
本日は夜勤です。システムの切替が始まり、監視役。なにかあったときの
ときの判断とか、他の部署からの連携とか。そういったことです。
そもそもの切替は、専門でやっているメンバーがいてばっちり…のはず

じつは…こう見えて夜勤は初めてなのだ。もちろん徹夜で作業というのや
深夜までの残業というのはあったけど、夜勤として夕方出社の本格的なのは
初めてです。
自分でも似合わないなあとか思いながら…晩に食べるドーナツなんかを
買いこんで…いざはじまり。


実際には何も発生しないのが、よいことで。細かいことはいくつかあった
ものの、とくに騒ぎのない夜でした。
眠くて眠くてという時間帯を越えるとあとはなんとか。資料作成、関係者
への案内送付も問題なく。
いよいよ本番なのですがユーザとの直接対話が担当だったぼくには、こういう
始まりはまだ開始なんだという気分ではなくて、少々静かすぎるなあ。
不謹慎ですね



読んでいた本は、島本理生の新作「君が降る日」。短編集なのであまり
期待するには酷かなと思ったり、テーマが初めて人の死を扱うものであって
うまく暗くなったりお涙ちょうだいのケータイ小説風になんかならないでねと
いう心配をよそに、まずまずの読み応えでした。

綿矢りさ、金原ひとみ。同年代の女性作家が派手に直木賞を受賞した中で
この人はまだ未受賞。そっと静かに結婚してたり活動が地味なんだけど、
その後の活動が地味な2人に比べて着実に売れてきてる。
「ナラタージュ」「クローバー」は傑作だと思う。悲しい恋のそのあとの話とか
うまくいった恋の話を両方かき分ける文章力ってなかなかあるものではないし
いつもあとがきで
「それではまた次の作品でお会いしましょう」
と結ぶのもさりげなくってかっこいい。
もっと評価されてしかるべき小説家さんなのだ。

表題作は、帯にもあるとおり事故死した恋人と車に同乗していた友人と
残された彼女の話。どこにもいけない閉塞感を、ようやく乗り越える先には
悲しい事実もあって…
二作目はサイモン&ガーファンクルの曲がタイトルの「冬の散歩道」。
彼氏に唐突に別れられた彼女が、英会話スクールの生徒仲間の高校生の
男の子に救われていく話。
三作目がいちばんよかった。
高校の友人であるちっちゃな男の子とそのお兄さんと仲良くなる女の子。
女の子の目からみた話なんだけど、実はそのちっちゃな男の子のかなしい
恋のお話だったということで…
ようは「表面はサバサバしてるけど、じつはうじうじしている男の子」の作品
がどうしても面白いと思ってしまうのは自分の性格の投影なんでしょうね。
42歳にもなってうじうじかいなと思うのだけど。

一緒に徹夜していた同僚が「何読んでるんですか?」と寄ってきて
「え?いまどき恋愛小説ですか?」と笑うので
「そうだよ。恋愛しない人生なんて楽しくないものね」
恋愛で表現される心の動きが人生の縮図なんだって信じてるからこそ
小説を書くって難しい。
ビジネス書を読んでほおーって思う人間は、ビジネスにむいてないって
エンゼルバンクでも言ってるよ。

そう言いたかったけど、眠かったのでそこまで言わずに
そっと離れて仕事に戻ったのでした。


夜勤一日目終了。

はいはい。ちゃんと仕事してますよ