自由の森日記

埼玉県飯能市にある自由の森学園の日常を校長をはじめ教員たちが紹介

中学校の卒業式

2016年03月15日 | 自由の森のこんなこと


「自分をつくる」とそれをうつす「鏡」。

そういう話をずいぶんしてきたと思う。
特に自分が発明した言葉ではないのだけれど、
これまでに語ってきた人の言葉を自分のなかに
温めてきている経験もあったり、何かの本に出会って
「あ!」ということもたくさんあったり。
言葉を蓄積するための器には、長い時間を経たせいか、
それなりにいろいろと溜まっている。

ついこの間の土曜日、中学校の卒業式があった。
不覚にもその週の頭にインフルエンザになり、
9日(水)の学習発表会は見ることすらできず。
3年間見続けてきた人たちの卒業に向けての
さまざまな「いい」空間を目の当たりにできないままの
卒業式だった。

本番は見逃したけれども、3月に入って特別時間割が
組まれた後にいろいろと見せてもらった。
中3の人たちの姿を散見することもわりとあった。

卒業式で話をしたことは、
これまでに話してきたことも含めて、いろいろ。

・ みんなの姿、いつもいつも気持ちよく感じています。
 「みんなのことが、大好きです」と言ったら、
  びっくりする男の子と目があって、私がドキドキしてしまった。

・ あちこちに自分の姿をうつす鏡があるといいね。
 「嫌いなもの」にこそ、自分の姿がうつるから、
  とかなんとか言っちゃったり。

・ 5年前のきのうのこと。
  3月11日(金)は、今年も3月11日(金)だった。
  ほんとうに途轍もない大きな被害をもたらした、震災。
  あの日に中学1年生だった人たちが、ついこの間、
  自由の森の高校を卒業していった。
  「確かさ」が揺らいだ大震災だった。

ものの見えない時代に一緒に生きているのだなぁと思う。
そして、この人たちの確かめ方に、新しい確かさを感じています。
それはきっと、自由の森でずっと大切にしてきたことを、
再び確かめることのように思います。

卒業、おめでとう。
なかの。

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