渡部昇一先生、石田二郎氏対談
「致知」より
石田
「確かに梅岩先生の学問は、大変独創的ですね。実は昔から日本に
ある心学と石門心学の違いを質問されましてね。私は渡部先生のよ
うに学問的な事は長い間分からなかったのです。けれども時間をか
けて調べているうちに、梅岩先生の学問が独特なので、従来の心学
と一緒になってはいけないという事で、以後「石門」を頭につけて
区別するようになった、というふうに記されているのを発見したん
です。
渡部
「石田の門下生ということですね。」
石田
「梅岩先生は、お弟子さんたちにも恵まれていたんです。中でもその
学問を体系づけたのは、やっぱり手島堵庵の力が大きいように思いま
す。」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/35/2500271a43b46e978314e4d18342340e.jpg)
渡部
「梅岩先生が塾を始められた頃は、ニュートンの晩年と同じくらいです。
ですからヨーロッパでは啓蒙思想が現れて、それまでの宗教をガチガチに
信奉する状態から離れようという機運があった頃だと思います。啓蒙思想が
日本においても、神道の教えを宗教の哲学とすれば、梅岩先生の学問は
良い意味での啓蒙思想といえます。石門心学は宗教を磨き草にするわけ
ですから、それまでの宗教とはまったく違うんですね。
私が先ほどから心学と申し上げているのは、石門心学のほうだとお考え
いただければと思います。」
石田
「確かにそれまでの神学とはまったく異なりますからね。」
「致知」より
石田
「確かに梅岩先生の学問は、大変独創的ですね。実は昔から日本に
ある心学と石門心学の違いを質問されましてね。私は渡部先生のよ
うに学問的な事は長い間分からなかったのです。けれども時間をか
けて調べているうちに、梅岩先生の学問が独特なので、従来の心学
と一緒になってはいけないという事で、以後「石門」を頭につけて
区別するようになった、というふうに記されているのを発見したん
です。
渡部
「石田の門下生ということですね。」
石田
「梅岩先生は、お弟子さんたちにも恵まれていたんです。中でもその
学問を体系づけたのは、やっぱり手島堵庵の力が大きいように思いま
す。」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/35/2500271a43b46e978314e4d18342340e.jpg)
渡部
「梅岩先生が塾を始められた頃は、ニュートンの晩年と同じくらいです。
ですからヨーロッパでは啓蒙思想が現れて、それまでの宗教をガチガチに
信奉する状態から離れようという機運があった頃だと思います。啓蒙思想が
日本においても、神道の教えを宗教の哲学とすれば、梅岩先生の学問は
良い意味での啓蒙思想といえます。石門心学は宗教を磨き草にするわけ
ですから、それまでの宗教とはまったく違うんですね。
私が先ほどから心学と申し上げているのは、石門心学のほうだとお考え
いただければと思います。」
石田
「確かにそれまでの神学とはまったく異なりますからね。」