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第1,121話 嘱託職員として求められるプロ意識

2022年06月22日 | キャリア

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「後ほど上の者から説明します」

これは先日、私の知り合いがあるメガバンクを訪れた際に、待ち時間を質問したところ、対応した行員から返された答えとのことです。

具体的には、知り合いが店舗を訪れた際、既に5~6人が待っていたため、シルバーと思しき行員におおよその待ち時間を質問したのだそうです。その行員の説明では、「既に待っている人以外にも、今後予約をしたうえで来店する顧客がいる可能性もあるため、待ち時間はわからない」とのことだったとのこと。そこで「では、予約の人は何名くらいいるのですか?」と続けて尋ねたところ、その行員は近くにいた他の行員数人に声をかけ、話を始めたそうです。その際、その行員の「私は嘱託ですから・・・」や別の行員の「いや、私も〇〇で・・・」との声が聞こえてきたそうです。そして、知り合いのところに戻ってきて発したのが、冒頭の言葉だったのです。

知り合いは予約者の数を質問しただけなのに、「上の者から説明します」とはどういうことなのかと、一瞬呆気にとられてしまったそうです。

行員同士の会話から、対応した行員は嘱託職員のようでしたが、それは顧客の側には関係のないことで、顧客の前ではプロとしてしっかり回答してもらう必要があります。そもそも、このような簡単な質問にも嘱託職員が返答する権限が与えられていないとしたら、それも問題です。もしかしたら、知り合いの質問はルーチンの質問ではなかったのかもしれませんが、この行員の対応は顧客の質問に考えようとすることすら放棄してしまっているように思えます。これでは、嘱託職員としての存在意義がないのではないでしょうか?

「嘱託」とは、一般的には定年退職後に契約のもと勤務していた組織に続けて勤務する人のことです。また、有期契約で1年単位で契約を更新し、現役時代の経験を活かし、サポート的な業務を担当し、給与は定年前に比べ7割~半分程度に下がることが多いようです。そのような事情から、モチベーションが大きく下がってしまう人がいることも事実で、問題として顕在化しているところもあり、組織としてやる気を維持し力を発揮してもらうための取り組みの必要性が言われているところです。

実際、これまで私自身がお会いした嘱託として働いている人達は、過去の経験をもとに部下や後輩への知識やスキルの継承に力を注いでいたり、積極的にクレーム対応にあたったりするなど、意欲的に働いている人がほとんどでした。しかし、今回のメガバンクの嘱託職員のようでは、残念ながら戦力としてカウントするのは難しいと言わざるをえません。

新規に人を採用することが難しい状況の今、嘱託職員はこれまで以上に組織にとって大切な戦力となるべき人材です。外部から新たな人材を採用しゼロから育成するよりも、高い生産性を期待できるだけでなく、定年退職者を嘱託社員として再雇用することは現在、組織に課せられた社会的な義務にもなっています。そうであるならば、嘱託社員には、これまでに培った能力を最大限発揮してもらい、組織に貢献してもらわなくてはなりません。同時に、そのためには嘱託社員のモチベーションを維持することも大切なことです。

顧客対応をはじめ仕事の上では立場に関係なく、みなプロであるはずです。嘱託職員として対応する際にも、プロ意識が必要であることをあらためて認識していただくとともに、組織の側にもモチベーションを維持してもらうための取り組みが必要であると考えています。

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