眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

おでんコンプライアンス

2019-03-12 22:00:12 | リトル・メルヘン
「今日こそはいい湯をもらおう」
 食パンの陰に隠れながら猫は誓う。
 竹輪、大根、玉子、こんにゃく、はんぺん。そして、いよいよ出番か。
「入ります!」
 流れに乗って猫は鍋の縁に手をかけた。
「君ちょっと!」
 店長が猫の手に待ったをかける。
「入れてくださーい」
「だめだめ。ここは君みたいなものの来るとこじゃない」
 さあ、帰った帰った。猫は門前払いだ。店長の見張りは手強い。今日は相手が悪かった。猫は時を改めて来店することに決めた。挑戦は終わらない。
「ありがとうございました」

 店長が帰った頃を見計らって、猫はまた足を運ぶ。
「今夜はいい湯をいただくぞ」
 食パンの陰に身を隠し猫は機会をうかがった。
 竹輪、玉子、じゃが芋、ゴボウ天、うどん、そして、いよいよ出番か。
「入ります!」
 流れに乗って猫は鍋の縁に手をかけた。
「ちょっとちょっと!」
 バイトのお兄さんがお咎めだ。二の腕の筋肉は半端ないぞ。店長でもあるまいに、邪魔立てするとはこしゃくな。猫は制止に負けなかった。
「入りまーす! 入りまーす!」
「だめだめ。君は違うでしょ」
 いったい何が違うのだろう。
 猫は耳たぶに隠し持った切り札の練り辛子を見せつけた。それが今夜は入湯許可証となるだろう。誰もそれには逆らえぬはず。
「じゃあ、入りまーす!」
「おーい! 待て!」
 またもや不条理な待ったがかかる。
「もう、なんなん」
 猫は流石にうねりを上げた。
「悪いがね、君。コンプライアンスだよ」
「ん? コンプライアンス?」
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改行パズル

2019-03-12 21:00:00 | 短歌/折句/あいうえお作文

改行がまちまちにする行き先を束ねるぐっと知恵の輪の愛

(折句「かまいたち」短歌)

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徐々に吐き捨てるように

2019-03-12 09:43:00 | 短歌/折句/あいうえお作文

鬼めいた文句をあびたテラスから投げる散文詩はノンシュガー

(折句「おもてなし」短歌)

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改行を止めないで

2019-03-12 03:33:00 | 短歌/折句/あいうえお作文

改行の渇きをかえりみずにして市場をしめるシャチになれるか

(折句「鏡石」短歌)

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