「自分をつくる」とそれをうつす「鏡」。
そういう話をずいぶんしてきたと思う。
特に自分が発明した言葉ではないのだけれど、
これまでに語ってきた人の言葉を自分のなかに
温めてきている経験もあったり、何かの本に出会って
「あ!」ということもたくさんあったり。
言葉を蓄積するための器には、長い時間を経たせいか、
それなりにいろいろと溜まっている。
ついこの間の土曜日、中学校の卒業式があった。
不覚にもその週の頭にインフルエンザになり、
9日(水)の学習発表会は見ることすらできず。
3年間見続けてきた人たちの卒業に向けての
さまざまな「いい」空間を目の当たりにできないままの
卒業式だった。
本番は見逃したけれども、3月に入って特別時間割が
組まれた後にいろいろと見せてもらった。
中3の人たちの姿を散見することもわりとあった。
卒業式で話をしたことは、
これまでに話してきたことも含めて、いろいろ。
・ みんなの姿、いつもいつも気持ちよく感じています。
「みんなのことが、大好きです」と言ったら、
びっくりする男の子と目があって、私がドキドキしてしまった。
・ あちこちに自分の姿をうつす鏡があるといいね。
「嫌いなもの」にこそ、自分の姿がうつるから、
とかなんとか言っちゃったり。
・ 5年前のきのうのこと。
3月11日(金)は、今年も3月11日(金)だった。
ほんとうに途轍もない大きな被害をもたらした、震災。
あの日に中学1年生だった人たちが、ついこの間、
自由の森の高校を卒業していった。
「確かさ」が揺らいだ大震災だった。
ものの見えない時代に一緒に生きているのだなぁと思う。
そして、この人たちの確かめ方に、新しい確かさを感じています。
それはきっと、自由の森でずっと大切にしてきたことを、
再び確かめることのように思います。
卒業、おめでとう。
なかの。