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第1,154話 腕組みをするときの心理とは

2023年02月15日 | 研修

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「たくさんの聴講者が腕組みをしていたので、話をしていてとても辛かった」

これは私の知り合いの研修講師が、先日ある企業で管理職を対象に対面で講演をしたときの、受講者の態度についての感想です。受講者は課長や部長を中心に70名ほどだったそうですが、およそ半分の人が腕組みをしていたり、少々ふんぞり返ったような姿勢で椅子に座っていたりしたため、警戒心や威圧感のようなものが感じられ、非常に話しづらかったとのことでした。

 人の話を聴いたり接したりする際に、このように腕組みをする人が少なからずいますが、皆さんはいかがでしょうか?

それでは腕組みをするのは、どういう心理状態のときなのでしょうか?様々な理由があるかと思いますが、まず考えられるのは相手を警戒しているときや拒絶したいとき、自分を強く見せたいときなどがあります。ほかにも、自分を強く見せたいということもあるかもしれません。中には腕組みが癖になっていて、無意識にしている人もいることでしょう。

日本では大手の企業に限らず、新興の企業であっても、また外国の企業であっても、年齢にかかわらず社長が腕組みをしている写真がホームページに使用されていることが少なくありません。これはまさに「自分を強く見せたい、自信があることを伝えたい、自分をアピールしたい」ことの現れなのだと思います。そして、私のこれまでの経験からすると、腕組みをする人はどちらかというと女性より男性に多いように感じています。

 このように、腕組みをする際の心理について私は以前から疑問に感じていましたので、先日臨床心理士として50年にわたり活躍されている知り合いにその点を尋ねてみました。それによると、腕組みをする人の心理には、ずばり相手への「防衛」があるとのことでした。防衛する気持ちが働く結果、自分を強く見せたいときや相手を拒絶したいときに腕組みをすることになるのだそうです。

 そう考えると、先述の知り合いが講演会の講師を担当した際に、多くの管理職が腕組みをしていたのは「自分を指名したりしないように」、「自分たちのような管理職という立場の人にわざわざこのような話を聴かせるなんて時間の無駄だ」というように、研修を少々ネガティブに捉える中で防衛本能が働いた結果なのかもしれません。

反対に、たとえば入社試験の面接に臨むときや営業パーソンが顧客と面談するようなときには、結果を得るためにも自ら積極的に取り組むことになりますので、腕組みをするようなことはまずないと思います。

研修に携わる者にとっては、いかにして「受講者が腕組みをしない」ような研修を行うことができるのかが、大きな課題と言えるのかもしれません。

たかが「腕組み」されど「腕組み」。腕組みをすることが多いなと思う人は、一度自分はどういうときに腕組みをするのか、そのときの自分の心理状態を探ってみていただきたいと思います。

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