眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

クリスマスマホ

2013-12-24 22:12:31 | クリスマスの折句
 先日、UFOの目撃情報を追って道を歩いておりますと河童が回覧を手渡しながら、読んだらすぐにサインをするようにと言いました。私は適当に目を通し、河童から受け取ったボールペンでサインをしようとするとインクが出ません。先端の芯が出ていないのでした。カチカチとやって出るはずの芯が、上手くカチカチとならず出てこないので、サインをすることも次の人に回覧を回すこともできませんでした。どこか秘密の場所にスイッチがあるのかもしれない、押すのではなく回すのかもしれない、ありとあらゆる方法を考えてみたけれど、そんなものはどこにも見当たりませんでした。道行く人にアンケートを取ってみたところ、やはり9割以上の人がペンが壊れているという結論を出したのでした。
 みんなの意見が落ち着いたところで安心していると、再びあの正直そうな河童の皿が脳裏に蘇ってきて、結論の再考を迫ったのでした。いや、違う。何かが間違っている。そもそも壊れたものが回ってくるはずがありません。私が間違っているのです。私の願望が、人々の誤った結論を誘導したに違いありません。原点に返った私はボールペンを握り直し、真実を知る人物が現れるまで、歩き続けることにしたのでした。
「こうすりゃいいじゃん」
 雪女は言いました。
 ようやく真実を手にした時、私はすっかり迷子になってしまい、頼りになるのは手の中に光る地図だけでした。少し行っては、地図を開き、方向を確認します。電池が切れてしまうことを心配しながら、私は慎重になって歩きました。小さな明かりに導かれていると、次のような歌が浮かんできました。それはクリスマスの折句でした。

くまさんは
両手でゴマを
すりながら
ママに内緒の
スマホをねだる

 歌の明かりに誘われた時、私は少しルートを誤りながらしあわせの中にいました。

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