眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

レインコート

2020-04-20 08:05:00 | 短い話、短い歌
 旅のはじまりと終わりに僕はあふれだした。扉が開いて迎えるのは雨。強く優しい打ち消し線よ。傘よりも大きく僕のかなしみを覆ってくれ。叩きつける激しさで、僕の嗚咽をかき消して。横殴りの態度で僕の泣き顔を上書きして。僕はもう止まらないよ。「大丈夫。復活できる」おせっかいな雨よ。語りまでつけて雨は何度も再生する。「私は知ってるんだ」抑揚ある雨よ。いつまでも僕に注げ。「いいよ。もっと泣いて」


もてなしの雨に打たれて行く内に
ゾンビに触れる歌のはじまり

(折句「モアイ像」短歌)


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