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『論語』為政第二 32,33,34章

2020-10-15 12:21:34 | 漢文
32
孔子言う。聖人の道から外れた学問を学ぶことは、学問の目的である人物修養に害を及ぼすだけであり、戒めるべきことである。

子曰、攻乎異端、斯害也已。

子曰く、「異端を攻むるは、斯れ害あるのみ。」

<語釈>
○「攻」、集解:何晏曰く、「攻」は、治むるなり。○「異端」、朱注:范氏曰く、異端は聖人の道に非ずして、別れて一端を為す、楊墨の如き、是れなり。

<解説>
この章だけを読めば、孔子は異端の学問を学ぶことを排斥しているようであるが、孔子の人格からしてそのような狭いことを言っているのではないと思う。恐らく聖人の道を学びもしないうちに、異端の学問を学ぶことの危険性について述べているのだと思う。

33
孔子言う、由よ、お前に知ると言うことを教えようか。自分の知っていることは知っているとし、知らないことは知らないとはっきり自覚することだ。これが真に知ると言うことだ。

子曰、由、誨女知之乎。知之為知之、不知為不知。是知也。

子曰く、「由、女に之を知るを誨えんか。之を知るを之を知ると為し、知らざるを知らずと為す。是れ知るなり。」

<語釈>
○「由」、孔子の弟子、姓は仲、名は由、字は子路。

<解説>
子路は孔子の弟子の中でも一番の武勇の士である。『史記』の仲尼列伝に、子路について、勇力を好み、志は伉直(剛直で妥協しない)なり、と記されており、衛の乱により自刃している。孔子は子路の身の上を心配して、分別をわきまえて行動することを望んで、このような事を言ったのであろう。

34

弟子の子張が仕えて俸禄を求めるにはどうしたらよいかを尋ねた。孔子は言った、「多くの事を聞いて、その中から疑わしいものを取り除き、その残りの確かな事を慎重に述べるようにすれば、人から咎められることは少ないし、多くのものを見て、その中から不安に感じるものを取り除き、その残りの安全な事を慎重に行えば後悔することは少ない。言葉は人から咎められることが少なく、行いは自ら後悔することが少なければ、必ず人から信用されて用いられるので、俸禄は自然とついてくるものだ。」

子張學干祿。子曰、多聞闕疑、慎言其餘、則寡尤。多見闕殆、慎行其餘、則寡悔。言寡尤、行寡悔、祿在其中矣。

子張、祿を干むることを學ぶ。子曰く、「多く聞きて疑わしきを闕き、慎みて其の餘を言えば、則ち尤寡し。多く見て殆きを闕き、慎みて其の餘を行えば、則ち悔寡し。言に尤寡く、行いに悔寡ければ、祿は其の中に在り。」

<語釈>
○「子張」、孔子の弟子、姓は顓孫、名は師、字は子張。○「學」、『史記』の仲尼列伝に、子張、禄を干(もとめる)むるを問う、とあることから、「學」は「問」の義に解す。○「殆」、朱注:「殆」とは、未だ安ぜざる所。不安の意。

<解説>
修飾活動は知識や技術を身につけるのではなく、言行を正しく慎重にすることであると述べている。これは現在の就職活動にも言えることであろうか。これが全てだとは言えないかもしれないが、大切な事であることは間違いない。

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