山浦清美のお気楽トーク

省エネ、農業、飛行機、ボウリングのことなどテーマ限定なしのお気楽トークができればと思っております。

「天災から日本史を読みなおす」

2019-01-19 | 本と雑誌
 今年の漢字にも「災」が選ばれたように、昨年(1918年)は多くの自然災害にみまわれました。マスコミではこのような自然災害が発生すると地球温暖化の影響ではないかと喧伝しております。あるいは千年に一度の大災害だからとか、想定外の事象が発生したのだとかいって人知の及ばないことが発生したということにして納得しようとします。

 著者は貞観地震の古文書を読み解き警鐘を鳴らしておりました。また、古文書以外にも地形や地質を調査すれば、災害の予想すら可能です。自治体レベルでは防災マップを公表しておりますので、自分が生活している場所の潜在的危険性を知ることができます。
 しかしながら、これらの情報を受け取る側の自分自身には降りかかってくることはないであろうといった「根拠に基づかない漠然とした安心感」があり、防災に対する積極的な準備を怠ってしまうことになっております。

 もちろん、予想を遥かに越えた自然災害が発生することもあろかと思いますが、予め想定してそれに備えておくことにより、被害を低減させることができるのではないかと考えます。

 そういった意味において、本書が果たす役割は大なるものがあると思います。

 磯田道史著「天災から日本史を読みなおす~先人に学ぶ防災」中公新書