三鷹天命反転住宅がどういう建物か再度確認しようと思いこの度、月間誌、“くろすとーく7“に提載されました記事をブログにて紹介いたします。
身体感覚を呼び覚ます住まい
荒川修作の「天命反転住宅」三鷹と調布市の境を走る東八道路沿い、赤、緑、黄色などの原色で彩られ、円柱型の建物に丸やら四角やらの出っ張りがある建物が建っている。これは何?幼稚園?アミューズメント施設?これはニューヨーク在住で世界的に有名な美術家である荒川修作と、パートナーで詩人大学教授であるマドリン・ギンズによって創られたマンション「三鷹天命反転ーイン・メモリー・オブ・へレン・ケラー」である。
・常識をくつがえすマンション
この建物は外観も眼を惹くが、中はもっと奇想天外である。入り口を一歩中へ入ると、丸いリビング(?)とそれに接続された各部屋が一望出来る。床は砂を固めたもので緩やかな傾斜を描いて中央にあるキッチンへとすり鉢状の坂になっている。このリビングの床には、平な場所はどこにもない。しかも表面がデコボコしている。各部屋(書斎、寝室、和室、トイレ&シャワー。和室のない一戸もある。)が収まっている。寝室以外の部屋は、扉や間仕切りのようなものは一切ない。「書斎」と呼ばれている部屋は、完全な球体で、床、壁、天井のさかいはない。中に入ると立っているのは不自然なので、どうしても座るか寝転がる事になる。天地の感覚が曖昧になるので、物思いに耽ったり、瞑想などをすると、独特の感覚が呼び覚まされそうな気がする。続く