自由の森日記

埼玉県飯能市にある自由の森学園の日常を校長をはじめ教員たちが紹介

久々に社会科の「授業」

2004年12月07日 | 自由の森のこんなこと
各学年とも補習授業が行われています。火曜日の放課後は学年会、僕は学年に属していないので、社会科の補習授業を担当することにしました。今日はその第一回目。


 社会科は年間の授業内容を不登校の生徒でも自宅学習できるように、サブテキストを作っています。そうはいっても自分一人で100ページものテキストを仕上げていくのは簡単なことではありません。補習の役割は、わからないことの質問を受けたり、ヒントを出しながら書き込みを進めたり、できればちょっとでも仲間と一緒に学ぶ楽しさを知ってもらいたい、そういう多目的な企画です。
 開始時点では2人、その後次々に増えていきます。

 「おじいちゃん(おばあちゃん)、イラク戦争のとき高校生だったんだよねえ。あの戦争はどうして始まったの?と60年後に孫から聞かれたら、何と答えますか?」
 「 ・・・・・・・ 」
 「おじいちゃんの時代はテレビや新聞あったんでしょ?」
 「大量破壊兵器があるからって言う理由から始まったはずだけど・・・・」
 「でも本当は石油が欲しかったからって聞いたよ」
 
 補習のテーマは日本の近現代、12月は15年戦争の内容です。今のやり取りはそのオープニング。15年戦争はどうして始められたのか、どのような戦争だったのかを学びます。戦争の経過をおさえ、元日本兵の手記を読んだりしました。放課後なのだけれど、いい緊張感です。いつの間にか開いていたはずの後ろのドアが閉められていました。

 「そういえば明日12月8日は何の日だか知ってる?」
 僕が一年間の中で必ず生徒に問いかける日です。8月15日、8月6日はよく知られていますが、この日はクラスで数人です。9月18日(15年戦争開始の日)に至ってはもちろん誰も知りません。
 「負けた(終わった)日も大事だけれど、始めた日も大事だよ」
 
 「太平洋戦争が始まった日でしょ、授業で聞いたもん。」

おにざわ
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