眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

おしゃれ棋士

2017-10-20 06:07:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
迷ってパー
カーを羽織った
不確かな
詩集を抱いた
棋士の決断


摩訶不思議(折句)
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エゴ拡張ブルゾン

2017-10-19 23:42:28 | 短歌/折句/あいうえお作文
エゴの身に
恋をつければ
まごころの
服をまとった
旅人になる


エゴマ豚(折句)
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まだ答えられない

2017-10-19 04:13:14 | 短歌/折句/あいうえお作文
AIが
問いかけている
死と生が
繰り返される
最果ての場所


江戸仕草(折句)
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風のストレッチ

2017-10-18 19:49:23 | 短歌/折句/あいうえお作文
秋深き
県道を行く
突風が
裏返らせた
古い雨傘


揚げ豆腐(折句)
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天気については考えない

2017-10-18 05:54:33 | 短歌/折句/あいうえお作文
夢多き
昨日集めて
飛翔する
夜明けの誓い
雨天決行


ユキヒョウ(折句)
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決して振り返ってはならない

2017-10-18 03:43:19 | 短歌/折句/あいうえお作文
沼地から
冷気が君を
追ってくる
「ちょっとお宅の
ハンカチじゃない」


濡れ落ち葉(折句)
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絶対に見てはいけない

2017-10-18 03:09:27 | 短歌/折句/あいうえお作文
8月の
井戸を覗けば
怨霊が
マクベスとカラ
スを抱いている


バイオマス(折句)
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わたがしのつかまえ方

2017-10-18 02:19:54 | 短歌/折句/あいうえお作文
わたがしは
たわしでないし
詩じゃないし
ふわふわ風を
練ったもんだよ


渡し船(折句)
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ここだけにいない

2017-10-18 02:01:01 | 気ままなキーボード
言葉は君の胸の中をさまよっていた。声にしてしまえば、形をつけて外に吐き出すことは、その気があれば容易だった。誰かを傷つけてしまうほどの、一瞬の光を持って放ってしまえば、楽になれただろう。君は少しも吐き出そうとはしなかった。ありもしない出口を探して何度も胸の中を巡った後、肩から腕、腕から手首まで下りていく。手の甲から指先を伝わって、ゆっくりと未知の世界へ放出されていく。「その方が遠くまで行けるから」幼い日よりの経験が、いつも回り道を選択させる。苦くても、時間はかかっても、君にはずっと行きたい場所があった。
 それは不意に君を落とした。
 少し前まで冗談だった、友人だった、穏やかな道だった。突然、深い溝が生まれたように見える。本当は何もない平地だったとしても、一度見えてしまうと信じることは難しい。溝の中に心が落ちる。一度、落ちてしまうと疑うことは難しい。続いて落ちる。落ちるべき場所があるように、続いて落ちる。落ちて、落ちて、落ち続けて、とめどなく落ち続けていく。君以外の人々が、平気な顔をして通り過ぎていく。笑顔さえ浮かべる人もいる。自分だけが、特別におかしな存在であるように思え始める。尋常でなく、人並みから逸脱した何か。(まだ人だろうか)落ちるに従って、いつまでが人であろうかと君は考える。
 それは不意に君を助けた。棘だったものが毛布に変わった。悪魔に見えていたものが子犬になった。果てしない暗黒だったものが、街の空となって両手の中に収まりそうになった。同じ顔をしながら、相反する二つの面を持ち、可能にも不可能にもみえ、幸福にも不幸にも思えた。落ちていく中で、突如持ち上げられる。上昇していく中で、急激に落ちた。天使は扉が閉まる瞬間、地獄のような表情になった。(天使と悪魔が手を取って君を引き裂こうとしていた)それは心の波だった。「馬鹿じゃないの」誰かがまた君を責めている。動くことを許されない場所でいつの間に標的になったのだろう。「何の役にも立たない」あるいは君に似た者に対してやむことのない声は、大勢を占めるコーラス隊に押されて歯止めもない。「いなくても一緒」その場にいるだけで君は自分を失っていく。君たらしめていたものが一つ一つ差し引かれて、引き千切られていく。「頭おかしいんじゃないの」その場に留まっているというだけで、君は自身を失っていく。失われた君も君に含まれた君の一部であるかもしれないが、君は失われることを恐れながら、必死で君自身にしがみつく方法を模索している。もう一つの君を何より恐れているのが、君自身であるということを誰よりも君はよく知っている。
 窓の外に視線を逃がす。ここではないところに、心を少し逃がしてあげる。ささやかな距離にささやかな他者。それからもっと遠くへ、徐々に自分を運んでいけるように努める。おかしな雑音に心を閉ざして、好きだった歌に、熱いオニオンリングに、弾むボールに、強情な子犬に、夕日に、雪に、ガジェットに、トンネルに、コーヒーに、思いをはせる。はせるに従って「今」は色あせていく。言葉にせよ、記憶にせよ、風景にせよ、絵にせよ、楽曲にせよ、雨にせよ、恋にせよ、故郷にせよ、はせればはせるほどに今よりも遠いところへ向かうことができた。ここにいるものみんなが仮死化している間に、ここにはないものばかりが向こうの世界からあふれ出していく。君は細いトンネルを抜けて、強情な犬をしつける。お湯を注いで3分待つ。はせるほどに空腹になる。現れるのは白い息。スープは完成しない。カップはどこへ行っただろう。さっきまで触れていたのは……。脇見をさせる光。吸い込まれていく、秋と新しい生地の匂い。寝静まった森のような調和の中に迷い込んで、触れる。指先が繊細な生地を知る。大丈夫。触れている限り、大丈夫。魅惑的なデザインに吸い寄せられて、伸びた指の先で、何かが動く。百年もの間、いつかの訪問者を待ち続けていた食虫植物のように。「ひっ」。おばあさんは奇妙な声を発した。飾られた洋服の中に、おばあさんは穏やかに溶け込んでいた。他人の肩に触れてしまうなんて。「色違いはないのかな」つまらない言い訳を置いて、君は逃げていく。逃げている内に細くひねくれた観念の迷路の中に迷い込む。抜け出せない迷路の中で、君は密かにほくそ笑んでもいる。迷っているのは途中だから。(生きている)迷いを資質に置き換えて、停滞は進行中だ。どこにでも行ける。(今に目を伏せれば)ドキュメントは素敵な色だけに塗り替えることができる。よかったことだけを取り出して、闇の中で再生して、しばらくの間ループさせていた。未体験の未来もまた、美しい景色ばかりに展開させることができた。思いのままに、思う限りは、君は好きなところに身を置くことができた。窓の向こうを魚たちが遊泳していく。竜の叫び。耳に手を当てて、退屈な大通りを逃れると顔のない人たち。列を成し、立ち尽くしたまま、泥棒になり、海賊になり、大工になり、芸人になり、猫になり、馬鹿になり、先生になり、逃亡者になり、役者になり、画家になり……。行間深く埋もれながら、自身を失っていく。(自分を消しにきた奴ばかり)交じりたくはない。
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揚一番と地球生命

2017-10-17 23:06:27 | 短歌/折句/あいうえお作文
挨拶に
毛先を撫でる
生きてはる
小さく生きて
はんのねあんた


揚一番(折句)
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負けないで

2017-10-17 03:40:31 | 短歌/折句/あいうえお作文
ヤドカリは
霧雨の中
とことこと
ウール素材の
フードをつけて


焼き豆腐(折句)
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死んでも忘れない

2017-10-16 21:57:39 | 気ままなキーボード
納豆をパックから開け器に移して、付属のからしとたれを入れる。それにしても疑問が湧いてくる。どうして納豆には最初から一緒にからしがついてくるのだろう。ネットを頼ればいつでも親切な扉は開かれている。けれども、既に納豆を混ぜ始めていた。一旦混ぜ出したらもう手を止めることは許されない。そんなことをしたらみんなきれいさっぱり忘れてしまうかもしれない。最初に湧いた疑問は何だったのか。今から食べなければならないご飯のこと。今日まで生きてこの場所にたどり着いたことの意味。手を止めればみんな吹き飛んでしまう恐れがあった。おでんの大根を食べるなら、からしはなくてはならない。納豆にからしがある場合とない場合とではどれくらいの差が生じるのだろう。休むことなく混ぜるほどにねばりが増してくる。ねちゃりねちゃり、その内に器の中から何かが生まれてきそうな気配があった。それにしても……。
 どうしてあいつはあんな酷いこと言ってくるのか。最も酷い時には「死ね」などと書かれたメッセージを机の上に見つけることができた。嫌いと言うなら、どうして何も触れずに放っておいてくれなかったのか。それならどれだけ幸せな時間を送ることができたか。長い時間。どうして存在を根底から否定するような真似をしたのだろう。
どうして、どうして、どうして……
 憎しみの源はどこに眠っているのだろう。それはいつどこで生まれたのだろう。あるいは、本当に憎しみなんてあったのだろうか。必然性のない矛先がこちら側に向いていたとしたらどうなんだ。ぶれずに混ぜているはずなのにいつしか疑問の方向が歪んでいく。答えのない方に掘り下げていくことが自らの望みなのか。どうして人は繰り返すのでしょう。どうして、どうして、どうして……。嫌いなもののことを考えることは苦しいだろうに。眠くなる。時計回りに高速で回る箸の運動を見つめている内に、徐々に睡魔に引き込まれてしまいそうになる。食か、眠りか、どちらが最初か、今はそのどちらが自分にとって本当に必要なものなのか……。香る。
 そうだ。からしの問題だ。今、大切なのは唯一からしのことだ。ほのかに香りながら、豆に色をつけて練り込まれていく。どこまで行けば混ぜるという作業は終わりを迎えることができるのだろう。
「犬だったらどうなんだ?」
 泡立った豆が出し抜けに口を開いた。犬だと?
「それは困るよ」
 そんなのおかしいじゃないか。納豆に犬がついてくるなんて……。
「そうやろうが」
 勝ち誇ったように豆は言った。
 もういいや。今はむしろトンカツの方が食べたくなった。
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とんちなんて出てこない

2017-10-16 18:01:59 | 短歌/折句/あいうえお作文
馬よりも
高いとこから
言うものだ
屏風の中の
虎を出せとは


うたいびと(折句)
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ため息パワー

2017-10-15 23:54:18 | 短歌/折句/あいうえお作文
牛めいた
ため息だけで
一帯の
ビートを止める
とかくこの世は


うたいびと(折句)
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いつも笑っていられるか

2017-10-15 02:34:49 | 短歌/折句/あいうえお作文
奴こそが
金太郎なの
どこででも
裏表ない
不敵な面の


(折句)焼き豆腐
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