中学二年生の課外学習で都内にある都市ビルの地下二階にある野菜工場を見学しました。
ここは発光ダイオードなどの人工的な照明だけを使って野菜・稲などをつくっています。コンピューター制御による人工照明や室温調整などのハイテクを駆使し、無農薬のトマトやレタスを生産する完全制御型の植物工場でした。そこに美しく整然と展示されている野菜は「室内野菜」と呼ぶのも納得できました。
生徒達が森の時間で田植えをしてきたり、食堂の有機栽培されてたっぷり生きた土で育てられた「露地もの野菜」を食べています。この課外学習の前日に生産地を秘密にして、両者の「レタス」を生徒達にどちらがおいしいか、食べくらべてみた所、「露地もの野菜」に軍配があがりました。以下は課外学習後、「露地もの野菜」を支持する人たちと、「室内野菜」を支持する人たちと中間派の人たちが別れて話し合った内容の概略です。
・露地もの野菜派」の人たちの意見
「農業は自然と関わるべきで、土や太陽からエネルギーをもらって人間の身体ができている。安全だけれど虫くいがあってもいい。室内野菜は大量の電気を使っているので地球温暖化につながる。すべて味が同じの野菜のクローンをつくっていて食べられる薬を作っている気がした。」
・ 「室内野菜派」の人たちの意見
「ビルの地下を工場のように使えば効率的。農家の人にとっては労働がきつくなく、年配の人でもできる。室内野菜は虫もつかないし、無農薬で安全。天候にも左右されず、値段も変わらない。地下に米と野菜工場をつくり、地上の畑を森林地帯にしていけば、地球温暖化を防げる。」
・ 「中立派」の人たちの意見
「場合に応じて安いものを買えば良い。どちらの野菜もドレッシングをかければ味は一緒になるのでどちらでもいい。」
というものでした。どちらの立場に立っても地球温暖化を意識した発言がでたり、「室内野菜」はオートマ化すれば年配の人でもできるという発言が特徴的でした。この話し合いは重要な問題を提起しているので、今後の中学2年森の時間のテーマ「農と食」の展開が楽しみです。
モルゲン