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第1,120話 なぜパワハラが繰り返されてしまう組織があるのか?

2022年06月15日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「胸ぐらをつかんだり、蹴りを入れたりするのはパワハラになりますか?また、給料泥棒と言うのはどうでしょうか?」

これは、弊社が来月パワーハラスメント(以下パワハラ)防止を目的とした研修を担当させていただく予定のA企業の研修担当者から質問された内容です。A企業はこれまでに2回パワハラ研修を実施されていたのですが、改善されないため再度研修を行いたいとのことでした。

本年4月より労働施策総合推進法に基づく「パワーハラスメント防止措置」が中小企業の事業主にも義務化されましたので、例年よりもパワハラに関する研修のご依頼をいただくことが多くなったと感じています。しかし、その多くは現時点ではパワハラを把握していないけれど、万が一確認できていないところで起きていたりすると大変なので、パワハラ防止のメッセージを送る意味合いでの研修の実施を考えられているようです。

一方、冒頭のA企業の状況は少々異なり、質問のような行為によるパワハラが顕在化しているとのことです。胸ぐらをつかんだり蹴りをいれたりする行為は、もちろんパワハラです。厚生労働省が示している職場のパワハラの6類型の中の身体的な攻撃にあたるだけでなく、さらに言えば状況によっては犯罪に該当してしまう可能性さえある行為です。また、給料泥棒というような言動も精神的な攻撃に該当します。ハラスメントには、ハラスメントかどうかの判断に迷うような「グレーゾーン」といわれるものがありますが、冒頭のこれらの行為は明確に「ブラック」な行為です。

そういう行為なのにもかかわらず、また過去に2回パワハラ防止の研修を行ったにもかかわらず、研修担当者がこのような質問をするのは、なぜなのでしょうか?

過去に2回行った研修の内容をお聞きしてみると、パワハラ防止に関する一般的な内容は網羅されていたようでしたが、結果として研修の効果は全く出ていないようで、その後も変わらず冒頭のような行為が繰り返されているそうです。そしてその結果、新人や若手が退職してしまうケースが多くなっているとのことです。厚労省が令和3(2021)年10月22日に発表した新規就職者の3年以内の離職状況は、新規高卒就職者36.9%、新規大卒就職者31.2%ですが、A企業では新入社員および若手社員の退職率はそれを上回っているのです。

それでは、パワハラ防止の研修を何度も行っているのにもかかわらず、なぜパワハラが繰り返されてしまうのでしょうか?私は、A企業にはパワハラを許してしまう企業の文化や風土があるからではないかと考えています。文化や風土といったものは、長年かけて少しずつ醸成され形成されるものですから、研修を数回行ったからと言って簡単に変わるものではないのかもしれません。

しかし、パワハラは決して許される行為ではありません。もしパワハラを許してしまうと、被害者(おおむね部下)が委縮し、職場の雰囲気が悪化し、仕事の生産性が下がり、退職者が続いてしまう、大変大きな弊害を生じてしまいかねないのです。

パワハラを許容してしまうような文化や風土は改めなくてはなりませんが、本気でパワハラを撲滅させたいと考えるのであれば、研修だけを行っていればそれでよしとするのでなく、企業全体で真剣に取り組む必要があります。その際にもっとも大切なのは、トップが腹をくくり、先頭に立って撲滅に取り組むという姿勢を示し、組織をあげて粘り強く取り組み続けることだと考えています。あなたの組織の状況はいかがですか。

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