眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

失われた居場所

2019-08-08 19:20:00 | 【創作note】
営業時間はおおよその目安と心得ておけ



さあランチを食べようと意気込んで
店の前まで来たけれど
いくら待っても開きはしない
僕は何度も時計を見る
とっくに11時を回っている
今か今かと待っている
人の気配が感じられない
物言わぬシャッターをずっと見ていた



深夜にお風呂屋さんに行った
まだ24時までには少し余裕があった
僕の他には誰もいなかった
湯船に浸かりそろそろ出ようと思っていた
その時突然真っ暗になった
「すみませーん! まだいます!」
僕は声を上げて自分の存在を訴えた



「18時半までです」
18時くらいと思っていたので
30分がおまけのようでうれしかった
僕はゆっくりとpomeraに打ち込んだ
1時間ほどしてコーヒーもすっかり空になった
18時も回ったしそろそろ帰ろうかな

タグをつけたり上書き保存したりしていた
その時、店の女の人が何か言う声がした
「そろそろ店内を片づけたいのですが……」
「あー。はい」
……に言葉を埋めるなら
(出て行ってもらえる?)
僕は瞬時に自分の居場所を失ったことを悟った
やっぱりおまけだ
ついてないこともあるよね

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« メインイベント | トップ | カレンダーをめくれ »

コメントを投稿