自由の森日記

埼玉県飯能市にある自由の森学園の日常を校長をはじめ教員たちが紹介

元少年兵に会ってきた報告会

2005年09月21日 | 自由の森のこんなこと
 先日のニュース23の特集で報道されたアフリカの少年兵に、この夏、NPOの支援をえて、高1の柴田圭が直接会いに行きました。番組では、自由の森の生徒たちとビデオレターの交換までが紹介されていましたが、その後、直接会う企画が進み、英語科の仲本さんとウガンダに行った報告会が持たれました。

相手の少年はチャールズ。誘拐され少年兵として訓練され、はじめに命じられたのは自分の母親を殺すことだったそうです。彼は殺すことはできずに、片手を切り落としたという想像を絶する体験を持っています。圭は彼を訪ね、日本からのお土産を渡し、一日彼と過ごします。
 「チャールズに会って、何て言っていいか迷っていた。でも、向うからよろしくって笑いかけながら握手を求めてきた」「足を悪くしているのに、笑いながらいっしょに坂を登ってくれる。通じ合えるものを感じた」「彼は元子ども兵として支援を受けながら学校に通っているが、いっしょに暮らしている家庭の子どもは学校にも行けず、辛い立場に立っている」「自分がプレゼントしたコマの別れる間際まで回そうとしてついに回せたときに自分のことのようにうれしかった」。通訳を介しながらも、心を通わせていったことが伝わります。

 彼はこれまで、戦争が人間を進歩させてきた、戦争はなくならないと常々考えていました。ウガンダに行くことで変わらなくっちゃという気持ちはあったけれども、変わらなかったらどうしようという気持ちもあったと言います。帰国して原爆のドラマを見たとき、これまでとは違う感情が噴き出しました。「アフリカで人の死に対する見方が変わった気がする。現実を見ていなかったのはむしろ自分だ。自分のなかの正義とか悪とかが崩れた」

 そして彼はこう結びました。「戦争によって人は進歩するのではなく、人が成長するのは人と関わることによってだと思う。今僕が思う平和とは必死に生きること」

おにざわ
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 人・森・地域 いきいきフォ... | トップ | ノートの作り方をどこで覚え... »
最新の画像もっと見る