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オレンジジュース・テスト

2015年03月01日 | コンサルティング

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、オレンジジュース・テストは「コンサルタントの秘密」※という本に出てくるエピソードです。

あなたがホテルの宴会担当者だとします。700人が出席するという非常に大きな商談が来ました。そのとき顧客から「出席者700名の朝食会のために午前7時ちょうどに700杯の絞りたて(最悪絞ってから2時間以内)のオレンジジュースを用意できるか?」と聞かれます。これがオレンジジュース・テストです。

「そんなことはできません」とあなたが即答したら落第です。
「お安いご用です」と即答しても落第。
合格するには「できます。概算でこれくらいの費用がかかります。」と答えることです。

顧客の要求を即座に断ってしまうと、今後二度と声をかけてくれなくなるかもしれませんかと言って「お安いご用です」と請け負ってしまうと、後で自分の首を絞めることになるでしょう。

午前7時までに700人分のオレンジジュースを用意するためには、人手と機材と時間が必要です。顧客の要求をもとに即座に概算して伝えることが最善の答えというわけです。

このテストは顧客がコンサルタントの良し悪しを確かめるときに使うものだそうです。もちろん「オレンジジュース」は仕事の内容によって変わります。

ところが、システム開発の案件では無理な要求を平然と出してきて、必要なコストを見積もるとこれまた無理な値引きを要求をする顧客が多いそうです。

しかしシステム開発の場合、顧客サイドが「これはムチャ振りだ」ということを自覚できないと必ず失敗に終わります。時々、顧客の知識不足が原因でシステム開発が失敗してしまったという記事を専門誌で目にすることがあります。

つまり、顧客自身もある程度システム全体のコストを概算できる技量が必要になるわけです。

大規模なシステム開発案件こそオレンジジュース・テストから始めるべきですね!

 (人材育成社)

※『コンサルタントの秘密―技術アドバイスの人間学』 G.M.ワインバーグ・著、木村泉・訳、共立出版 、1990年


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