雨音がみぞおちを打つ小説に
安らぎながらカップ焼きそば
(折句「あみじゃが」短歌)
わやわやと魂を揉む詩の上に
歩を並べ置くネイティブ・ナイト
(折句「渡し舟」短歌)
友情が気化した夜明け百億の
夜に熟した梅干しをくれ
(折句「ユキヒョウ」短歌)
宇宙史をタップでめくる井戸端に
ビート激しきトット漫才
(折句「うたいびと」短歌)
映像が奥へと続く街ぶらは
命を拾うあくなき旅路
(折句「エオマイア」短歌)
コーヒーもとうとう尽きたもう一杯
飲むほど富んだ人になりたい
(折句「こどもの日」短歌)
柿色のセロファンだけをタネにして
地球の芯を抜いたマジシャン
(折句「風立ちぬ」短歌)
うそめいて多弁になれた一局を
ひっくり返し弔う二人
(折句「うたいびと」短歌)
ソニックがコードをかけるカテゴリに
小説投げてコーナーキック
(折句「そこかしこ」短歌)
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