「みんなに出番があって自分の意志で学園祭に参加して作り上げていこう」
という学園祭の実行委員長の呼びかけで今年の学園祭ははじまりました。
やりたい事だけではなく、学園祭の色々な仕事にも関わっていこうという意味がこめられた「志」を持とうという意味だったと理解しています。昨今の多くの中学、高校の学園生活は指導要録のカリュキラム変更や教える内容を増やすという流れの中でますます行事が減らされています。
学園祭のために準備の時間をとったり、後夜祭でねぶたや気球、花火があがる学校はまず、みられないでしょう。
1990年代に失業率が20%にもなり、経済的にも悪化したフィンランドは国をあげて教育改革を進め、現在では国が繁栄しただけではなく、子どもの学力 (経済協力開発機構000年、2003年実施)が世界一になった国として注目されています。
このときの教育改革を実行したのは若干29歳で教育大臣になったオッリペッカ・ヘイノネン氏です。彼は「子どもにとって学校はその子の人生のためにある」「問題意識を持ち、それを解決していく意志と力を育てていく事」が大切だと述べています。
行事を自ら企画し、仲間達と話し合って困難を乗り越えていくことは、これからの社会で生きていくうえで非常に大切な体験になるでしょう。学力を優先し、選抜クラス、特待生クラスと子どもを際限のない競争に追い込んでいく事は、お互いのユニークさに気がついたり、1つのものを共同してつくりあげていく前提を壊してしまうのではないかという危惧を感じます。
若者がお互いの良さをたたえ合い、行事を成功させようという多面的な「有志」の有り様が、1つの共同体験に結実していく姿に胸が熱くなりました。
しおちゃん