長い間、僕たちは何もすることができなかった。相手の戦術が優れていたという面は否定できない。だが、本質はもっと内に潜んでいる。
「長いようで短かった90分」
「きりんの首」
「象さんの鼻」
「夏休み」
「先輩のお説教」
「12月」
「午前1時の待機」
自分の居場所によってすべては伸び縮みする。長い短いと言ったところでみんな一時の感情にすぎないじゃないか。
「長いようで短かった90分」
「時間があっても点は入らない」
「そうだ。時間なんて関係ないんだ」
「俺たちのスキルだろ」
問題は僕らの中にある。
主審が目の色を変えながらアディショナル・タイムを教えてくれた。
「君たちの時間はあと5分だよ」
それはたったの5分だろうか。
何もできない短すぎる時間だろうか。
いや、そうではない!
ここにあるのはできないという不安、思い込み、後悔、負い目、自責の念、あきらめの誘惑……。
できないのではない。できないという先入観から抜け出すことができないだけだ。
チャントが『蛍の光』に変わった。あわてることはない。
僕らはフォーメーションを背水の陣に切り替えた。
「長い眠りのようだった90分」
今までの時間は長いふりに過ぎなかった。
本当の幸運/ゴールは、ほんの一瞬の中に生まれるものだ。
一瞬の裏にはどれだけの時間が隠されているだろう。
僕らは多くのことに耐えてきた。
すべてはこれから巡り会う幸運と喜びのために。
「さあ、チャンスは今だ!」
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