風だ。targetはどこにおいてある
   のだろうか

   そして、ついに中に入る。受付ではなくimformationの男女の係員は特に
   何も言わない。中にすぐ入ると、一眼レフもデジカメもみんな構えて写真を
   撮りまくっている。許可制ではなくなったということなのだろう。

       

  一眼レフを構える人。中国人が多いのが特徴かな。さすがにまだ日本人の
  姿が少ないので、少しほっとする

   

  中を見上げる。おもしろいことに1Fにいる方はみんな見上げている。
  中央の丸い部分に環状に伸びた外縁部を橋渡しする何本もの廊下が、まるで
  迷路のように上下立体的に複雑な構造を示しあげている。

              

  屋根?にあたるのだろうか?明かりとりの天井はガラスがはめ込まれている
  とりあえずそこまでは上がってみよう。

  この迷路のような構造に目を光らせて興奮したRinNonがはしゃぎ始める。
  探検隊のように走ったり、お互いを制してゆっくり細く小さな階段をあがったり。

        
 
Superfly 『やさしい気持ちで』



    ぼくが上海にきて訪ねた街並みで、RinNonが初めて笑顔ではしゃぎながら
    走り回り始めた。

    そうか。そんな顔を見るためにぼくは来たんだっけ?

    ぼくの見たかった場所で、RinNonがはしゃぐというのは何かLifestyleを
    やっと一部共有できたようで、それはうれしかった。
    ぼくはやったよ。(誰に言っているのだろう  )

      

   途中いくつかの階段をあがる。円形だけにどこの階段から上がっても
   同じなのだが、方向性をもたないとどこにいるのかわからなくなりそうだ。
   そう、何層めなのかわからないのだ。
   少し息切れしたぼくは

    牛の公設だったころは、うしはどうやって上部層に連れて
    いったのかよくわからなくなった。階段はとても成長した牛の通れる幅では
    なかったし、この暗さや急こう配では牛も疲れて暴れそうだった。

   RinNonは、牛ではないので疲れをみせず、ハアハア言いながらも気持ち
   よさげに下を見下ろしていた。

     ようやく天井にみえたフロアに到着する。

  おそらく強化ガラスなのだろう。明かりとりようのガラスだった。ここでは何が
  おこなわれてきたのだろうか。

               

       

  RinNonは、ほかの大人たちがガラスの上をおっかなびっくり中心まで行って
  いるのをみると、喜んで走り始めた。

  こわくないんだろうか?高所恐怖症のぼくは下の見える場所を通るなど
  到底不可能なのだ。
  (結局あとで梁に沿ってそろそろと通ることはやってみた 

   

  1フロア上にあがって、RinNonに声をかけると、真下が見えるガラスの上で
  こっちにポーズをとってくれた。元気な2人は、空に浮かぶようにひょい 
  と立ってこっちに笑顔をむけていた。

                 

  さあ、ここから少し外にでて、屋上に出る階段を探そう。。。

            


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