ポメラと俺との間に
祭りという邪魔が入る
「君しかいないんだって」
祭りの甘い言葉につり出されて
俺は御輿を担ぐ
舞を踊る
歌を歌い 酒におぼれる
金魚をすくい
綿菓子を潜り
焼き鳥を食らい
リンゴ飴を回し
風船を飛ばして帰ってくる
「待たせたね」
行くあてのないモチーフを
渋滞させながら
ディープスリープの中のポメラ
俺はゆっくりと指先を合わせる
またプロローグから始めなくちゃ
ポメラと俺の間に
年の瀬という邪魔が入る
「今しかないんだって」
年の瀬の強い言葉に抗えずに
俺は炬燵を上げる
窓を開け掃除機をかけ
落ち葉を集め お菓子を集め
トナカイをつれ お菓子をまいて
チキンを食らい 蕎麦を啜り
行列に並び
密を抜けて鐘を鳴らし
大吉を引き当て
小枝に預け
餅を食って帰ってくる
「ごめんね」
放置している間に
顔色を変えてしまったポメラ
すっかり詩を忘れたように
カーソルを瞬かせている
ポメラと俺の間に
友人という邪魔が入る
「どうせ暇なんだろう」
言葉を知らない
友人をしばいて
俺はポメラの元へ帰ってくる
ごめん
「もうどこにも行かないよ」
君とだけ一緒に行くよ
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