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『中庸』第四節

2013-10-14 09:54:27 | 漢文
                 第四節

孔子が言われた、「人々は皆な自ら『自分には知が有る』と言うが、これが追い立てられて、網や檻や落とし穴等の仕掛けに駆り立てられると、それを避けることを知らない。人は皆な、『我には知が有り、中庸を選択している。』と言うが、一ヶ月も守ることができないのである。

子曰、人皆曰予知、驅而納諸罟擭陷阱之中、而莫之知辟也。人皆曰予知、擇乎中庸、而不能期月守也。

子曰く、「人は皆な、『予れは知あり。』と曰うも、驅りて諸を罟擭陷阱(コ・カク・カン・セイ)の中に納れて、之を辟くるを知る莫きなり。人は皆な、『予は知あり、中庸を擇ぶ。』と曰うも、期月も守る能わざるなり。」

<語釈>
○「罟擭陷阱」、「罟」は網、「擭」は獣を捕らえる檻の仕掛け、「陷阱」は落とし穴。○「期月」、まる一ヶ月

<解説>
この節もほぼ鄭注に従って、解釈した。鄭注曰く、「予は我なり。凡そ人は自ら知有りと謂うも、人之をして罟に入れしめば、辟くるを知らず、自ら中庸を擇ぶと謂うも、之を為すも亦た久しく行うこと能わざるを言う。其れ實に愚にして恒無きを言う。」中庸の道を知ることはそれほど難しくは無い。しかしながらそれを久しく守り行うことは難しい。知者は之に過ぎ、不肖者は及ばない。過不及なく、己を知り、中庸の道を長く行うことができる者が真の知者である。