山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

草マルチの効果

2023-03-09 | 農業
 自然農において草マルチは作付け作物以外の草々(一般な呼称として雑草)の成長を抑える手段としてよく用いられます。刈った草を作物の株元に置くことで、作物周辺の草々に当たる日光を遮ることにより植物の成長を抑制します。また、土壌の乾燥も防止できますし、草々の腐植によって土壌有機物となり土壌を豊かにします。
 除草というと一般には草を根っこから抜き取り、その場から除くことを指しているのではないかと思います。何故に根から抜いてしまうかというと根が残っているとまた直ぐに生えてくるからと言われます。何故にその場から除くかというと折角抜いた草が再生してしまうからだと言われます。
 しかし、よく考えてみてください。植物の成長は成長点において営まれております。成長点の存在する場所は植物によって異なります。多くの植物は根や茎の先端部分にありますが、イネ科の植物のように株元の近くにあるものもあります。先端付近に成長点があるものは茎の先端部分を除けば成長が止まります。株元に成長点があるものはこれでは抑制できません。しかし、日光が当たらなければ植物の成長を抑制できますから、刈取った草を他所に移さずその場に横たえ抑制対象を覆ってやれば良いのです。そうすることによって草々の成長を抑制することが出来るのです。いわゆる「高刈り」はそのような理屈に基づくものです。草刈り機などで株元で刈り払いを行うとイネ科優勢になってしまいます。それを防止するのが高刈りと言われる草刈り法です。
 それから根っこから抜いてしまうと土壌中の草々の種子の発芽条件(水、酸素、適温)を満たしやすくしてしまうことにもなりかねません。土壌深くに長年発芽せずに埋もれたままになっていた種子が草を抜くことにより、地表付近に移動し発芽条件を満たせば発芽します。草取りをした後一斉に草が芽吹くというのは良くあることです。しかし、例え根っこから抜いたとしても草マルチがしてあれば成長が抑制されます。

 しかし、実際には草マルチだけでは成長力旺盛な草々を完全に抑制することはできません。しかしながら、草マルチを施すことによって除草作業を軽減することは可能です。

 次の画像は前に草マルチを施しておいたものです。その場で刈った草だけでマルチしましたので、冬の時期ですからこの程度で済んでおりますが草の量が足りず光が漏れた部分の草が成長しております。しかし、草の量が十分な所では抑制出来ております。



 次の画像は、作物周辺の草を刈ったものを横たえた上に、他所で刈取った草も加えて横たえました。



 次の画像は、草マルチから5日ほど経過したものです。草マルチの隙間からもう草が伸びてきております。もう少し草の量を増やしてやる必要があるようです。



 さて、このところ気温が上昇してきました。草々も一気に成長することでしょう。この草マルチ効果の行方はどうなることでしょうか。順次その後の様子をご報告予定です。




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