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3割6分の法則 

2013年11月08日 | コンサルティング

「部下がなかなか仕事を覚えない」、「どうすればこちらが期待するとおりに、早く成長してくれるんだろう」

管理職研修で異口同音に発せられる悩みの一つに、「部下が思うように育たない」があります。

一方、若手を対象にした研修では「上司が仕事を教えてくれない」、「何を期待されているのかがわからない」という悩みの声をよく聞きます。

はたしてどちらの言い分が正しいのか?あるいは両方共もっともな言い分なのだろうか?

そんなことを考えていたところ、先日ある雑誌の中で興味深い記事を見つけました。

 

「よく、みんなに『三割六分の法則』 と言っています。教える方が10割教えても習う方は6割しか理解できていない。かつ、教える方も、10割教えたつもりで6割しか教えられていない。教える方も6割、習う方も6割なので、6割×6割で、実は3割6分しかやりとりしていないんだと。その割合を上げるには、双方の努力が必要で、その努力なしでは、なかなか卒業に結びつかない。それをみんなにいかに伝えるかが私の使命でもあります。」

これは航空自衛隊のパイロットの養成課程のうち、初級操縦課程を担当する基地の司令官の言葉です。この課程は操縦者としての「心・技・体・知」の基礎をしっかり教えるのが役割だそうですが、22週間という短期間では教える方も習う方も容易ではないのだそうです。

しかし、「新人教育をできるだけ丁寧に行うことで、一人の脱落者も出さず卒業させ、将来、航空自衛隊の中核として活躍するパイロットになるような人材に育てていきたい」という考えの中で生まれたのが、この「3割6分の法則」だそうす。

航空自衛隊のパイロット養成のように、目的が明確な人材育成であっても、「3割6分」なのです。ということは、冒頭の管理職と若手双方が悩みを感じるのは、やむをえないことなのかもしれません。

私自身、研修終了時に受講者アンケートの結果を見て、伝えたつもりのことがきちんと理解されていない、あるいは誤解されていることがわかって愕然とすることがあります。

研修中であればその場で訂正をすることも可能ですが、終了してしまってからではどうすることもできません。十分に伝え切れなかったりした時はとても申し訳なく、また残念に思います。

だからこそ、人材育成においては「3割6分」の割合を少しでも高めていくことが、大きな大きな課題であるとあらためて思いました。

(人材育成社)


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