自由の森日記

埼玉県飯能市にある自由の森学園の日常を校長をはじめ教員たちが紹介

国際化って何?

2005年05月17日 | 自由の森のこんなこと
先日、自然・環境・地球市民という選択講座に卒業生が授業をしに来てくれました。彼女は現在四年生で昨年1年間ドイツのコンスタンツ大学に留学して様々な国の学生達と同居し、その時の体験について語ってくれました。専門は社会言語学で言語による人間社会の違いと文化の違いと共通点を研究しているそうです。

彼女は国際化とは「それぞれの国との国際化であること」や国際理解とは「それぞれの国に住んでいる人との人間関係を理解すること」と定義していました。簡単にいうと言葉だけの国際化というのは空しくて結局は違う国に住み、違う文化をもっている人たちとどう共通理解をつくりだしていけるかが大切だというお話でした。


自由の森にいる皆さんに一言という質問には、自分の事だけを考えていてはだめで、迷惑をかけていることを前提とした他者への理解や共感が大切ですと答えていました。

また、日独の生活の違いについての質問には、日本に帰国して感じたのは電車の中で眠っている人たちの多さ、毎日の日常に疲れている人たちの多さで、ドイツで電車の中で寝ているような人はいなくて、自分の自由な時間をどうわくわくするものにしていこうかと決めている人が多いと答えていました。生活のゆとりや時間をどう有意義にすごすかということにドイツの人たちは楽しみをみつけているそうです。

環境立国といわれているわりにはゴミの分別を安易に業者に、まかせているという短所も指摘し
ていました。卒業生の生の言葉ということもあっていい時間が過ごせた授業でした。

モルゲン

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ドイツの社会は高校生にどう映るのだろう

2005年05月17日 | 自由の森のこんなこと
 午後の選択授業、塩瀬さんが担当している地球市民講座に卒業生が来て話をすると聞いて、のぞいてみました。ドイツの大学で言語学を学んでいる2001年度卒業のAさんです。


 前半は今日本人が学んでいる英語はどこの英語かという問いから始まって、大学で学んでいることについて話します。講座の生徒たちも、「国際化」とはいったい誰がどうなることかとたずねられるとつまってしまいます。彼女は様々な大陸からやってきた、全く違う生活や文化を持った友人たちとの共同生活から、その違いを乗り越えて生活するすべを具体的に話していました。朝からご飯を炊くのを断念した話はナルホドと思わせました。彼女は語ります。「地球市民とは、自分のライフスタイルを選ぶ際に、誰かの犠牲の上に成り立つライフスタイルを選ばない人間のこと」。うむ、これはなかなか難しい。

 面白かったのは後半の話。質問に答える形で、ドイツの「豊かさ」についてこんな例を話してくれました。日本に帰ってきて違いに気づくのは電車内の風景だそうです。ドイツでは座れなかったことは一度もないだけでなく、電車内で寝ている人を見ないとのこと。ホンマカイナと思いますが、ほんとのことのようです。休暇や休日の過ごし方をポジティブにもっているという点でも日本人と違いがあるとも気づいたそうです。何で日本人はこんなに疲れているのでしょう。

 一方で、ユートピアのように語られがちなドイツの別の一面も語られます。ゴミを再資源化するための最終的な分別は主にトルコ人によって行われているとのこと。

 時間はあっという間に過ぎて、3時10分。とても丁寧に言葉を選びながら、生徒たちに語りかけるように話してくれたAさんも何年か前はこちらに座っていた生徒だったとは思えないぐらい、自信を持った学生に見えました。
 今年のドイツ研修旅行で、生徒たちはどんなことを見聞きしてくるのでしょう。

おにざわ

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