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『呂氏春秋』巻第六季夏紀

2017-07-04 10:10:40 | 四書解読
巻第六 季夏紀

一 季夏

一に曰く。季夏の月。日は柳に在り、昏に心中し、旦に奎中す。其の日は丙丁、其の帝は炎帝、其の神は祝融、其の蟲は羽、其の音は徵、律は林鐘に中る。其の數は七、其の味は苦、其の臭は焦。其の祀は竈、祭るには肺を先にす。涼風始めて至り、蟋蟀(シツ・シュツ、こおろぎ)、宇(軒下)に居り、鷹乃ち學習し、腐草、化して蚈と為る(高注:「蚈」(ケン)は馬蚿なり。馬蚿とは、節足動物の総称であるヤスデのこと)。天子、明堂の右个に居り、朱輅に乘り、赤騮を駕し、赤旂を載て、朱衣を衣、赤玉を服び、菽と鶏とを食らう。其の器は高にして以て觕なり。是の月や、漁師をして蛟を伐ち鼉を取り(「漁師」は漁を掌る役人、「蛟」はさめ、「鼉」(タ)はワニ)、龜を升(すすめる)め黿(ゲン、あおうみがめ)を取らしむ。乃ち虞人に命じて材葦を入れしむ。是の月や、四監大夫をして百縣の秩芻を合わせ(高注:周、天子の畿内の方千里を制して、分かちて百縣と為し、縣に四郡有り、郡に鄙有り、四監は四郡の大夫なり、「秩」は常なり。「秩芻」は平時に貢納する牧草)、以て犧牲を養わしむ。民をして咸其の力を出ださせること無からしめ、以て皇天上帝・名山大川・四方の神に供し、以て宗廟社稷の靈を祀り、民の為に福を祈る。是の月や、婦官に命じて采を染めしむ。黼黻文章(高注:白と黒とを之れ黼と曰い、黒と青とを之れ黻と曰い、青と赤とを之れ「文」と曰い、赤と白とを之れ章と曰う)、必ず法故を以てして、差忒或る無く、黑黃蒼赤、質良ならざること莫く、敢て偽詐すること勿らしむ。以て郊廟祭祀の服に給し、以て旗章を為り、以て貴賤等級の度を別つ。是の月や、樹木方に盛んなれば、乃ち虞人に命じて山に入り木を行り、斬伐すること或る無からしむ。以て土功を興す可からず、以て諸侯を合す可からず、以て兵を起こし衆を動かす可からず。大事を舉げて、以て気を搖蕩すること無かれ。令を發して時を干し、以て神農(農作業)の事を妨ぐること無かれ。水潦(雨水)盛昌なれば、神農(農事を掌る官)に命じて、將(「以」の義に読む)て功(治水整備の工事)を巡らしむ。大事を舉ぐれば、則ち天殃有り。是の月や、土潤い溽暑(むし暑いこと)にして、大雨時に行わる。薙(テイ、刈り取った草)を燒き水を行る。以て草を殺すに利(「宜」の義に読む)しく、熱湯を以てするが如く、以て田疇を糞(つちかう)う可く、以て土疆を美くす可し。是の令を行えば(高注:「行之是令」は「行是令」なり)、是の月、甘雨三たび至る。三旬は二日なり。季夏に春の令を行えば、則ち穀實解落し、國に風欬(フウ・ガイ、咳きの出る病気)多く、人乃ち遷徙す。秋の令を行えば、則ち丘隰(丘と低地)に水潦あり、禾稼(穀物)熟さず、乃ち女災多し(高注:「女災」は子を生むも、育たず)。冬の令を行えば、則ち寒氣時ならず、鷹隼早く鷙(とらえる)え、四鄙入りて保ず。中央は土なり(四季を五行説に当てはめると、一つ足りないので、季夏の後ろに中央を置いて、五行に合わせた)。其の日は戊己、其の帝は黃帝、其の神は后土、其の蟲は倮(羽毛鱗介のないもの)、其の音は宮、律は黃鐘の宮に中る。其の數は五、其の味は甘、其の臭は香、其の祀は中霤(「霤」(リュウ)はあまだれ、穴居時代、部屋の中央の屋根は明り取りの為開いており、雨漏りがした。そのことから部屋の中央を中霤と言うようになった)、祭るには心を先にす。天子は太廟の太室に居り、大輅に乘り、黃駵を駕し、黃旂を載て、黃衣を衣、黃玉を服び、稷と牛とを食らう。其の器は圜にして以て揜なり(畢沅云う、月令は「圜以閎」に作る。「閎」の義はは広い、円くて広い器のこと)。

二 音律
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