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第1,153話 「どうする!」現状維持バイアスを克服するためには

2023年02月08日 | 仕事

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

ご存じのとおり、2023年のNHK大河ドラマは「どうする家康」です。徳川家康は江戸幕府を開いた初代将軍であり、どっしりと構えた威厳のあるイメージを持っている人が多いのではないかと思いますが、そのイメージからすると「どうする」は少々意外に思えるタイトルかもしれません。

これまで既に5回放映されていますが、そこに登場する家康はたびたび直面するピンチに頭を抱えて悩み、家中の者を頼ったり、挙句には逃げ出してしまうこともあったりと、どうにも頼りない存在であり、上記のような家康像とは大きく異なります。脚本家の古沢良太氏によると、頼りない家康から天下人へとどのように成長していくのか、そこがこのドラマの見所だそうです。

古今東西、人は生きていくうえで絶えず様々な局面に遭遇し、その都度判断や対応を迫られています。まさに「どうする」の連続なわけですが、そうしたときにどのように対応するのか、そこでその人の人間性や器の大きさが問われるわけです。

以前、ビジネスの世界で独立して仕事をし成功している人達に何か共通するものはあるかについて数人でディスカッションをしたことがあります。そのときに多くの人が言った一つに、「決断のスピードが速い、行動に移すのが早い」ということがありました。確かに私の周囲でも、多くの成功者は「先延ばしにする」ことがほとんどないように感じます。メールの返事一本にしても、クイックレスポンスです。

さて、誰もが知っているビジネスの成功者の一人に、ソフトバンクの孫正義氏がいます。私は以前、同社の社長室長として孫氏のもとで働いた経験を持つ三木雄信氏の講演を聞く機会がありましたが、「孫氏はとにかく意思決定や行動のスピードが速い」と話されていました。

もちろん、成功のためポイントとして「即」決断し行動に移すことはとても重要なことだと思いますが、しかし同時に、それは決して簡単なものではないはずです。成功に向け決断と行動の必要性はわかっていても、その前の情報収集だけで満足してしまって、結局その先にはつながらないということも少なくないわけで、かほどに迅速な決断と行動とは難しいものなのです。

さらに、私たちが意思決定を迫られる多くの事柄において、メリットと同時にデメリットも引き受けなければならないような状況が少なくないのではないかと思います。いわゆるトレードオフを迫られるわけですが、そうなるとますます決断は困難となり、わざわざデメリットを引き受けるよりは現状を維持したほうが良いという「現状維持バイアス」が働くケースが出てくるのです。 しかし、当然ながらこの現状維持バイアスが働いている限り状況は今とは大きく変わらず、大きな成功もおぼつかないということにもなってしまうのです。

それでは、私たちが「どうする」と決断を迫られた場合、先延ばしや現状維持バイアスを克服するためには、どうすればよいのでしょうか。あらゆる情報を得たうえで、それでもなお判断に迷ったときには、勇気をもってあえて変化を取るという選択も大切だと私は思うのです。現状維持より変化を選択することはリスクも想定され、大変なエネルギーがいることです。しかし敢えてそれをすることによって、「どうする家康」のように世界が広がっていくのではないでしょうか。

もちろん、これは大変に難しい問題で軽々にどちらと言えるものではありませんが、家康が数々の「どうする」においてどう決断し行動するのか。それを通じて成長していく姿を見られるとともに、何らかのヒントが得られることも楽しみにしています。

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